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まちづくりニュース

市民のまちづくり活動
おおた市民活動推進機構、フリーマガジンと協働事務所に着手
2006/4/25


●2006年4月22日(土)午前10〜12時、大田区社会福祉センター6階会議室にて、おおた市民活動推進機構(玉田さとみ代表理事)と区議会議員との語る会が行われた。
 おおた市民活動推進機構は、この3月26日(日)に設立総会を行ったばかりの新しいNPOである。現在、東京都へのNPO法人申請に向けて準備中であり、順調に行けば、秋にはNPO法人格を取得する。
 このNPOは、大田区内のNPO関係者が自主的に集まって立ち上げたものである。筆者も区内在住であり、2002〜04年にかけては、大田区が設置した「区民活動との連携・協働に係る基本方針等策定検討会(通称:おおたパートナーシップ会議)」に公募委員(副会長)として参加したほか、いくつかの区内のNPOでも活動してきた。
 大田区では、先述のおおたパートナーシップ会議の答申を受けて、2005年4月には「大田区区民協働推進条例」を施行したが、区と団体の協働、団体同士の協働などが、大田のまちの日常の風景にはまだまだなっていない。
 そのような協働を通した自治ある社会は、自治体だけが旗を振ればできるものではなく、市民自身が浸透させる努力が必要であるとの認識は、多くのNPO関係者で共有されるところとなり、市民の全くの自主的な動きとして、おおた市民活動推進機構の発足となった。なお、筆者は、副代表理事を務めている。
 
 大田区ホームページ 区民活動との連携・協働に関する基本方針・条例・要綱等

●おおた市民活動推進機構は、NPO、地域団体、企業、自治体などをつなげて協働を生み出し、その協働によって自治が行われる社会づくりを目指している。今回の区議会議員との懇談会も、市民の代表である議員も協働の対象として、私たちの活動を知ってもらうために行われた。主要会派を網羅して8名の議員に参加してもらえた。
 プログラムは、推進機構からの情報提供を行って、その後、議員から意見をもらう形をとった。新NPOの気負いか、情報提供の時間が長くなっていまい、「『語る会』になっていない」との指摘を受けるといった反省点はあったものの、議員に活動を知ってもらうことができた。
 また、議員からは、「何かしたい」との市民の気持ちが行動につながるための仕組みづくりを期待するとのエール、NPOの拠点がまちのなかにあり市民の目に触れるようにしたらよいとの提案、まちづくりの基本は自分の住む町会の役員の顔を知ることだとのアドバイス、「社会貢献」という言葉をもう少し慎重に使うべきだとの宿題など、とても参考になる意見をもらうことができた。
 当日のプログラムは、以下の通りであった。

おおた市民活動推進機構と区議会議員との語る会 プログラム

 1.市民自治社会の考え方 庄嶋孝広(副代表理事)
 2.若者が次々に挑戦する社会起業家 玉田雅己(理事)
 3.NPOと他自治体による協働の事例紹介
  ・NPO、商店街、区、都との協働(NPOみんなの食育) 桐生一成(理事)
  ・NPOが作る自治体の特色(NPOバイリンガルろう教育センター) 長谷部倫子(理事)
 4.“協働”事務所の運営 玉田さとみ(代表理事)
 5.情報誌の発行と配布 中野真弓(常務理事、事務局長)
 6.意見交換

●筆者は、最初に10分程度のミニミニ講演を行った。推進機構が設立趣旨書に掲げる、「市民自治社会」とは何かについて、筆者がよく市民向けや自治体職員向けの講義で行うクイズを使って、説明した。
 「市民自治社会」とは、端的に言うと、次の通りである。
 ・公共は、市民が「加入」する様々な団体(NPO、自治体、コミュニティ、企業等)が担っている。
 ・市民は構成員として運営に「参加」し、団体の自治を担っている。
 ・様々な主体の「協働」によって、社会全体の自治が行われる。
 つまり、市民の「加入」「参加」「協働」によって自治が実現される社会ということであるが、その「加入」「参加」「協働」をサポートする機能が必要であり、そこを推進機構が担うということを述べた。
 また、区議会議員との協働のメッセージとしては、自治体は最も多くの市民が「加入」している団体であり、区議会はその自治体をガバナンス(吹u参加」)する機関であるということで、自治体としての大田区との「協働」に力を貸してほしいというものであった。
 詳しくは、当日使用した、プレゼン資料をご覧いただきたい。
  市民自治社会の考え方 庄嶋孝広

●なお、プログラムの4と5にある「“協働”事務所の運営」と「情報誌の発行と配布」が、推進機構の当面の活動の2本柱である。
 「情報誌の発行と配布」は、大田区を中心とした地域における、市民活動(NPO、地域活動)、社会起業、企業の社会貢献、自治体の動きなどの情報を、フリーマガジン(無料、A5版16ページ)のスタイルで発行するものである。普通に暮らしている市民が、地域の市民活動について知り、行動につなげられるきっかけを提供していきたいと考えている。
 この6月を目途に創刊し、隔月での発行を目指している。実際に発行された情報誌を持って、企業などから広告を広く集めたいと思っている。

●もう1つの柱である「“協働”事務所の運営」は、NPOや社会起業家などが「共同」で入居する事務所を運営するものであり、入居者同士が助け合って「協働」の効果も生み出そうというコンセプトの事務所である。
 自治体がNPO支援策として、公設の市民活動センターなどのなかに、格安の家賃で年限を設けて提供する貸事務所といったものはあるが、言ってみれば、その完全なる市民版である。また、社会起業家だけのインキュベーションオフィスなどはすでに事例もあるが、「ソーシャルな活動」であれば、NPOか社会起業家か、法人か個人かなどの違いを問わないのは珍しい。このようなケースは全国初かもしれない。
 当初は、事務所を求めていた筆者個人が、推進機構と事務所をシェアできたら、家賃は安くて済むし、助け合えるといった程度の話から始まったが、推進機構のメンバーへ、そのまた知り合いの社会起業家へ、そのまた知り合いへと賛同者が広がっていった。

●そして、何より、肝心の事務所物件を提供してくれるオーナーさんに出会えたことで、話が一気に本格化した。大森銀座商店街(JR大森駅東口)で酒屋を営む守屋さん(三喜屋酒店)が、4階建て所有ビルのうち、これまで塾として使用していた2階(約42.72坪、141.25u)を貸してくださることになったのである。
 お孫さんを持つ年齢になり、地域のためになることをしたいと思い始めていたが、どのようにしたらよいかわからなかった、と語る女将(おかみ)さんは、協働事務所の趣旨を深く理解され、快く場所を提供してくださることになった。最初は本来の半額程度の家賃とし、半年ごとに家賃を上げて、2年間で本来の家賃にする「スライド方式」という、いわば優遇措置も呑んでくださった。
 女将さんは、先述の区議会議員との懇談会にも出席されたうえ、翌4月23日(日)の協働事務所の入居予定者ミーティング(場所はもちろん、協働事務所!)にもお付き合いしてくださった。オーナー臨席のもと、契約内容、事務所のレイアウト、会員の種類と料金設定などを話し合い、オープンの目途が立った。
 協働事務所の名称も、当初から候補となっていた、「ぷらっとホーム大森」に決まった。まちづくりの「プラットフォーム」(基盤)になるという思いと、誰もが「ぷらっと」立ち寄れる家(ホーム)になれたらという願いが込められている。まちのなかに拠点ができたことで、まちとの「協働」の効果も期待できる。

●この「ぷらっとホーム大森」は、5月1日(月)に正式に賃貸契約を行い、5月3日(水)にオープニングセレモニーを行う。オープニングセレモニーでは、入居してみたいという方への内覧会も行うので、ご関心のある方は、ぜひお越しいただきたい。
 以下に、オープニングセレモニーのプログラム(予定)と、会員の種類と料金設定(予定)、事務所のレイアウト(予定)を掲載しておく。

<オープニングセレモニー>

2006年5月3日(水)
ぷらっとホーム大森(大田区大森北1-30-1 三喜屋ビル2F) 地図
※1Fのモスバーガーが目印

  16:00〜 自由内覧会
  17:00〜 説明会(入居条件などをお話します)
  17:30〜18:30 オープニングパーティー(参加費500円位)

<会員の種類と料金設定>

 ○ぷらっと会員 月額1万円
           (固定デスクなし、共有スペース活用、電話/FAX・インターネット使用、
            郵便受取り、事務所住所登記可能)
 ○デスク会員 月額2万円
           (占有デスク・書棚各1、以下ぷらっと会員同様)
 ○スペース会員 月額2万円以上、応分負担
           (複数団体での教室型個室内を使用、以下ぷらっと会員同様)
 ※管理費(光熱水費、共有管理経費)は別途応分負担

<事務所のレイアウト>

 事務所のレイアウト

 4月23日現在で入居が決まっているのは、スペース会員は5、デスク会員は1、ぷらっと会員は1となっている。
 募集するのは、スペース会員が4、デスク会員が6、ぷらっと会員が12以上である。
 なお、推進機構は、「ぷらっとホーム大森」の運営を事業とはするが、他の入居者とは対等の関係である。せいぜい入居者のなかでの幹事団体といったところである。「ぷらっとホーム大森」の会員になる(入居する)にあたっては、推進機構の会員になる必要はないので、念のため。「ぷらっとホーム大森」では、「入居者協議会」のようなものを別に設ける予定である。
 また、大田区在住に限らず、どちらにお住まいの方でも入居できる。東京以外の団体や個人の、東京事務所として利用していただくのも大歓迎である。
  「ぷらっとホーム大森オープニングセレモニー&内覧会」の案内

●ところで、筆者も、デスク会員として入居する。まだ屋号は決まっていないが、個人事業主として、市民参加の会議のファシリテーター、ファシリテーター講座の講師、市民参加や協働の制度や手法の研究やアドバイスなど、これまでもやってきた事業のほか、実験的なワークショップを自ら開催することにもチャレンジしたいと思っている。
 東京ランポについては、7月を目途に、現在の常勤スタッフではなくなるが、引き続き、プロジェクトに参加したり、いくつかの業務を手伝ったりはする。筆者が確立してきた、市民参加の会議の現場支援の経験を踏まえて、実効性のある市民参加や協働の制度や手法を提案するスタイルを、もっと自由に追求してみたいと思っている。

●おおた市民活動推進機構の設立と協働事務所「ぷらっとホーム大森」の開設について紹介してきたが、筆者もその一員として関わるなかで、人が人につながって、それが大きな力になっていくことに、改めて驚きを感じている。バリバリに市民活動をやってきた人、社会起業家として活躍している人など、様々な人たちが寄り集まり、それぞれの得意分野を出し合うことで、それまでになかったタイプの組織や場が生まれる。
 例えば、協働事務所の開設ひとつをとっても、契約条件を詰めるのが得意な人、電気配線に詳しい人、通信環境に詳しい人、レイアウトをすぐに図面化できる人など、いろいろな人がいることで、トントン拍子で話が進んでいく。
 おおた市民活動推進機構が目指す、市民の「加入」「参加」「協働」による「市民自治社会」の姿を、推進機構や協働事務所に関わる私たち自らが実践し、社会に示していくことで、今後の本格的な活動の展開も図っていきたい。

※ ぷらっと会員の田辺大さんのブログ「ぷらっとホーム大森〜ソーシャル(社会貢献)をキーワードにした協働オフィス〜」もご覧ください。デジカメ紙しばい付きで、現地の雰囲気が伝わります。

(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)

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