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まちづくりニュース

市民参加・協働のまちづくり
自治基本条例をつくるみたか市民の会が条例試案に意見書提出
2005/5/18


●自治基本条例の策定が進行中である三鷹市で、2005年3月31日、「条例検討試案」(以下、条例試案)が公表された。条例試案は、2004年7月に公表された「要綱案」に対する、市民、市議会からの意見を踏まえたうえで、条文形式となった素案である。
 条例試案をめぐっては、市民からの意見受付のほか、3回の「まちづくり懇談会」での説明(当初は1回の予定であったが、2回追加された)、5人以上の要請で説明に出向く「出前説明会」が行われ、5月13日で全て終了している。まちづくり懇談会は3回合計で70〜80人が参加し、出前説明会は6回実施された。
 三鷹市ホームページ 三鷹市自治基本条例検討試案ができました

●これまで3次にわたる条例試案を示すなど、市民の立場で条例づくりに取り組んできた「自治基本条例をつくるみたか市民の会」が、市要綱案への意見書、議会要綱案への意見書に続いて、条例試案に対する意見書も作成した。なお、この情報は、世話人の1人である内仲英輔さんより、寄せていただいた。
 5月9日(月)午後、市民の会は、市長を訪れて意見書を手渡し、担当助役も交えて意見交換を行っている。市民の会が、条例試案の問題点を指摘したうえで、「自治基本条例が策定過程にあること自体が、市民の間にまだ十分浸透しておらず、論議も熟していない。たとえ時間がかかっても、市民の意見をもっと幅広くとり入れる努力をすべきだ」と主張したのに対し、市側は、すでに十分な検討の時間を経ており、この機会を逃すと成立自体が難しくなるとする立場を崩さなかったという。
 担当課に問い合わせたところ、まちづくり研究所第2分科会で検討を始めてから2年半が経過し、要綱案、条例試案の2回にわたる案の提示、条例試案をめぐる「まちづくり懇談会」には担当助役も出席して意見交換を行うなど、必要な検討はなされたと判断しているとのことであった。
 自治基本条例をつくるみたか市民の会ホームページ 三鷹市自治基本条例検討試案に対する意見書

●市民の会の主な意見は、次のようなものである。
J.作成の過程・スケジュールについて
・市報には、概要ではなく条例試案全文を掲載すべき。
・ようやく条例への関心が高まり出した段階であり、市民が検討できる時間を十分にとり、制定への日程を見直すべき。
K.前文について
・行政が前面に出た記述になっており、主権者である市民の視点を中心に記述すべき。
・多くの市民が十分に了解していない「協働」という言葉の意味や意義を説明すべき。
・歴史や文化など、個人の価値観に関わることを、市民の宣言とすべきではない。
L.最高規範性について
・最高規範であることを担保するために、改廃の手続きを一般の条例より厳格にすべき。
N.議会に関する章について
・議会の会派代表者会議が提案した議会要綱案を、ほとんどそのままとり入れたため、市民の立場から見た議会のあるべき姿が、完全に骨抜きにされた。条例案の正式提案の前に、議会の意向を鵜呑みにすべきではない。
Q.住民投票制度について
・常設型の住民投票制度(請求があれば必ず実施するタイプ)となっていないこと、市の権限に属する事項のみを対象としていること(国の政策の是非などは対象外であること)、住民投票の結果を尊重する規定がないことなどは、後進的な規定である。

●一方、担当課によると、議会に関する規定に、議会要綱案をほぼそのまま採用したのは、議会での条例成立を図ってのことではなく、議会で10数回にわたる検討がなされたことを尊重したということであった。
 住民投票については、三鷹市には、さしあたって住民投票をするような案件がないこともあり、常設型の必要性がないこと。また、一律に住民投票の要件を決めるよりも、案件によって投票できる年齢を変えたり、結果についても、投票率などを考慮に入れて尊重できるものであるかを判断したりと、案件ごとに柔軟に運用する方がよいと考えたとのことであった。
 また、条例ができたら終わりではなく、使いながら育てていく必要があるとのことであった。

●三鷹市の自治基本条例の策定プロセスは、要綱案、条例試案(素案)の2段階で市民や議会の意見を受け付けるものだが、大和市自治基本条例をつくる会のような、市民参加の策定組織が検討の主体となっておらず、行政が各方面の意向を踏まえながら、条例案を編集する格好となっている。
 大和市が、つくる会における市民同士の直接の議論の結果に重きを置く考えをとったのに対し、三鷹市は、様々な市民、行政内部、議会などの意見を行政が調整することで、最適解を見出すという考えをとったわけである。
 大和市の場合は、条例案の重要部分が、最終的に議会で修正される結果となった。そのことを考えると、三鷹市のように、事前に議会の意向を反映して条例案を修正するというのも、1つの方法ではある。
 しかし、市民参加による策定組織が、市民の考える議会のあるべき姿を考え抜き、それを掲げて、議会と直接対話の場を持って得られた結論であれば、もっと釈然とする気がした。各主体間の直接対話がなく、行政がバランサーとして間に入って調整する方法は、「自治体の憲法」のつくり方としては、盛り上がりに欠けるところがあるのではなかろうか。

●現在、担当課では、5月13日までに寄せられた市民意見を、担当助役を交えて精査中という。予定通りであれば、6月議会に条例案が提出されることになる。

 自治基本条例をつくるみたか市民の会ホームページ

「三鷹市自治基本条例市民案の発表会&シンポジウム開催」「自治基本条例をつくるみたか市民の会が第3次試案を公表」「自治基本条例をつくるみたか市民の会が市要綱案に意見書提出」自治基本条例をつくるみたか市民の会が第2回シンポジウム開催「自治基本条例をつくるみたか市民の会が議会要綱案に意見書提出」もご覧ください。

(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)

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