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まちづくりニュース

市民参加・協働のまちづくり
第22回平塚市自治基本条例市民委員会開催
2005/3/25


●2005年3月11日(金)午後7時〜9時30分、ひらつか市民活動センターAB会議室にて、第22回平塚市自治基本条例を考える市民委員会が行われた。筆者は、午後7時20分以降を傍聴した。
 この日は、委員出席者29名(53名中、発足当初の58名より減)、傍聴者3名であった。

●筆者が前回傍聴した、昨年末の第17回では、「屋台方式」(関心のあるテーマの「屋台」を自由に「はしご」しながら議論する方式)による条例案の検討1巡目が終了した。
 今年に入って、第18回からは、検討2巡目に入っている。まず、第18回から第20回にかけて、条例案の全体構成(目次)を検討した。ファシリテーターの大久手計画工房が関わった、久喜市の市民ワークショップによる自治基本条例案の全体構成を参考にしながら、委員からも提案を募り、グループ討議によって検討している。第19回でできた5つのグループ案をもとに、「条例骨子案検討チーム」が最終案を提案し、全体での検討を経て概ね次のようにまとまった(確定ではない。下記には大項目のみを掲載)。なお、「条例骨子案検討チーム」は、第19回のなかで世話人会から提起され、承認されたもので、希望者15名で構成された。
  0.前文
  1.総則
  2.自治の(基本)理念 または (自治の)基本理念
  3.自治の(基本)原則 または (自治の)基本原則
  4.都市(まち)づくりの基本原則
  5.市民
  6.コミュニティ
  7.市議会及び議員
  8.市長・行政(職員)
  9.行政運営の原則
  10.自治の推進(拡充)
  11.国及び自治体間の連携と協力
  12.その他
 その後、検討2巡目は、条例案の全体構成(目次)に沿って、グループ検討で行うことになったが、グループ検討された内容のほか、1巡目で提案された「条例案のタタキ台となる文章」ももとにして、新たに10数名の希望者で発足した「条例文案検討チーム」が文案化を行い、全体に提示して検討することになっている。2巡目の検討方法については、第20回で検討されて決まった。

●この日は、条例案の全体構成(目次)の「5.市民」と「6.コミュニティ」について検討がなされた。自由着席による5つのグループに分かれて検討するなかでは、委員各自による提案が「提案用紙」に記入され、グループごとの検討シートに貼り付けられた。各グループの検討結果を共有するための発表では、国籍や年齢による市民の権利の違い、市民の権利と義務の内容、コミュニティが含むものとして「地域、分野(テーマ)、ネットワーク」「市民活動団体、自治会」「市民団体、自治会、事業者」といった案の提起、自治会に補助金が出ている現状などが報告された。これらの検討結果などをもとに、「検討チーム」が文案化したものが、次回提示されて検討される。
 同様に、第21回で検討された「1.総則」「2.基本理念」「3.基本原則」の文案が、今回示されて検討される予定であった。「検討チーム」による文案検討は4時間にわたって行われたのであるが、議論がなかなかまとまらず「1.総則」の一部のみを文案化するまでで終わった。その「1.総則」の一部文案も、この日は検討する時間がなく、「検討チーム」から発表しただけであった。とりあえず、文案に対する意見用紙に記入する形で、意見を受け付けることになった。

●この日、「検討チーム」が文案化したものを検討する時間がなかったのは、この日の前半の議題であった、委員長・副委員長の選出に、予定以上の時間を要したためであった。今後、フォーラムを開催したり、地域や活動団体、未来市民会議(総合計画づくりのための公募市民会議)などへの説明会を行ったり、市民委員会から4名が策定委員として入る自治基本条例策定委員会が始まったりする。そのため、市民委員会の組織体制を整える必要があり、委員長・副委員長を選出するほか、広報・広聴部会のもとに、広報紙、説明会、フォーラムのチームを設けることになったという。
 各チームは希望者を募って構成されることになったが、委員長・副委員長は、その選出の手順から話し合って決めることになったようである。この日も、委員長・副委員長の役割は何か、各チームの長と兼任できるのか(各チームの長が副委員長になるという案もあった)、策定委員との兼任はできるのか、投票方法はどうするのか、といったところから話が行われた。大久手計画工房が準備した論点整理や小道具も役立って、活発な議論の後に選出方法が決められ、投票の結果、委員長1名、副委員長3名が選出された。

●条例案の「内容」よりも、会議の「進め方」をめぐってヤジまじりの議論が行われていた、発足後の半年間くらいに比べると、条例案の検討も2巡目に入り、議論も秩序立って行われるようになってきたように見える。市が予め依頼していたファシリテーターから進行の役割を奪って、委員自身で司会者を立てて進行するやり方も落ち着き、市民自身による会議運営が行われている面は評価できる(この日の場合、司会者が、自分の意見の方向にまとめようとする場面も見られたが、全体では受け入れられているようである)。
 しかし、この日の時間配分など見ても、条例案の「内容」よりも、市民委員会の「組織づくり」や会議の「進め方」の方に、いまだより多くのエネルギーが使われているように感じられてならない。条例案については、「条例文案検討チーム」による文案化という効率的な方法を採用するに至ったが、1巡目に各委員の思いをたくさん出し合う工夫をしただけに、その思いをすり合わせる過程も丁寧にやらなくてはもったいない。「検討チーム」という見えない場所での議論で大筋が決着し、全体での検討は時間が足りずに中途半端ということは避けなくてはならない。

●条例や計画づくりにおける、公募市民による会議は、従来からの審議会等と異なり、自主運営されるのが特徴である。人数が多いために、少数の担当職員で対応するのは大変ということもあるが、このような会議のモデル的成功例となった「みたか市民プラン21会議」が、市民の自主運営で行われたのが、その後、大きく影響していると考えられる。自主運営をするということは、一定の機関を整えた組織としての体裁も備えることになる。三鷹の「市民21会議」の場合も、代表のほか、(市からの補助金を受けていたが)市民事務局があり、運営委員会などの機関を持った組織であった。
 ただ、公募市民会議は「会議体」である以上、NPOのような「組織体」とは異なる。その違いは、「組織体」が、基本的に考えを同じくする人同士が集まって、認識を共有する課題の解決に向けて取り組むのに対し、「会議体」は、異なる考え方かもしれない人たちが、考えの違いを確かめつつも、どこまで合意できるかを探る場であると言ってよい。そういった意味で、公募市民会議は、与えられたテーマに対して、十分に議論を尽くすことが最優先課題であって、NPOなどが、対外的には1つのまとまった主張を展開している(ように見える)のと同じように振る舞う必要はない。もちろん、最終的な条例案がまとまり、公募市民会議として合意したものができた後は、それを実現するために組織的な行動が優先される局面に入るかもしれないが、それまでは、広く開かれた状態で市民同士が議論できることが優先される必要がある。
 筆者が調査している、どの公募市民会議も、多少は組織としての側面を持っているのは確かだが、平塚市自治基本条例市民委員会は、1つの「組織体」であることへの志向が突出している印象がある。

●この第22回市民委員会の後、3月15日(火)に第1回策定委員会が開催されている。委員構成は、学識経験者3名、各種団体3名に加え、市民委員会から4名の計10名である。策定委員会設置要綱によると、市民委員会による案や、職員プロジェクトチームによる案を踏まえて、専門的、多角的な検討を行い、市長に提言することになっている。
 最終的に、どのような形で提言を行うのかは不明であるが、市民委員会とどのような役割分担がなされるのか、具体的に言うと、市民委員会の条例案が策定委員会でどのように扱われるのかが、注目されるところである。実はこれまで、公募市民による会議と、専門家も入った審議会等が、同時に設置されるパターンは一般的ではないからである。
 両者を並立することは、理論的なレベルでは意外と問題がある。両者が並立する場合、基本的には、専門家も入る審議会等に最終的な市長への提言の役割が与えられるため、公募市民会議の案は、審議会等においては参考意見程度に扱われ、最終的な提言には部分的にしか取り込まれない恐れがある。また、公募市民会議から数人が審議会等に入るというアイデアも、公募市民会議の「案」そのものではなく、「人」を受け入れる形であるため、審議会等に委員として入り、一緒に市長への提言を行ったことだけが重視され、公募市民会議の案が審議会等での検討のベースになることまでが保障されるわけではない。さらに、各人があまり立場を背負わずに、他者と意見を交わすなかで自分の意見を修正しながら、合意できる点を探っていけるのが、理想的な会議であるが、公募市民会議から入った委員は、自然と公募市民会議の「案」に従う義務を感じるため、自由に合意点を探る生産的な議論が行えるかわからない。
 その点、「みたか市民プラン21会議」のように、会議の市民提言を尊重する形で市が素案をつくり、その素案をめぐって会議と市がやりとりをした例や、「大和市自治基本条例をつくる会」のように、最初から職員や学識経験者も会議に加わり、そこでできた素案がほぼそのまま市の条例案になった例など、単一の検討会議がつくった「案」や「提言」そのものが、その後の策定過程に引き継がれる方が、手続き上ははっきりしている。
 平塚の場合、今後どうなっていくかはまだわからないが、1年以上かけて作成した市民委員会の条例案の扱いは、極めてデリケートなものにならざるを得ないのは確かであろう。

●3月26日(土)午後2時〜4時30分、平塚市教育会館3階大会議室にて、平塚市自治基本条例を考える市民委員会と平塚市の主催で、「自治基本条例フォーラム みんなでつくろう、わたしたちのまち平塚!」が開催される。市民委員会からの「条例の必要性」「検討経過」「内容」の発表の後、会場からポストイット(付箋)で意見を集める時間も設けられており、それらの意見を踏まえてパネルディスカッションが行われるようである。ご関心のある方は、ぜひご参加いただきたい。

 平塚市ホームページ 自治基本条例のホームページ

「第6回平塚市自治基本条例市民委員会開催」「第9回平塚市自治基本条例市民委員会開催」「第13回平塚市自治基本条例市民委員会開催」「第17回平塚市自治基本条例市民委員会開催」平塚市自治基本条例骨子の元市民委員向け説明会開催」ご覧ください。

(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)

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