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まちづくりニュース

市民参加・協働のまちづくり
第17回豊島区自治基本条例区民会議開催
2005/1/31


●2005年1月20日(木)午後6時30分〜8時30分、豊島区民センター5階音楽室にて、第17回豊島区自治基本条例区民会議が行われた。筆者は、午後7時以降を傍聴した。

●2004年5月より検討を続けてきた区民会議では、これまでの検討の成果を「中間まとめ」としてまとめ、区民フォーラムを開催して発表することになった。
 「中間まとめ」は、「前文」と「本体」部分からなる。
 「本体」部分は、「区民の定義、権利と責務」「コミュニティからの市民自治」「区政への参画、協働」「議会・行政運営」の4テーマからなるが、それぞれの担当グループによる検討を通してまとめられた。但し、各テーマ間の整合をとるだけの時間はなかったため、書式やレベルのみを整えるまでとなっている。
 第16回では、区民フォーラムを想定した「模擬フォーラム」が行われ、「区民の定義、権利と責務」については、誤った記述や記述形式(箇条書きではなく文章にする)に対する修正意見が出された。また、「コミュニティからの市民自治」についても、区民会議が独自に考案した「生活コミュニティ」(地域コミュニティと目的コミュニティが連携したもの)を活かしていく視点が足りないといった指摘があった。第17回では、これらの点を修正した修正案が出され、了承された。

●一方、「前文」については、第14回から第16回にかけて、厳しいやりとりがなされたことが、会議録から見てとれる。
 まず、「前文案」の作成を申し出た「議会・行政運営グループ」から、第14回において、3つの案が出された。そのうち、起承転結で構成されている案をベースにすることになったが、あまりに長いため、コンパクトにわかりやすくまとめることになった。
 そこで、第15回では、「議会・行政運営グループ」がコンパクトにした修正案を示したのだが、より前向きな表現にすべきという個人からも案が示され、この両案をめぐって(会議録を見る限り)「激しい」議論が交わされた。
 筆者が見る限り、両案が盛り込んでいる内容に、それほど違いはないと感じるのだが、前者が「状況記述+宣言」という構成になっているのに対し、後者は「宣言」のみになっているという違いはあるのだろう。後者を支持する人は、「状況記述」が過去の反省のような否定的な面を含んでいることに、「恥ずかしい」と反発しているようであった。(さらに、その「恥ずかしい」の一言で議論を受け付けない姿勢に、前者を支持する人たちが反発している。)
 第15回で、一旦は両案で決をとるべきという話も出たが、出席人数が少ないことから、次回に持ち越すことになった。そして、第16回では、前者をさらに修正した案が示され、後者と同様に、主語を「私たち区民は」に統一した案となったことから、両案の違いはそれほどなくなったと判断され、前者を多少修正して決着することとなった。

●かくして、第17回で「中間まとめ」が了承され、(筆者は他に仕事があって参加できなかったが)1月29日(土)午前10時から上池袋コミュニティセンターで行われた、区民フォーラムで発表されている。
 第17回では、その区民フォーラムのプログラムや役割分担についても検討がなされた。また、区民会議が出向いて意見交換をする出前説明会についても、すでに開催された、学習院大学での説明会の様子が報告されたほか、今後開催される、区内のNPO団体の連絡会や、区の基本構想ワークショップの後継団体への説明会についても、案内があった。
 なお、次回は、2月1日(火)午後6時30分〜8時30分、豊島区民センター5階音楽室にて、条例の総則の検討や職員プロジェクトチームとの意見交換をテーマに、開催される。

●ところで、自治基本条例は、自治体の憲法と位置付けられることから、日本国憲法にならって、「前文」を持つことが当たり前となっている。
 「前文」は、自治体のあり方を高らかに謳ったり、市民(区民)としての覚悟を示したりするなど、「宣言」としての役割がある。ただ、その一方で、その「宣言」の前提となる「状況」の認識を、「状況記述」として盛り込むことも大切であろうと思う。むしろ、そこにこそ、自治基本条例を制定することになった時代状況を、市民がどう認識しているのかが表れるため、不可欠であると言える。豊島区の区民会議の場合でも、最終的には「状況記述」を含んだ案が選択されたのは、当然であると言えよう。

●また、「状況記述」の内容は、実は「宣言」の内容をも大きく規定していると言える。自治基本条例が制定されることになった背景には、自治体と国の関係を対等であると定め直した分権改革がある。「地方自治」には、「団体自治」(国との関係としての自治)と「住民自治」(住民が自治体の運営を担う)の両者があるとされるが、分権改革という背景を踏まえれば、自治基本条例も両方の自治を含んでいる必要がある。
 ところが、これまでに制定された自治基本条例の「前文」を見ると、「住民自治」に偏重した「状況記述」と「宣言」を行っているものも多いように思われる。豊島区の区民会議の場合もそうで、「区民が自治を担うのだ」という「宣言」は勇ましいものの、「豊島区が(特に財政的に)自立した自治体となる」といった「団体自治」の実現をめざす「宣言」は聞かれない。
 筆者は、市民参加・協働といった、市民自治への動きを応援する立場の者ではあるが、「住民自治」という概念は、一部の市民にとっては大変魅力的なものでも、行政に仕事をしてもらうことに慣れてしまった多くの市民にまでは、なかなか広がらないのではないかと思っている。むしろ、財政縮小に伴う行政サービスの削減といった、「団体自治」にまつわる切実な現実があってはじめて、多くの市民が行動スタイルを変えるのだと考える。
 「前文」における「状況記述」とは、そのあたりの「自治」が浮上してきた状況をどのように見ているかの表れである。全員公募による市民会議は、やる気のある市民の集団であるため、「住民自治」を高らかに謳いやすいのだが、それが本当に市民一般を動かすものになるのかどうかも、考える必要があると言える。

●なお、筆者が前回傍聴した第13回も、出席者は10名であったが、この日も11名であった。区民会議メンバーの総数は40名である。自治基本条例担当係長に伺ったところ、その半分の20名くらいが、入れ替わりで出席しているような状況で、コアになっているのは10名弱であるという。
 残っているのは、町会長、まちづくり団体メンバーなどの在住者を中心に、NPO関係、学習院の大学院生グループなど、もともと熱心な人たち、逆に来なくなったのは、在活動の人たちや学生など、豊島区との関係が直接的には薄い人たちであるそうだ。都市型社会の参加のあり方を考えさせられる、との係長の感想であった。

 豊島区ホームページ 自治基本条例のホームページ

「第6回豊島区自治基本条例区民会議開催」「第7回豊島区自治基本条例区民会議開催」「第8回豊島区自治基本条例区民会議開催」「第10回豊島区自治基本条例区民会議開催」「第13回豊島区自治基本条例区民会議開催」「豊島区の自治基本条例づくり、区民会議案まとまる」もご覧ください。

(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)

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