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市民参加・協働のまちづくり
●東京ランポの仕事ではないのだが、ファシリテーターを生業の1つとしている筆者は、この1月から3月にかけて、あるワークショップのお手伝いをすることになった。 「市民参加研究会」が笹川平和財団の助成を受けて行う「市民が考える脳死・臓器移植−専門家との対話を通じて−」というワークショップである。 ●「市民参加研究会」とは、若松征男・東京電機大学理工学部教授が代表を務める研究者集団である。科学技術社会学を専門にする若松教授は、80年代よりヨーロッパで行われてきた、科学技術に関する市民協議の手法である「コンセンサス会議」を日本で実験的に行うなど、これまでも科学技術の政策形成・決定への市民参加を実践的に研究してきた。 ●1997年に臓器移植法が成立し、いままた脳死者からの臓器移植をさらに促進することを目指して、臓器摘出の条件をゆるめる法改正が議論されているなかで、今回のワークショップは行われる。 ●筆者の本来のテーマは、自治体における市民参加であるが、科学技術への市民参加の重要性も理解しているつもりである。自治体への市民参加には、市民にとっての公共権力や共有財産を有する自治体を、構成員である市民が「ガバナンス(統治)」する意味がある。同様に、私たちの生活に恩恵をもたらす基本にありながら、それゆえに空気のような当たり前の存在となっている「科学技術」そのものについて、それを社会でどう活かすかという「ガバナンス」も必要なのである。 ●自治体の現場でも、審議会などで専門家と市民が討議する機会が一般化してきた。しかし、審議会等では、両者はともに委員という同等の立場であり、「同等」ゆえに、市民が専門家の学識によって「言いくるめられる」ことも起こっている。筆者が実際に見聞したなかにも、最終的には市民が専門家に遠慮してしまうケース、市民が専門家の「威光」に追随してしまうケースもあった。 ●最後にもう一点。筆者が若松教授を大変尊敬するのは、単なる市民参加の批評家的研究や、審議会等の学識委員として市民と接した経験だけで、ものを言うのでないところである。学術的なプロジェクトとして、自ら会議を設定して実践するなかで、手法の確立を図ろうとする姿勢である。 ※ 「専門家と対話するワークショップの技法的な感想」、「『市民討議会』をきっかけに参加手法について考えたこと」、「地球温暖化問題で討議制意見調査の試み」もご覧ください。 (東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広) |
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