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まちづくりニュース

市民参加・協働のまちづくり
市民参加のなかで議会・議員はどうなっていくのか
2004/11/19


●今回は、単一のニュースではなく、地方議会または議員に関わるいくつかのニュースを、オムニバス形式で取り上げたい。

●2004年10月25日(月)午後1時〜3時30分、2004年代理人運動交流センター全国集会の第3分科会「人とつながる政策」でアドバイザーを務める機会があった(会場:国立オリンピック記念青少年総合センター)。
 代理人運動とは、生活クラブ生活協同組合を母体に生まれた運動で、生活者の「代理人」を地方議員として政治の世界に送り出すもので、「生活者ネットワーク」「市民ネットワーク」といった名称の政治団体が、都道県単位で全国に9つある。この全国集会は、それらの「ネット」が一堂に会し、交流を行うというものである。
 筆者が担当した分科会は、4つのネットが、市民とつながる形で行っている政策づくりの実例を報告し合うものであった。
 神奈川ネットワーク運動からは、市民がぶつかった課題の解決のために、ネットが当事者を集めて行う「ミニフォーラム」が紹介された。逗子市において、駐車場のないコンビニの前での駐車が、道路を渡る子どもにとって危険であるため、保護者、県職員、警察、コンビニのオーナーに来てもらい、駐車できないよう県がポールを設置することになったというものである。オーナーを呼び出せたポイントは、まずコンビニ本部に連絡したことであったという。
 ふくおかネットワークからは、ネットがアンケート調査などをして、議会での一般質問につなげていく活動が紹介された。津屋崎町において、公園の植込の背が高く、見通しが悪くて危険という噂を聞きつけたのをきっかけに、子どもが犯罪に巻き込まれそうな場所についてアンケート調査を行い、寄せられた箇所を実地調査して、議会での質問につなげ、改善を図ったというものである。議会の前後にはニュースを出し、質問する内容(前)、質問した内容と回答(後)を支持者に知らせている。
 このほかにも、多摩・生活者ネットワークが行った、20〜30歳代の人を「ゼミ員」に、調査活動を通して、多摩市議会議員と一緒に議会質問の内容を作成する「政策ゼミ」、市民ネットワークちばの里山保全の実践を通した政策づくりも紹介された。

●2004年10月29日(金)、倉吉市(鳥取県)の議員の方が、東京ランポ事務所を訪ねてこられた。市民とともに勉強会を行う「自治の学校」を議員仲間でつくることにしたという。当面は、関金町との合併計画に盛り込まれた、市民参加条例の策定に向けて、条例づくりをテーマにしていきたいとのことであった。
 議員が市民のための勉強会を開催することに関しては、選挙目的だと言われることもあるかもしれないが、議員が市民をエンパワメントするという「新しい議員像」に挑戦したいという話であった。現在は、「自治の学校」の立ち上げに向けて、各種団体の集会の場などで時間をもらい、プレゼンを行っているという。

●2004年10月21日(木)、大田区の文化活動支援施設「大田文化の森」の運営協議会から、まちづくり講座「街が変わる、街を創る〜私たちは、いかに参加するか〜」について講師依頼があった。4回仕立ての講座のうち、3回目の「市民の動き方」を東京ランポが担当することになった(講師:事務局長・辻)。
 依頼者としては、公共施設の跡地利用などついて、市民としての要望がある場合に、どこにどのように伝えれば効果的なのかを知りたい、ということのようである。実際に、大田区内のある公共用地に関して、町会でアンケート調査を行ったところ、ある方面からの圧力があって、行政が取り上げるにも、また議会に陳情するにも至らず、一方で、個人が行っていた陳情が議会で採択されたという。議会を通した「市民参加」の一形態である請願や陳情が、本当に市民意思を把握する方法として適切なのかという、問題意識があるようである。

●2004年11月8日(月)、平塚市自治基本条例市民委員会の委員の方から、市議会に関する部分を担当することになったため、参考文献を教えてほしいとの依頼があった。すぐには思い当たらなかったため、自治基本条例を先行して策定している、「大和市自治基本条例をつくる会」と「自治基本条例をつくるみたか市民の会」に問い合わせてみた。答えはいずれも、探してみたがよいものがなく、特に参考にした文献はないとのことであった。
 そこで、東京ランポ事務所の書棚を探したところ、論文雑誌であるが、東京市政調査会「都市問題2004年6月号 特集 分権と地方議会の改革」を見つけた。そのなかには、江藤俊昭・山梨学院大学教授の「地方分権における地方議会の課題−協働型議会の構想」も収録され、議会自身が市民参加を行うような「協働型議会」について、そのイメージが提起され、萌芽例が紹介してある。

●以前から、小平・生活者ネットワークより、市内にある企業所有の低未利用地について、その跡地利用の提案内容を考えるワークショップへの協力依頼を受けていた。2004年12月に、当面2回のワークショップを開くことになり、筆者はファシリテーターを行うことになった。
 ワークショップが「市民の声」と言える程度になるには、広く市民に参加してもらう必要がある。仲間内だけで取り組むのであれば、それは「研究会」という位置づけになろう。果たして、2004年11月13日(土)に開催した、別の講師によるプレ講義に集まったのは、知り合いを中心に10名程度。主催者によると、チラシは、その跡地周辺へのポスティングを中心に、かなりの枚数を撒いたという。関心の高いテーマかどうかにもよるだろうが、行政以外のものが呼びかけても、なかなか集まらないのが現状であろうか。

●筆者は現在、いくつかの自治体の自治基本条例の策定組織を取材している。全員または大半が公募市民で構成されるような「公募市民会議」タイプが主な対象であるが、比較のために、「審議会」タイプのものも取材している。
 その1つ「仮称中野区自治基本条例に関する審議会」(学識経験者4名、公募市民4名、市職員も同じテーブルで発言)が、2004年5〜10月の11回にわたる審議を終え、11月に「中野区の自治の発展の方向と『(仮称)中野区自治基本条例』に盛り込むべき内容について」という答申を区長に対して行った。
 筆者は、第5回(7月26日)と第10回(10月21日)の2回傍聴したが、第10回のとき、「区議会に関する項目は、区議会自身で決めてもらう」という結論を、審議会が出していることを知って驚いた。答申の15ページ「区議会の役割と責務」にも、こうある。「区議会において意思決定していくうえでの区民の参加手続については、請願・陳情のしくみがあります。この条例に定める自治の基本原則を踏まえたうえで、区民の意思をどのように反映させるかなどについては、区長から諮問を受けた附属機関である審議会が地方自治法等の規定の範囲を超えて提案すべきではないと判断し、区議会による制度設計や運用によることが適当であると考えます。」
 区長から諮問を受けた審議会が区議会については提案すべきでない、というのはどういう理屈だろうか。筆者には全く理解できない。議事録を見ると、第4回のときに、区議会について話し合われているが、みんなで話し合ってそうなったというより、最初から会長がそのような見解を示して、悪く言うと「押し通した」印象すらある。区議会が、議会審議のなかでどう修正するかはさておき、公募市民もいる審議会として、区議会への市民参加の仕方を描くことを、なぜ回避する必要があるのか。
 中野区ホームページ 仮称中野区自治基本条例に関する審議会
 中野区ホームページ 審議会答申全文

●今回紹介したニュースは、その示唆する内容が多岐にわたっていることもあり、現時点では、筆者から特にコメントはしない。読者の皆さんが、市民参加のなかでの議会や議員について、考える材料となればと思う。

※ 秋はイベントの多い時期です。筆者も、ワークショップのファシリテーター、パネルディスカッションのコーディネーター、講座の講師など、まさに「収穫(豊作)」の時期で、「まちづくりニュース」になかなか手が回らないことを、お詫び致します。

(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)

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