まちづくり支援 東京ランポ 東京ランポは、市民主体のまちづくりを支援する非営利団体です。
http://www.la-npo.org/
ホーム | ランポを知る | ランポの活動・主張 | ランポに参加する | ランポに依頼する | そのほか
まちづくりニュース

市民参加・協働のまちづくり
「元気な入間」まちづくり推進市民組織準備会が事業開始
2004/10/21


●現在、入間市では、「元気な入間都市宣言」(2001年)や「元気な入間まちづくり基本条例」(2004年)の実現を図るため、市民まちづくりの中核となる中間支援組織である、「まちづくり推進市民組織」の立ち上げ作業を進めている。条例検討会議の経験者や市職員、公募市民の計15名からなる準備会が発足し、事業部会と情報部会を設けて、作業に取り組んでいる。
 筆者は、今年5月に行われた準備会の公募説明会において、中間支援組織が設立された場合にまちがどのように変わるかを体験するゲームの進行役をさせていただいたのが縁で、準備会が実施する事業をお手伝いすることになった。
 5月の公募説明会の様子や「元気な入間」のこれまでの取り組みについては、以前のニュースをご覧いただきたい。

●その公募説明会を経て発足した準備会であるが、2004年9月13日(月)午後6〜8時には、入間市市民活動センター3階活動室1にて、準備会としての事業説明会が行われた。市民活動センターの利用登録団体38団体のうち24団体が参加した。
 準備会会長の池田真幸さん、事業部会長の木内勝司さん、情報部会長の宮越喜彦さんらが述べたように、2005年4月の推進市民組織の発足を目指して、推進市民組織がどのような事業を展開したらよいのか、どのような組織体制をつくったらよいのかを探るのが、準備会の役割である。そのために、事業部会による実験事業の実施と、情報部会によるニュースレターなどによる準備会活動の周知が行われていく。
 筆者は、事業部会が行う実験事業(中間支援組織設立シミュレーションゲーム、ケース事業×3回)の進行役を担当することになっている。

●2004年9月28日(火)午後6〜8時、入間市市民活動センター3階活動室1にて、実験事業の第1弾となる、中間支援組織設立シミュレーションゲームを行った。市民活動センター利用登録団体から、約45名もの参加があった。
 5月同様、14のプレーヤー(市民4種…高齢者、中年サラリーマン、若い主婦、学生/市民団体4種…リサイクル・緑の保全、高齢者福祉、まちの活性化、子育て支援/企業4種…銀行、地元商店、スーパー、IT関連/町内会/行政)を設定し、3〜4名ずつに分かれてもらった。途中の中間支援組織設立は、4つの市民団体から1名ずつ人員を出す形で行った。
 ゲームのおおまかな内容は、5月の公募説明会で実施したものと変わらず、各プレーヤーに与えられた「属性カード」「要望カード」をもとに展開するシンプルなものであるため、ルールや進め方については、以前のニュースをご覧いただきたい。合わせて、下図も参考にしていただきたい。
 また、このゲームの開発者である、新潟県北の岩船地域(村上市など)の中間支援組織「NPO法人都岐沙羅(つきさら)パートナーズセンター」が、現在ではゲームキットを市販しているため(「まちの底力パワーアップゲーム」定価1,050円)、ご興味のある方は、ぜひお求めのうえ、実物を手にとっていただきたい。
 都岐沙羅パートナーズセンターホームページ 書籍・グッズ販売

●もっとも、市販のものは所要時間が2時間半から3時間であるため、ゲームの感想を聞く時間などを除くと正味1時間20分ほどしかない今回の場合には、そのまま使うことはできなかった。そのため、開発者の許可を得て、筆者が独自に改良したキットを使用して実施した。開発者へのフィードバックを兼ねて、主な改良点を以下に挙げておく。
(1)予め全プレーヤーの属性を決めておく。しかも、属性に忠実に従ってもらえるよう、具体的に、しかし手短に記載した。
(2)属性は、「できること・できないこと」「課題となっていること」の2項目にして、「課題となっていること」をもとに要望を出し、「できること・できないこと」をもとに受けた要望を判定するようにした。
(3)特定のプレーヤーにだけ要望が行くと、要望の来ないプレーヤーが手持ちぶさたになるので、どのプレーヤーにも必ず要望が行くように、「課題となっていること」に「○○が解決してくれそうだ」というような情報を盛り込んだ。
(4)1回目の判定結果は、公開発表しなかった。発表の際に、「○○ならできるのですが」といった余計な情報が流出してしまい、2回目の行動に影響を与えてしまうため。
(5)1回目で「×」となった要望は、2回目の配達先を自由に選べるのではなく、必ず中間支援組織に出してもらうことにした。中間支援組織には、地域通貨のイメージで「まちのプレーヤー『できること』リスト」を渡し、それをもとに要望の適切な振り分けを行ってもらった。

●そのような改良にもかかわらず、やはり、短時間でルールを理解してもらうのは難しかった。特に、多少年齢の高い方々は、普段こういったものになじみがないため、より丁寧な説明が必要なのを感じた。また、属性に忠実に従ってもらうようにしたつもりが、必要以上にややこしく考えてしまう方もいて、本来なら「○」と判定できるものを「×」にしてみたりするというのもあった。プレーヤーによって要望の数に差がつくのを知るのもねらいのうちとは言え、あまり要望が来ずに退屈している方たちを見るのも、ちょっと忍びない気がした。
 それでも、ゲーム終了後に感想を聞いたところ、「情報の仲介役」という、このゲームに表れる中間支援組織のイメージは、ほとんどの参加者に伝わったようであった。それを踏まえて、「情報の仲介役」だけでなく、まちに出て行ってニーズとシーズを積極的に「コーディネート」する、まさに「都岐沙羅パートナーズセンター」が果たしているような機能もあり得ることを、筆者から補足しておいた。その他、市民団体の声を集めたり、状況を分析したりして、「行政に提言」する機能もあるのでは、という感想もあった。
 一方で、中間支援組織のイメージはわかったし、有用性も理解したが、本当にそれだけの機能が果たせるような組織をつくれるのか、と疑問を示す参加者もいた。それに対しては、どんな機能・組織であれば入間市にとって有益な中間支援組織になるのか、まさにそこをこれから考えていくことを説明した。なかには、自分の団体が、中間支援組織づくりにどう関わっていけるか考えたい、と述べる方も何人かいた。
 実験事業の第2弾となるケース事業では、11月〜2月にかけて、推進市民組織が備えるべき機能や組織のあり方を、入間市の市民活動団体が抱える実際の課題を事例(ケース)として探ることになっている。筆者は、そのワークショップでも進行役を務めるが、入間市の現状をもとにした推進市民組織のあり方が浮き彫りになるように努めたい。

●推進市民組織は、実験事業の会場にもなっている、入間市市民活動センターの運営団体となることも予定されている。全国の自治体を見ると、こういったセンターの運営受託団体は、利用団体から人員を出し合って、即席で結成されることも多い。その点で、入間市の場合は、まずは準備会を組織したうえで、1年程度の助走期間を設け、利用団体への周知や関係づくりを図っており、評価できる。
 また、準備会の中心的なメンバーは、これまでの都市宣言や条例づくりに参加してきた方々である。最近、筆者は、「市民参加」(自治体の意思形成への参加)と「市民協働」(自治体とNPOなど、団体同士が協力すること)の関係について考えているのだが、「参加」によってどんなに立派な文言を持つ条例をつくっても、参加した市民がその条例を実現すべく、実際に行動して「協働」しないのであれば、何の意味もないと思うようになっている。その意味で、入間市のように、制度づくりに参加した市民が、その実体を築く作業をも担っていることは、大変重要である。
 さらに、準備会のような組織があることは、ワークショップの進行役のような仕事を請ける第三者の側にとっても、実は大変ありがたい。通常は、会議のコーディネートなどを行う場合、筆者のような仕事をしている者は、行政の担当部署から会議の発足前に依頼される。そうすると、会議が発足したときには、肝心の市民には何の断りもなく、「この人たちが会議をコーディネートします」というお膳立てができている。最近では、会議は自分たちで運営したいという、また実際に運営できる力量を持った市民が参加することもあるため、雇われた第三者が思いがけず市民の反発を受ける例も出てきている。
 そのような意味でも、公募プロセスのような、一定の手続きを経て結成された「準備会」のような組織が話し合って、「この人(団体)にコーディネートを頼もう」と決めることは、大変意味がある。今後、公募市民会議や中間支援組織の立ち上げに際して第三者の協力を得る場合、行政の担当部署だけで判断するのでなく、「第三者選び」の段階から市民と「協働」で行うことをオススメしたい。

 入間市ホームページ 元気な入間TOPページ

「『元気な入間』で中間支援組織を体験するワークショップ開催」『元気な入間』が推進市民組織の立ち上げへ 準備会が終了もご覧ください。

(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)

[ ページの先頭に戻る | ホームに戻る ] ( 更新)
まちづくり支援・東京ランポ copyright(C) Tokyo LA-NPO 2003 All Rights Reserved.
当サイトに掲載された記事・写真・図表等の無断転載を禁止します。詳しくは「このサイトについて」をご覧ください。