まちづくり支援 東京ランポ 東京ランポは、市民主体のまちづくりを支援する非営利団体です。
http://www.la-npo.org/
ホーム | ランポを知る | ランポの活動・主張 | ランポに参加する | ランポに依頼する | そのほか
まちづくりニュース

市民参加・協働のまちづくり
山梨県ボランティア・NPOセンターの紹介
2004/10/20


●社団法人日本経営協会(NOMA)の協力講師として、山梨県職員研修所で「県民とのパートナーシップを考える(協働の事例を中心に)」という研修を行う機会があり、甲府市を訪れた。山梨県では、2003年11月に「NPOとの協働を推進するための基本方針」を策定し、NPOと企業と行政の連携・協働の推進に取り組んでいる。今回の研修には、山梨県30名、甲府市3名、南アルプス市1名、小淵沢町2名の計36名の職員の皆さんが参加された。
 やまなしNPO情報ネットホームページ NPOとの協働について

●せっかく甲府市を訪れたことでもあり、2004年10月5日(火)の夕方、甲府駅南口から徒歩10分に立地する、山梨県ボランティア・NPOセンターを見学・取材した。取材にあたっては、都留市まちづくり・市民活動支援センター非常勤研究員であった(その後、故郷の青森に転居された)柳沢拓哉さんに、コーディネートをしていただいた。
 この日、センターでの取材に応じてくださったのは、センターの運営団体である、NPO法人山梨県ボランティア協会・総務リーダーの細川宗洋さんであった。

●「山梨県ボランティア・NPOセンター」は、1978年に山梨県社会福祉協議会が設置主体となって開設した、「山梨県ボランティアセンター」が前身である。2003年12月、そこにNPOの活動をサポートする機器や機能を整備した「NPOひろば」が開設されたのを機に、現在のように改称された。
 センター運営と県民ボランティア運動推進の担い手として1977年に誕生した「山梨県ボランティア協会」が、開館当初よりセンターの管理と事業の運営を担い、1999年にはNPO法人となっている。

●センターの管理運営や事業は、スタッフ8 名(常勤・非常勤)のほか、県教育委員会や民間企業からの派遣研修員2 名、大学生・社会人のインターンシップ実習者やボランティアスタッフも携わっている。受付にはスタッフ全員の氏名と顔写真が掲載された紹介プレートが掲示され、担当業務が公表されているほか、協会の役員やセンターと協会の事業、収支予算・決算の状況が公開されている冊子も配布されている。
 センター運営・事業費には、山梨ともしび基金という民間財団の助成金、会費・寄附金収入のほか、行政からの委託金・補助金などが充てられている。財政規模は、平成15(2003)年度決算額は72,924,616円、平成16(2004)年度予算額は66,140,000円となっている。

●センターの事業は、ボランティア・NPO活動の普及・活性化・支援全般にわたっており、センター(施設)の管理はもちろん、センター(事業)の運営として、情報収集・提供事業(啓発広報事業)、教育・人材育成事業(養成訓練事業)、コーディネート事業(相談斡旋事業)、調査研究・提案事業(調査研究事業)、ネットワーク事業(連絡調整事業)などを行っている。
 相談業務では、県内外の中間支援センターとのネットワークを活かして対応したり、会計・税務のアドバイスでは、専門職のアドバイザー(会計士・税理士など)の協力を得て相談日を設けたりもしている。個人がボランティア活動を通じてNPOを応援・活性化し、NPOは社会参加やボランティア活動の場、新たな公共サービスを提供することで地域課題の解決や地域活性化に貢献するという、相互作用を創り出す試みが行われている。

●情報面の特徴は、ボランティア・NPOの情報発信の場として県内330箇所に設置されている掲示板「ボランティア・NPOボード」の運営業務のほか、この10月1日からは市民活動に関するポータルサイト「やまなしNPO情報ネット」も開設され、NPOひろばに整備されている通信・事務機器などとともに、多くの人たちに活用されている。
 やまなしNPO情報ネットホームページ

●また、掲示板やポータルサイトなど、バーチャルコミュニティの整備を図る一方、センター使用団体の連絡・交流や親睦を兼ねた行事の開催やNPO関係者の懇談会を定期的に持ち、キーパーソンの顔が見える関係づくりを通じた団体同士の情報・知識・情報・経験の共有、様々なパターンの協働や地域づくりのパートナー探しができるよう、ネットワークづくりにも努めている。

●山梨県全域という広い範囲がカバーエリアであるため、県内の市町村にあるサポートセンター(行政、社会福祉協議会のボランティアセンター、まちづくり市民活動センターなど)や分野別公共施設(国際交流、青少年育成)などについて、従来のような縦割りの目的を超えた、横断的な連絡・連携強化による「ネットワーク型支援センター」の形成を提唱し、「ボランティアコーディネート機能を結ぶネットワーク会議」の開催も呼びかけている。

●全国的に見て、NPOの活動が地域社会に浸透せず、社会変革性のないサークル的な活動になってしまっていたり、市民活動団体とは言い難いNPO法人が目立ってきたりしている現状がある。
 細川さんは、協働を広げる手法は地域や協働する事柄によって様々だと思うが、行政とNPOの協働をモデルの1つとしながら、従来からのコミュニティ組織の動きとボランティア・NPO等の新しい動きの融合、新しいスタイルの社会参加や社会貢献への参加の機会の開拓なども重要と言う。つまり、セクター間、セクター内の組織間、組織・活動と個人など、様々なレベルでの協働と参加の機会をつくり、市民セクター内の協働を活性化していくことである。
 また、一人ひとりが地域の諸問題に意欲を持って関わっていく(細川さんの言葉では)「市民」となるよう、自治活動への参加を活性化する「場づくりの技法」の開発や、より良い成果と効果や改善のための課題を共有・確認するための「評価技法の開発」、「協働コーディネーター(人材)の育成と既存のスタッフの能力開発」が重要ではないかとも指摘する。
 センターのなかにあるボランティア・NPOの相互作用の力を、どのように地域での協働に広げていったらよいのか、またその評価軸を定めるのは容易ではないが、評価とサポートセンターの支援力のあり方、ボランティア・NPOの「共育力」分析について、強い関心を示されていた。

●最後に、施設内を案内していただいた。
 地下1階は駐車場になっている。1階は、受付のあるロビーと事務室、また270人収容(イスの場合)のホールがある。玄関から受付につながる通路には、視覚障害者のための点字ブロックがあるが、受付の手前で途切れている。そこから先は施設の利用者や職員が互いに声を掛けあう「共生の営み」があるという。
 また、1階の照明は、省エネと環境ボランティア活動の一環として昼間は消灯されていることが多いそうだが、照明の暗さは、スタッフ側から来館者への積極的なあいさつや声かけでカバーしているという。
 2階は、「NPOひろば」と呼ばれている。交流スペースや図書コーナー、パンフレットスタンド・パソコンなどの情報スペース、印刷機・紙折り機・製本機などが使えるワークスペース、受付相談コーナーなどがある。この日も、学生によるイベントの打合せで利用されていたり、災害ボランティア活動に関わる団体の話し合いでは、通訳を受けながら参加している外国人住民の姿も見えたりした。
 3階は学習室、4階は会議室や視聴覚室となっており、研修会や学習会、会議などでの利用ができる。
 これらの施設・設備は、センター使用団体としての会員登録手続(年会費が必要)を経て、非営利の社会貢献活動やコミュニティ活動に限り、利用できることになっている(印刷機、コピー機など一部の機器はインク・トナー代等の実費負担が必要)。開館日・開館時間は、火〜土(9:00〜21:00)、日(9:00〜17:00)となっており、月・祝日は休館日である。
 夕方の見学・取材であったが、取材中も、来館者が入れ替わり訪れ、元気にあいさつをしていたのが印象的であった。施設内の各部屋もよく利用されていた。
 山梨県ボランティア・NPOセンターの今後のますますの発展に期待したい。

 山梨県ボランティア・NPOセンターホームページ

(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広) ※ この記事は、取材先からの、詳細に及ぶ大幅な校正をいただきました。

[ ページの先頭に戻る | ホームに戻る ] ( 更新)
まちづくり支援・東京ランポ copyright(C) Tokyo LA-NPO 2003 All Rights Reserved.
当サイトに掲載された記事・写真・図表等の無断転載を禁止します。詳しくは「このサイトについて」をご覧ください。