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まちづくりニュース

市民参加・協働のまちづくり
志木市民委員会が来年度市予算編成を開始
2004/10/7


●今年4月より第2期に入った志木市民委員会が、昨年に続き、市予算編成に入った。志木市民委員会第2期の概要と発足経緯については、以前のニュースをご覧いただきたい。
 筆者は、2004年9月11日(土)に行われた、第8回企画部会(午後2〜4時、志木市役所、出席者17名)と第4回教育部会(午後7時〜9時30分、いろは遊学館、出席者10名)、10月2日(土)に行われた、第10回企画部会(午後2時〜4時45分、志木市役所、出席者20名)と第5回都市整備部会(午後7時〜9時50分、出席者5名)を傍聴した。

●予算編成にあたっては、市財政課長の原田隆一さん(昨年度まで政策審議室長で志木市民委員会担当)が、部会長会ならびに各部会を訪れ、志木市の財政状況と財政改革の必要性、市民委員会による予算編成の依頼と手順の説明を行っている。筆者は、第4回教育部会のときに、その説明を実際に聞くことができた。
 現在の水準で行政サービスを続けると、平成17年度から33年度の17年間で約135億円もの赤字(毎年平均約8億円の赤字)が見込まれるとの試算をもとに、平成15年2月に「地方自立計画」(計画期間:平成14〜33年度)を導入したことを説明。「自立計画」では、「市民ができることは市民が行い、負担を増やさずにサービスも維持していく」ために、20年間で職員を半減する(619人→301人)一方、「行政パートナー」と呼ばれる市民公益活動団体(登録制)に施設運営などの業務を委託する(仕様書は協議して決め、パートナーシップ協定も結ぶ)ことで、年間約6億500万円の経費節減を見込んでいる。その他、学校大規模改修を耐震工事に変更することで、年間約8,000万円の節減を見込む。それでも不足する分は、さらなる改革で解消していかなければならない。
 そのような市の大きな方針のもと、市民委員会には、既存事業については5%を減額したうえで、新規事業については既存事業の10%を上限として、予算編成を行うよう枠(シーリング)が示された(5%増えてしまう分は、財政課の査定で減額する)。原田課長からは、公務員にはできない大胆な提言や縦割りでない横断的な発想を期待するとのことであった。
 志木市ホームページ 地方自立計画
 志木市ホームページ 行政パートナー制度

●各部会には、予算編成にあたっての基礎データとして、予算積算資料が市から提供されている。平成16年度(今年度)の事業について、「1.法定」「2.義務」「3.維持管理」「4.継続」「5.政策」「6.新規」「7.建設」に分けて、その積算内容(何にいくら)が示してあり、主に市が独自に変更可能な3〜7について、その数字を検討することで、平成17年度(来年度)では、いくらで実施すべきなのかを、市民委員会として、金額を含めて示すことができる。
 昨年度に初めて行った、市民委員会による予算編成では、市から予算の積算根拠までは示されていなかったため、「予算編成」とは言っても、当年度(平成15年度)予算を事業ごとにA・B・C・Dで「評価」してコメントを付けただけというのが実態であった。そのため、今年度は、いくらで実施すべきという数字まで示すことを、市民委員会として目標としている。
 第8回企画部会のとき、企画部会が担当する事業を所管する課長が4人(政策審議室、秘書人事課、市政情報課、市民活動支援課)訪れ、積算資料を説明するのを、実際に見ることができた。金額についての検討はこれからとして、まずは委員になじみのない事業の概要や必要性などが、説明後に質問された。積算資料を見ると、市が行っているあらゆる事業がわかる。「なぜこの事業を市が行う必要性があるのか」に回答することは、担当課長にとっても、市民に説明責任を果たす良い機会と言える。

●部会によって、予算編成の受けとめ方や進め方は、異なるようだ。
 教育部会では、学社融合などの自主テーマへの取り組みを優先したいときに、予算編成のような大変な作業が入ってきたことで、困り顔をする委員も多かった。第2期から参加したある委員は、素人に予算編成などできないのではと疑問を述べていた。教育部会は積算資料が129ページもあるため、重点を絞って検討すべきではとの声が聞かれた。
 都市整備部会では、「市民が予算を作っている」と喧伝されるが、実際はそうではないし、わかる範囲でできることをやっていくだけである、ということが確認された。第5回では、出席者が少ないこともあり、一気に積算資料の全てに目を通して、担当課に説明を求めたい疑問点を出すことを行った。その疑問点への説明会を一度持った後に、数字も含めた検討を行うとのことである。
 企画部会は、出席者が常に20名前後と多いこともあって、第10回では「市民活動支援課」の担当事業だけを検討するというように、内容を分けて検討している。やはり不明な点については、担当課により詳しい説明を求めることになった。企画部会長の原藤光さん(市民委員会全体の会長でもある)によれば、各回で出てきた意見をもとに、部会長案を示して、確認をとっていくことになるだろうとのことであった。また、金額まで示すことのできない事業もあるだろうとのことであった。
 出席者の多い企画部会では、進行の仕方に部会長の工夫が見られる。部会の発足当初に、委員の関心事などのアンケートをとってあり、予算検討する事業によって、関心のありそうな委員にまず意見を求めて、議論の口火を切ってもらうようにしている。一方、委員の方も、自分の関心のある分野については、予算検討にあたって必要な情報を自主的に収集して提供している。検討しているどの分野についても、それぞれ詳しい委員がいるため、漠然とした抽象的な議論にならずに済んでいる。もちろん、その委員だけの意見だけが正しいわけではないので、他の委員も納得できるものになるよう、原藤部会長が舵取りをしているようである。

●委員のなかにも疑問の声があるように、市民委員会が予算編成の作業を行うべきなのか、どの程度の作業を行えば十分なのかは、今後、再考されていくことになろう。
 しかし、第三者として見ていて興味深いのは、市の仕事とはこんなにもあるのかというのに、筆者自身、気がついたことである。自分の在住する自治体でもきっと、全く知らない事業がたくさん、何らかの根拠を持って行われているのだろう。そして、その予算は、いろいろなものが積算されてはじき出されているのだろう。予算を見るということは、自治体を知る基本であることを実感した。
 第10回企画部会では、いくつかの事業について興味深い議論が行われた。例えば、ある施設の管理運営が話題になったとき、その施設を利用したことがない、あるいは存在も知らない、という委員もいたことだろう。あるいは、中学生が海外にホームステイしたり、海外の子どもを受け入れたりする事業は、何人かの生徒、いくつかの家族しか恩恵を受けられないものである。このように自治体の仕事とは、全市民がサービスを受けるものでなくても、何らかの根拠があって自治体がサービスを行っているというものがほとんどである。サービスの受け手という観点からだけでなく、そのサービスを提供する側の観点、あるいはオーナーシップの観点に立って市民が考えること。これが、やはり自治の基本なのだろうと痛感している。

 志木市民委員会ホームページ

「志木市民委員会・平成15年度全体委員会開催」「志木市民委員会の第2期が発足」「志木市民委員会による市予算編成いよいよ大詰め」志木市民委員会による市民予算説明会開催「志木市の市民予算編成、来年度予算への反映結果」志木市民委員会が全体委員会を開催、市長勇退後に向けた動き志木市民委員会が4年間の活動にフィナーレもご覧ください。

(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)

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