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まちづくりニュース

市民参加・協働のまちづくり
第5回仮称中野区自治基本条例に関する審議会開催
2004/8/9


・2004年7月26日(月)午後7時〜9時30分、中野区役所4階庁議室にて、第5回仮称中野区自治基本条例に関する審議会が行われた。筆者は傍聴した。以下では、後日、自治基本条例担当職員に電話取材した内容も合わせて、報告したい。

・この審議会は、2004年5月19日から始まり、10月末を目途に、自治基本条例に盛り込むべき内容を、区長に答申することを目的としている。学識経験者4名と公募区民4名の合計8名で構成されているほか、行政職員3名も同じテーブルについて議論に加わっている。

・第1〜2回は、中野区が自治基本条例を策定することになった背景、他自治体で策定された自治基本条例などについて知る機会とされた。第3回以降は、審議会で議論してほしい事項を事務局がまとめた、「中野区の自治基本条例の構成案」に沿って議論がなされてきた。
 「構成案」の骨格は、次のようになっている。
  1 前文
  2 総則
   ○ 条例の目的   ○ 用語の定義
  3 自治の基本原則
  4 区民の権利と責務
  5 区議会の役割と責務
  6 区長の責務
  7 執行機関の責務
  8 行政運営
   ○ 基本構想・基本計画の策定   ○ 行政手続
   ○ 自立した財政運営の原則・財政状況の公表   ○ 目標と成果による管理
   ○ 公益通報制度   ○ 区民の不利益救済制度
  9 情報の共有
   ○ 区民の知る権利の保障   ○ 公開の原則
   ○ 情報の整備・保管   ○ 個人情報の保護
  10 区民の参加
   ○ 区民参加の原則   ○ 区民参加のしくみ
   ○ 区民からの意見等への応答義務   ○ 住民投票
  11 区民による地域経営
   ○ 住民合意のルール
  12 条例の位置づけ
 この日は、「8 行政運営」の「公益通報制度」から始まり、「10 区民の参加」に入ったあたりで終わった。

・「公益通報制度」については、通常議論となるような、職員が内部告発によって不利益を受けない、という議論にとどまらず、今後は協働の場面などで、区民が協働相手の職員を告発することがあるのではといった意見(区民より)や、指定管理者制度が本格化すると、行政サービスを提供する民間業者も告発の対象になるのではないかといった意見(職員より)が出された。

・「区民の不利益救済制度」では、問題解決のための専門性を持つ救済機関の設置の必要性のほかに、救済機関が分野ごとに分かれていると区民にはどこに持って行けばよいか判断しづらいので、区民の申立てを振り分ける窓口機能も必要であるという意見(区民より)も出された。また、申立てが新しい政策づくりにつながるような、「発議」「提起」の機能も持つことが必要ではとの意見(学識者より)もあったが、それは「不利益救済」ではなく、「区民参加」のなかに位置づけることに落ち着いた。

・「9 情報の共有」では、法律家の学識者の提起をきっかけに、持っている情報の公開を拒まないという「情報の公開」とまだ正式な文書になっていない情報も共有しようという「情報の共有」とは性質が異なる、との整理が会長によってなされた。「情報の公開」は、「個人情報の保護」と合わせて、「8 行政運営」の事項とするのがふさわしく、「情報の共有」は、「10 区民の参加」の事項として扱うのがふさわしい、ということになった。

・「10 区民の参加」では、「中野区でこれまで行ってきた区民参加のしくみ」という資料が提示され、「1 区の基本的な方針・計画を策定するにあたっての区民参加」「2 施設の建設とその運営にあたっての区民参加」「3 事業の実施にあたっての区民参加」などに分類して、これまでの参加のしくみが整理された。
 区民委員から、NPO等の「新しい公共」を担う「組織との協働」に関する事項が「構成案」のなかにないとの指摘があり、それは自治体の意思決定への「個人の参加」とは別に項目を立てて、次回議論することになった。ここでも、学識者委員から、個人が発意してNPOを立ち上げていくための環境づくりは、「参加」なのか「協働」なのかという、境界線上の論点が提起された。

・この審議会の議論の進め方には、一定のパターンがあるようだ。区民、学識者、職員のそれぞれが、自分たちの立場を活かして、「構成案」に対する問題提起をする。それを、会長(廣瀬克哉・法政大学法学部教授)が、うまく論点を整理して、議論の行方を見定めながら、合意事項を確認していくという流れである。傍から見ていての議論のわかりやすさは、会長の巧みな議論さばきによるところが大きいと言える。
 また、駒澤大学講師の内海麻利さんやNPO法人自治創造コンソーシアムの谷本有美子さんといった、市民の立場に理解のある学識者を配した布陣も、議論を面白くしている。
 10名強という議論しやすい人数規模の設定や、予め「構成案」を事務局が提示するといった段取りは、「審議会方式」だからこそできることではあるが、人選のよさもあって、時間当たりの議論の深さを「効率性」と呼ぶならば、非常に「効率よく」議論が行われていると言えよう。
 どちらがよい悪いということではなく、全員もしくは大半が公募市民であるような会議で自治基本条例づくりを進めているケースと見比べると、大変「スマート」な印象を受けた。

・もちろん、少ない人数で議論すれば、それだけ会議成果(答申や条例案など)の周知・浸透の努力が必要になってくる。答申後は、庁内で条例素案が作成され、パブリックコメントを経て条例案が作成され、議会に提出される。また、答申が出た段階で、シンポジウムも開催する予定であるという。
 また、この日は、私を含めて傍聴者は7名であった。そのうちの1人である、知り合いの中野区議に聞いたところ、傍聴者の数人は、2003年度に行われた基本構想づくりのワークショップの参加者であったようである。なお、この区議の話では、自治基本条例づくりを公募市民主体で行う話もあったそうだが、議会が強く反対したのだという。

・なお、会議の基礎資料として、「自治基本条例と関連のある条例・規則・要綱等」という、一種の「例規集」が配布されているが、委員が中野区の制度の現状を踏まえて議論するのに、大変重要な役割を果たしていると言える。「構成案」の各事項の脇には、関連する条例等の名称が挙げられており、この「例規集」を参照することで、すぐに内容が確認できるように工夫してある。
 また、前回までに配布された資料が傍聴者用に準備してあるため、初めて傍聴する場合でも、「構成案」や上記の「例規集」をもらうことができる。こういった事務局の姿勢には、他の自治体も大いに学ぶところがあるだろう。

・筆者は、都合がつかず出られなかったのだが、第6回審議会は、8月5日(木)にすでに行われている。前述した通り、「構成案」から落ちていた、NPO等の「新しい公共」を担う主体との「協働」について、2004年6月に策定された「市民の行う公共・公益活動支援方針」や、それに基づいて今後策定される予定の条例などの説明を踏まえて、議論がなされたという。
 その第6回審議会のなかで、答申までにはもう少し回数が必要ということで、当初の全8回の予定が全10回に変更されたという。第7回は9月2日(木)、第8回は9月27日(月)に、いずれも午後7時より開催される。住民合意のしくみづくりや、先送りになっていた住民投票などがテーマになるという。

・なお、「仮称 中野区自治基本条例に関する審議会」についてのホームページは、8月中旬に設置される予定とのことで、設置され次第、リンクを貼りたい。

 中野区ホームページ 仮称中野区自治基本条例に関する審議会

(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)

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