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市民参加・協働のまちづくり
・市民公益活動団体への支援と協働の仕組みを体系化した豊中市市民公益活動推進条例は、昨年12月に公布され、4月から運用が始まっている。条例は、(1)公募制補助金制度、(2)提案公募型委託事業、(3)協働事業提案制度で構成されている。公募制補助金制度は、団体の事業経費の一部を助成するもので、NPO支援の定番メニューである。5月に公募を行い、6月末に公開プレゼンテーションが開かれている。2つめの提案公募型委託事業は、市の各部課が提示した課題(テーマ)に沿って、市民公益団体が提案を考え応募し、公開審査を経て委託団体を決定するというものだ。委託先と仕様内容を協議して構築し、委託契約を結ぶ。こうした手続きをふまえたNPOとの委託事業は、これまでに個別の案件ではあったが、これを制度的に位置づけたことになる。本格的な運用は予算化との関係で来年度になるが、今年度は先行的に市民活動課が「市民活動情報サロンの事業企画・実施」について公募し、5月に委託団体を決定している。 ・3つめの協働事業提案制度は、協働事業を自治体の予算編成プロセスに取り込んだという点でかなり先駆的な試みといえるだろう。この制度では、協働事業のテーマは市が提示するのではなく、市民公益活動団体が自由に選んで提案できる。提案は庁内の課長などで構成する市民公益活動推進連絡会議と学識経験者、市民、NPOなどの団体代表で構成される市民公益活動推進委員会で検討され、協働が可能とされた提案について、改めて公開プレゼンテーションを行う。市民公益活動推進委員会、市民公益活動推進連絡会議などが協議して採用された提案は、提案団体と市民公益活動連絡会議の部会などと協働して成案化し、市の政策会議に提出して、決定されたら予算化される仕組みである。運用開始は8月の予定という。 ・豊中市の制度は、NPOなど市民公益団体の力をレベルアップしていくプロセスを(1)から(3)へ3段階に分けて体系化したといえる。担当の市民活動課・田中逸郎課長によると、制度の構想は、豊中市まちづくり条例にある有志市民の研究会、協議会による行政計画への提案制度の運用実態の検討を基に、大和市の「新しい公共を創造する市民活動推進条例」の協働推進会議など他の自治体の事例も参考にして作られたという。制度の狙いは、NPOの調査・提案する力を強化することに加えて、こうした連携・協働を通して公共運営の仕組みを改革していくことにある。「有志市民、NPOなどから提案を受けて行政が計画や事業に反映していくときに、提案者と地域の一般市民の間に提案についての温度差があり、その調整と成案化などはやはり行政の責任として行うという、公共運営の仕組みは変わらないということと、その仕組みなかで協働事業を行っても、地域社会は変わらないという限界を克服することが課題でした」 ・NPOなどが行政へ提案という形で市民参加を図るこれまでの提案制度の限界に、NPOが提案するときに、地域の市民、団体、企業などに提案活動への参加を働きかけ、広げるという市民参加、そして提案を行政と協働で成案化するところでの市民参加という、2つの異なる参加−協働を組み込むことで、対応したといえる。さらに、協働事業提案制度では、提案の内容が条例改正を必要とするものでも、改正案を含めて成案化し、議会にかけていくことにしている。政策決定のプロセスに踏み込んで、参加−協働を位置付けたところに豊中市の提案制度の真価がある。 (東京ランポ事務局長・辻 利夫) |
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