市民参加・協働のまちづくり
| 大田区区民活動支援施設「こらぼ大森」オープン |
2004/4/6
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・2004年4月3日(土)午前10時30分〜11時30分、1日にオープンしたばかりの大田区区民活動支援施設(愛称は一般公募して「こらぼ大森」に決定)の開設式が、晴天と満開の桜に恵まれて、施設内のグラウンドで開催された。筆者も、参加した。
・「こらぼ大森」は、2002年3月に廃校となった旧大森第六小学校の施設が、区民活動支援施設として活用されることになったものである。
廃校後、地元の町会長や各種団体の代表を委員(但し、委員以外の参加・発言も可)とする「旧大森第六小学校施設活用協議会」が、大田北地域行政センターのサポートを受けながら、施設活用について検討を行った。実質的な意見集約は、「作業部会」を設けて、一般に広く呼びかけたワークショップ形式で行った(筆者は、作業部会メンバーからの要請で、ワークショップについて作業部会向けに講義を行った)。
「活用協議会」での検討の結果、2002年9月27日に大田区長に提言書が出された。実際にオープンした施設を見ると、このときの提言に沿ったものになっていることがわかる。
・その提言書では、区民活動支援施設について、この施設で活動する様々な区民や区民活動団体、事業者等が施設運営にあたる「自主運営」の実現を目指すとなっている。このことから、「活用協議会」のメンバーが中心となって、「旧大森第六小学校施設運営準備協議会」を立ち上げ、施設の運営のあり方について検討を進めた。
後述するように、校舎棟の3・4階には、学童保育室や児童館などの子ども関連の施設が入り、その運営はNPOが行うことになったのだが、このNPOへの委託をめぐっては、子どもを持つ親からの不安の声、雇用の維持を求める区職員労働組合からの反対の声などが挙がり、「運営準備協議会」は大変揺れたようである。しかし、地元の町会長や各種団体の代表、子育て支援グループのメンバーらが理事を務め、地域住民が会員となる「特定非営利活動法人おおもり子どもセンター」の性格が理解されたことで、NPOが運営する「子ども交流センター」の実現にこぎつけた。
この3・4階に限らず、施設の運営のあり方については、区は「運営準備協議会」との協議を経て決定を行い、大田区区民活動支援施設を設置する条例も区議会で可決された。
・廃校後の以上のような経過の後、4月1日にオープンした「こらぼ大森」は、次のような構成になっている。所在地:大田区大森西2-16-2。
<校舎棟3・4階>
●子ども交流センター(音楽練習室、工作室、青少年交流スペース、音楽室、ファミリールーム、図書室、学童保育室、ホール)
<校舎棟2階>
●協働支援施設(共同事務所、情報交流室、会議室、ミーティングルーム、ワーキングルーム)
<校舎棟1階>
●協働支援施設(食事サービスの調理室、軽食コーナー、ふれあいコーナー)
●シルバー人材センター大森西作業所
<区民利用施設>
●多目的室、いろいろルーム、体育館、グラウンド
・3・4階の「子ども交流センター」については、上述したように、地元住民がつくったNPO「特定非営利活動法人おおもり子どもセンター」が運営する。児童館部分については補助事業、学童保育部分については委託事業として、区からお金が出る。
1・2階の「協働支援施設」は、他自治体でいう「市民活動支援センター」のイメージである。こちらは、「特定非営利活動法人地域パートナーシップ支援センター」が運営を受託している。
また、「運営準備協議会」が発展的に解消した「大田区区民活動支援施設運営協議会」が、施設全体の管理運営を区と協力して行っていくことになっている。
・筆者は、大田区における区、区民活動団体、事業者などの連携・協働を考える「おおたパートナーシップ会議(正式名称:区民活動との連携・協働に係る基本方針等策定検討会)」で委員を務め、区民活動を支援する拠点についても検討した。特に1・2階の「協働支援施設」の果たす役割については、われわれの議論の対象でもあり、「運営準備協議会」の「区民活動作業部会」には、われわれの会議の委員も参加し、受託団体の選考にあたっては選考委員も出した。
もっとも、この「こらぼ大森」については、われわれの検討と同時並行の設置だったため、われわれの会議の答申を受けて内容が決まったわけではないが、結果として目指す方向は一致したと、個人的には考えている。
・ともかく、このような施設は、理念だけで云々するには限界があり、実際に運営するなかで課題を見つけ克服しながら、実績を重ねていくことが大切であろう。その意味で、開設式で大田区長が述べていたように、「実験」であり「モデル事業」なのである。
この施設のユニークなところは、「施設活用検討」の段階から、「運営準備」段階、そして、オープンしてからの「運営」段階に至るまで、地域住民と区の協働で進めてきたことである。地域住民のなかには、町会長だけでなく、各種団体やNPOも含まれており、ワークショップでは多くの意見が集約された。開設式での「運営協議会」会長(地元の町会長)のあいさつのなかに、住民参加の代表的な手法である「ワークショップ」という言葉が登場したのは印象的であった。NPO等の市民活動が近年発展させてきた考え方と、町会等の地域活動が長年培ってきた考え方が、一連の協働作業を通して、現時点なりに調合されたのではないだろうか。
・1・2階の「協働支援施設」についても、「地域」への意識を持って機能してもらいたい。単にNPOに会議や作業の場所を提供したり、法人化の仕方を教えたりするだけの「市民活動支援センター」では、もの足りないと考えている。NPOは、地域社会や区民生活にとっての課題を解決してこそ、存在する価値がある。そのためには、NPOは、具体的な顔の見える地域に根を張って活動する必要があるだろう。そのような、地域とNPOのコーディネート、地域にある課題を収集し、その解決を得意とするNPOとマッチングすることを行ってこそ、「協働支援」の名にふさわしい施設になれる。
そのような仕事は、受託団体だけでは大変であるので、われわれパートナーシップ会議の委員をはじめ、これまで様々な地域活動やNPO活動を行ってきた人たちが情報や経験を持ち寄って、「協働支援」のノウハウを開発していくことが必要だと考えている。幸い、受託団体に雇用される形で、パートナーシップ会議の委員だった(運営協議会の委員でもある)坂井和恵さんが、「協働支援施設」の職員となっている。「協働」のキーワードのもとにここ数年、焦点を結んできたエネルギーを原動力にして、理念だけでない実践も区民自身で担っていきたい。
・この日、開設式の司会を務めた大森西特別出張所所長の廣瀬達志さんも、パートナーシップ会議で議論した仲間である。また、開設式に引き続いて、体育館で行われた、「運営協議会」主催の開設記念交流パーティーでは、先に紹介した坂井さんが、テンポのよい司会でパーティーを盛り上げた。普段、われわれの会議でしかお目にかかったことのなかった委員の方々が、ホームグラウンドのなかで、地域の多彩な人脈の中核となって活躍されているのを拝見して、大変頼もしく感じた。
彼らに限らず、この日の開設式やパーティーに参加していた、この「こらぼ大森」に携わる面々の表情は一様に明るく、驚くほどの希望に満ちていた。この施設の運営を担っていこうという熱気を、その場にいてひしひしと感じたものである。
大田区ホームページ 大田北地域行政センターのページ (区民活動支援施設の情報があります)
※ 「こらぼ大森夏祭り第1回実行委員会開催」、「こらぼ大森夏まつり第3回実行委員会開催」、
「大田区区民活動支援施設・こらぼ大森をフィールドワーク」もご覧ください。
(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)
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