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まちづくりニュース

市民参加・協働のまちづくり
PETA体験ワークショップ開催
2004/3/17


・2004年3月14日(日)午後2時〜5時30分、横浜の野毛山フラスコにて、SAND(Social Artists Network for Democracy)主催、PETA体験ワークショップが開催された。演劇関係者、NGO関係者など15名が参加し、筆者も参加した。

・PETAとは、フィリピン教育演劇協会(Philippine Educational Theater Association)のことで、フィリピンのNGO劇団である。タレントを抱えて芸能プロダクションとしての側面を持つ一方、彼らを有名にしているのは、演劇を通して社会変革に取り組む活動である。草の根の民衆が、演劇の製作に参加することを通じ、社会の問題を自覚していくという「演劇ワークショップ」が、彼らの得意とする手法である。日本の演劇関係者や教育関係者にも、大きな影響を与えてきた。

・1997年夏より、日本からフィリピンに、PETAの演劇ワークショップを学びに行く「PETAサマーワークショップ」が行われている。筆者も、2003年8月に参加する機会を得た(自費です。念のため)。
 そのときお世話になったボン・ビリオネス氏(Wilson “Bong” U. Billones)が、アサーティブジャパンが開催したセクシャルワークショップのファシリテーターとして来日したのに合わせ、昨年から様々なワークショップ手法の実験を行ってきたSANDが主催して、今回の体験ワークショップの開催となった。

・演劇ワークショップの研修は、フィリピンでは最低4週間行われ、筆者が参加した「サマーワークショップ」の9日間ですら短いのに、今回はわずか3時間半であり、まさに「どんなものか体験する」程度であった。
 しかし、エッセンスは十分だった。動作やメロディーを入れた自己紹介、様々な感情を表しながら他人に呼びかけるワーク、他人と体の一点で接触を保ちながら様々な動きをするワーク、にらめっこや口論をするワークなど、まずは二者間で他人と向き合う。そして、布と棒だけを使って表現する練習、同じ色の服の人同士などが集まってその色にあったモノを表現する練習、ニュースレポーターになってしゃべる練習などを通して、即興表現の練習をする。それから、スピーディーに与えられる状況設定に合わせながら、最初は2人、そのうち3人、4人と増やしながら、即興で話を作っていく。この日の最後は、現在の日本社会で問題だと思われることを寸劇にし、替え歌でメッセージソングも付けるというものだった。「児童虐待」「高齢者施設」「花粉症」などが、各チームのテーマとなった。

・演劇ワークショップという手法は、五感を使って表現することで、頭だけで考えている以上に、自分や他者や社会と向き合うことが意図されているのだと思う。
 また、ボンが言っていたが、フィリピンの民衆の間では、演劇は長く親しまれてきた歴史があり、難しい知識がなくても、自己表現ができる方法である。日本では多少事情が違うかもしれないが、歌に思いを込めて表現することがあるように、理路整然と討議をするのとは違う形で、自分の意見を表明する手段となり得る。

・筆者も、昨年の「サマーワークショップ」に参加して以来、自身がファシリテーターや講師を務めるワークショップや研修のなかで、寸劇づくりのワークを入れるようにしている。そこで意図していることの1つは、五感を使って演じることで、自分や他者の気持ちがより一層わかってくるということである。あるいは、いかに自分がそのテーマや人たちについて知らないかを自覚できることである。
 また、もう1つの意図であるが、ワークショップでは、何かのテーマについて議論して、まとまったことを発表するというのをよくやるが、生真面目な話し合いというのは、これが意外と難しい。ところが、寸劇という「作品づくり」が目標にあると、起承転結に沿ってストーリーを考えるなかで、このテーマにはこんな問題があるが反対の見解もあるので、「承」のあたりでどっちの見方も表現しようとか、でも「結」がないと終わらないので、最終的には何らかの結論を示さなくてはといった、議論に必要とされる要素が、わりあい自然な流れのなかに納まってくるのである。「ワークショップ」という言葉が、本来、「工房、作業所」などを意味していることが、なるほどと思えてくる。

・東京ランポのホームページの読者は、ワークショップと言えば、住民参加(まちづくり)ワークショップのことをまず思い浮かべる方が多いと思われるが、岩波新書の『ワークショップ−新しい学びと創造の場−』(中野民夫)に詳しいが、ワークショップにはいろいろなものがある。他分野のワークショップの要素は、住民参加(まちづくり)ワークショップにも応用できることが多いので、ぜひいろいろなタイプのワークショップに出会われることをおススメしたい。

 アサーティブジャパンホームページ PETA(フィリピン教育演劇協会)

(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)

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