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まちづくりニュース

市民参加・協働のまちづくり
志木市民委員会・平成15年度全体委員会開催
2004/3/3


・2004年2月29日(日)午後2時〜4時30分、いろは遊学館3階ホールにて、志木市民委員会の平成15年度全体委員会が行われた。
 
今回の全体委員会では、平成15年度の事業・決算・監査の各報告を行うとともに、この3月で第1期の任期が終了するため、この2年余りを振り返る総括が行われた。
 筆者は、発足間もない頃に行われた「デビュープレゼンテーション」(2002年1月27日)、平成14年度全体委員会(2003年5月11日)の2回にわたり、市民参加の場面における志木市民委員会の特徴や可能性について基調講演をさせていただいたこともあり、今回も恐縮ながら「お客様」として出席させていただいた。

・志木市民委員会は、「第二の市役所」と銘うって、2001(平成13)年11月に発足した、全員公募市民による会議である。252名で発足し、約1年経過時の「継続意思」の確認で176名(うち6名は新規加入)に減ったものの、いずれにせよ大規模な会議である。
 近年では、総合計画や自治基本条例の案を策定するために、このような大規模な公募市民会議が設けられるケースは増えているが、志木市民委員会のユニークなところは、そのような特定の目的を持たずに、いわば「常設」されていることである。
 では何を行ってきたのか。基本的には、市長部局が考える政策を提示され、それを市民の立場から検討するというものである。もっとも、テーマは多岐にわたるため、市役所の組織に合わせて9部会に分けられ、月1回程度開かれる各部会で検討した。
 また、そのような日常的なテーマとは別に、発足直後に行われた、市の927事業を見直す作業や、昨年後半にはついに、平成16年度予算案の編成まで行い、行政案との突き合わせを行った。
 さらに、市から提示のあったテーマに限らず、自分たちが必要と考えるテーマについては、独自にアンケート調査などを実施して、提言も行っている。
 なお、今回のような全体委員会は年1回行われ、日常の市民委員会としての最終決定は、月1回開かれる部会長会議で行っている。

・今回報告された今年度事業のなかで目立ったものを、ほんの一部だが挙げてみる。
−市民予算編成(平成16年度予算案の作成と行政案との突き合わせ)【全部会】
−中長期財政計画と平成15年度予算の検証【全部会】
−自立計画(市職員を市民ボランティアに置き換え、財政的自立を図るもの)の検討【企画部会】
−地方自治解放特区(国に提出した、市長制の廃止を盛り込んだ特区構想)の検討【企画部会】
−違法駐輪、放置自転車の検討や対策協議会への参加【生活環境部会、都市整備部会】
−市民バスの検討や提案【生活環境部会、健康福祉部会、都市整備部会、企画部会】
−旧志木市民プール跡地の活用方策の検討や提案【生活環境部会、健康福祉部会、都市整備部会、企画部会】
−中学校通学区1学区制の検討【教育部会】
−教育委員会制度の検討【教育部会】
−中学校へのパソコン導入の検討【教育部会−IT部会の合同会議】
 全国的に注目された、自立計画、地方自治解放特区、中学校通学区1学区制、教育委員会制度の廃止なども、市民委員会で検討されている。また、生活に密着した、違法駐輪・放置自転車の対策、市民バスの路線の改廃、市民プール跡地の活用方法、中学校に導入するパソコンシステムの是非などについては、市民委員会から積極的な提案が出されている。

・決算・監査報告に絡めて、市民委員会の財政状況について説明しておくと、市からの補助金190万円が収入である(他にわずかな銀行利子もあるが・・・)。これは印刷代や物品の購入に充てられるものであり、委員は無報酬で活動している。今年度の仮決算(期末が3月末のため)によると、20万円程度の残金が出ている。

・志木市民委員会会長(兼教育部会長)の望月泰宏さんから、第1期を振り返ってのあいさつがあった。
 まず、市民委員会への市長の理解があったこと、素晴らしい市にしたいとの思いは議会も市民委員会も同じであること、職員による市民委員会への指導や情報公開へのお礼など、各方面への感謝の気持ちが示された。
 次に、委員が、この2年余りの間に、学びや自己変革を経て確実に成長し、自分たちのまちは自分たちが責任を持ってつくるという、他にないほどの「市民力」が着いたとの認識が示された。同時に、職員も、行政の一員である以前に一人の市民として、市民との協働のなかで成長したとの評価も聞かれた。市民委員会が、市の意思決定のプロセスに入ったことで、タテマエではない協働が行われたと考えているという。
 第2期についてのメッセージもあった。1期目だからこそうまくいったという面もあり、同じシステムにしばられているとムリがくる。「1期目がこうだったから」ではなく、「自分はこう考えるから」という判断をしてほしい。また、市民委員会は決して市民の代表ではない、というなかで、委員でない市民一般に活動をどう伝えていくのか。1期目は、「第二の市役所」というほどには、委員以外の市民の意見を十分に拾いきれなかった面があり、これも2期目の課題である。以上のようなことが示された。
 最後は、夜遅くまで激論することもあったが、ともにがんばった部会長たちへの感謝の言葉で締めくくった。

・「来賓」として招かれていた、穂坂邦夫・志木市長からも、あいさつがあった。全国初のこのような試みに参加し、新しい志木市をつくってもらったことに感謝の気持ちが示された。そして、市民委員会の意見は市民全体の意見ではないとして独自にアンケート調査を行ったことや、財政規模の縮小を踏まえて「何かを増やせば何かを減らす」という姿勢で提案がなされたことへの評価が聞かれた。また、一緒に市をつくっていくためには、市行政だけでなく、議会も、自治会も、各種団体も、それぞれが切磋琢磨していく必要があり、市民委員会もその一つの場であるとの位置づけがなされた。第2期に向けては、この2年余りの経験を活かし、より自立した市民委員会になってほしいとの期待が示された。
 また、同じく「来賓」として招かれていた、宮原富男・志木市議会議長からは、市民委員会の活躍で、点だった市民が線になったとの認識が示され、議会も市民委員会を理解し、バックアップしていきたいとの考えが聞かれた。

・第1期を振り返って、各部会(部会内に分科会がある場合は、分科会)の中心メンバーから、あくまで個人的な感想と断ったうえで、総括がなされた。以下では、筆者が記録できたものを、できるだけ紹介する。志木市民委員会という稀有な体験について、反省点も率直に語られており、大変貴重な総括である。

【企画部会】
−会議では、結論を出すことより、それぞれの考えが深まることを大切にした。意見を出し合い、答えが出なければ、必要な情報を調べてから、また議論をした。部会としてまとまらないときは、個人で市に意見を伝えてもらうようにした。
−これまでは、まちづくりという絵を、市役所というアトリエのなかでプロが描き、市民はそれを眺めるだけだった。市民委員会は、市民がアトリエに入り、プロの手助けを受けながら、ときには強引な筆遣いもあり、テンポを外すこともあるが、自分でも描いてみるものである。第2期には、より多くの市民にアトリエに入ってほしい。
−会議をするばかりでなく、視察や飲み会をすることで、活動にメリハリをつけた。
−活動をしていくには、自己投資も必要である。お金、時間、家族の理解など。

【総務部会】
−意見を言うために、勉強するようになった。
−部会には職員にも参加してもらったが、とても勉強になった。
−市の財政難の現状について、市民にPRしていく必要がある。

【生活環境部会】
−発足してすぐに依頼された事業見直しは、動機づけが十分でなかったため、当部会はキャンセルした。
−応募動機が様々であったため分科会をつくったが、リーダーが多忙で活動できなかった分科会もあった。
−任期半ばで「継続意思」を確認したとき、委員数が半減した。また、登録者のうち、実際に動いたのは半分くらい。
−会議ではなく、実務に携わる活動は平日に行われるため、仕事がある人は参加できない。
−職員からは丁寧な回答が得られた。

【健康福祉部会 高齢者福祉分科会】
−議題が多く忙しかった。特に、事業見直しや予算編成の作業は膨大だった。
−最後まで、中心テーマをとらえきれなかったため、中途半端になった。
−唯一テーマ横断型で設けられた、「縦割り行政を考える会」にも参加したが、これは充実感があった。
−市民委員会で予算編成を行うなら、予算の専門部会を設けて、全体的な視点で配分を話し合い、そのうえで部会が検討する必要がある。
−部会間の行き来をもっと自由にして、他の部会にも参加できるようにした方がよい。
−部会から出された意見書について、市が取り扱うかのルールが必要である。

【健康福祉部会 児童福祉分科会】
−事業見直しや予算編成のときの、山のような資料の束を見たときは、委員になったことを後悔した。
−しかし、委員をやってみて、いろいろと変わったことがある。行政に関心を持つようになった。新聞記事を読むようになった。自分が興味を持っている以外の分野の勉強もできた。異なる世代の人たちと知り合いになった(近くに親戚がいない身としては、ありがたい)。
−自分のような子育て中の主婦が参加できたのは、家族の理解があればこそ。

【健康福祉部会 障害者福祉分科会】
−提言しようとしたアイデアが、すでに市の資料に載っているということがよくあった。スピードの速さに驚き、最後まで市長を打ち負かすことができなかった。
−車椅子を使っているメンバーと一緒に、施設の利用のしやすさなどを検証した。

【都市整備部会】
−発足してすぐ事業見直しを行ったことで、当初の市に要求をすればよいのだとの雰囲気が薄れた。
−2年目は、違法駐輪、市民バス、市民プール跡地利用など、部会を横断するような課題を扱えた。
−緑の減少は深刻な課題であり、ぜひ第2期の課題にしてほしい。
−職員の対応がよく、会議にもよく付き合ってもらった。

【教育部会 学校教育分科会】
−市内の全小中学校を学校訪問し、学校経営がいきいきとなされているか、また25人程度学級の効果が出ていることを、見て回れたのはよかった。
−中学校へのパソコンの導入については、IT部会と協力できた。
−市長や職員が、活動によく出てきてくれた。
−やはり、活動をするには、家族の理解が必要だった。
−教育部会は学校の応援団である。非難ではなく、学校をいかによくするか、という気持ちで活動した。

【教育部会 生涯学習分科会】
−月曜日に公共施設が休館になってしまうことは、月曜日にしか休めない人に対して、機会の均等を保障していない。そのことについて提言したものの、通らなかったのは残念。
−市長、職員にはよく協力してもらった。

【病院・水道部会】
−特別会計ということで、病院と水道という全く別のものが合わさってしまったのには、ムリがあった。
−発足当初14名いたのが、最後は6名になってしまい、会議を開いても1〜2名といったこともあって、十分な成果が出せなかった。委員がムリのない活動を行えるようにすることが、続けていくうえでは大切。
−市民病院についてのアンケート調査を行い、バスがあったら通うのに、という声を拾えたのはよかった。第2期には、職員の意識など病院内部の調査も行えるとよい。

【合併部会】
−朝霞市、新座市、和光市との4市合併を検討した際は、合併までの進め方や市民に示す必要のある情報について、提言を行った。
−合併部会は、第1期で終了のため、今後は一市民として考えていきたい。
−市民委員会が三権分立のなかで、競争相手となっていくことが大切である。

【IT部会】
−IT部会には、情報技術を仕事にしている人、素人、地域団体から頼まれて出てきた人がいたため、ベクトルを合わせるのが難しかった。飲み会で親睦を図った。
−ITを担当する部局が市にはなく、どの課にも関わることなので幅広い。委員の人数は限られているので、新しく始めること、重要なことについて検討した。また、ITに関する短期的な話は各部会に任せ、IT部会は長期的な話を扱った。
−ITに関する3,000人の市民アンケートを実施した。機会があればパソコンを始めたいという人に、どうやったら機会を提供できるかが課題。
−役所に資料などを依頼するときは、個人ではなく部会を通して、といった基本ルールが、途中でできたことはよかった。

・最後に、穂坂市長から、総括を聞いたうえでの総評があった。これまた、市長の率直なコメントであるので、できる限り紹介する。
−今後は、提言をもらった場合、担当課だけではなく、横断的なプロジェクトチームで対応したい。
−緑など自然環境を守るのは重要な課題。しかし、点では意味がないので、面として確保しようとするとお金がかかる。考えさせてほしい。
−市民委員会ですら縦割りだったと聞いて、役所はなおさら縦割りなので、今後変えていきたい。
−公共施設の休館日を決めるのに、利用者団体の声を聞けばよいのか、市民一般に広げて意見を聞くのか、などアンケートのとり方も難しい。
−病院と水道をくっつけて同じ部会にしたのは役所的だったと反省している。
−市民委員会に検討してほしいとお願いした課題が、確かに多すぎたかもしれない。
−市民委員会は、人数にこだわるものではないが、1人では会議にならないので、会議をするのに何人以上は必要というのはあるだろう。
−情報公開は徹底して行われるべき。今後は、市民一般にどう情報を伝えていくのかが課題である。

※ この記事は、「志木市民委員会へのメッセージ−第1期の終わりにあたり」に続きます。

(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)

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