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まちづくりニュース

市民参加・協働のまちづくり
杉並・第7回まちづくり博覧会開催
2004/3/2


・2004年2月28日(土)〜29日(日)、セシオン杉並にて、第7回まちづくり博覧会「まちづくりの芽を育てよう」が開催された。29日には、杉並区のまちづくり助成活動報告会も同時開催。主催:まちづくり博覧会、共催:杉並区まちづくり推進課。
 筆者は、28日の午後、会場を訪れた。

・会場となったセシオン杉並の展示室では、杉並区を中心に36団体がパネルの常設展示を行っていた。川、湧水、緑、公園、農業のほか、都市計画関連のまちづくりをテーマにする団体が目立った。

・午後1時30分からは、企画ものとして、「子どもたちとまちづくり 千代田区と杉並区の子どもたちによる未来のまちデザインワークショップ」が行われていた。日本大学の学生たちが中心になって立ち上げた、「子どもと一緒にデザインしよう会」のファシリテーションのもと、杉並と千代田の小学生たちが参加して行われた。この会は、子どもたちが考案したそばを、神田のそば屋さんに製作してもらう企画なども手がけているそうだ。

・この日、子どもたちは、まず外に出て杉並のまちを歩き、気に入った場所をポラロイドカメラで写真に撮ってきた。その写真の余白には、撮影したときの気持ちなどを絵や記号で書き込んで表現した。コイの泳ぐ池の写真に波線の記号は、風が吹いてさざ波が立っていたことを表している。お寺の椅子に腰掛けて休憩しようとしたら、屋根からハトの卵が落ちてきて割れた…、まち歩きしたそのときにしか起こらない、そんな写真もあった。

・次に、まち絵日記の作成が行われた。杉並のまちの風景が数枚プリントされた用紙に、文章を付けていくというものだ。ただ好きな文章を書くのではない。「あいうえお指令」という用紙から、カルタのようにひらがな1文字ずつに対応した「指令」を選び、それに沿った文章を作成した。(「指令」をもらわなかったため、具体的な例を挙げられず残念…)

・午後3時30分からは、シンポジウム形式で、「市民参加のしくみを考える〜世田谷・まちづくりファンドの経験から〜」が行われた。世田谷まちづくりファンドの助成を受けてきた、世田谷まちづくり広場事務局の市川徹さん、世田谷・街並み保存再生の会の松田宏さんの2人が話題提供者となり、まち博運営委員の関口孝光さんのコーディネートのもと進められた。

・世田谷まちづくりファンドは、1992年に設立され、(財)世田谷区都市整備公社の出捐金と住民・行政・企業からの寄付金を信託銀行が資金運用し、その収益金をまちづくり活動の助成金にするという「公益信託」方式となっている。
 これからまちづくりを始める団体が対象の「まちづくりはじめの一歩助成」(一律5万円)、継続的な活動が対象の「まちづくり活動助成」(上限50万円)、専門家による支援活動が対象の「まちづくりハウス設置・運営助成」(上限100万円)、時々のテーマで変わる「特別テーマ助成」の4メニューがある。「はじめの一歩助成」は書類審査で行われ、「活動助成」は公開審査会で10人の運営委員により決定される。助成を受けている団体は、中間と最終の活動報告を行わなくてはならない。助成は、継続3年まで受けられる。
 これまで144団体が助成を受けてきた。助成金額は、1団体平均で約35万円。

・世田谷まちづくりファンドは、公益信託方式のトップランナーであり、全国的にも同様の方式が広がりを見せている。杉並の街づくり助成の仕組みは、それとは異なるが、世田谷の経験に学ぶというのが今回の目的である。
 しかし、全国のモデルとなってきた世田谷方式も、10年が経過して、様々な課題を抱えているようだ。以下は、今回指摘された利点や課題である。

<利点>
−はじめの一歩助成は、書類だけで通るので、始めやすい。
−公開審査会や報告会で発表し合うことで、互いの活動を知り合える。
−1年サイクルで活動を考えるので、あいまいな活動は許されず、自立を促す。
−審査会や報告会での、時間を限った発表によって、プレゼン能力が身に着く。
−人件費に当てるのでなければ、常識的な範囲で何にでも使えるのがよい。

<課題>
−厳しい経済状況のもとではファンドの収益が上がらず、区が補填しているのが実情。
−助成金頼みの団体もあり、少しテーマを変えるだけで毎度申請してくる。
−報告会で自分たちの順番が終わると帰る団体が増え、交流の場になっていない。
−運営委員(審査員)に外部者が増え、世田谷の実情を知らないで審査してしまう。
−成果が上がっていないとの議会からの批判もあり、区のなかでの評判がよくない。

・世田谷の報告に合わせて、会場からは杉並の現状も報告されたが、いずれにも共通しているのは、助成金をもらっている間に、社会から支持を得て自立するような方向に進む団体が、必ずしも多くないことである。会場にいらした、杉並の街づくり助成の審査員をされている方もおっしゃっていたが、最近は学習会的な活動が増えており、そういった活動が助成金を継続的もらっているのが問題であるとのことであった。
 このような助成制度が始まって、杉並も世田谷も10年が経った。本当に必要なことは自分たちでお金を出してでもやる、NPO自身が努力して支持も知恵も集める、といった、NPO本来の情熱が必要であることが確認された場となった。

(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)

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