|
|||||||||||||
市民参加・協働のまちづくり
・春の気配に満ちた、2004年2月21日(土)〜22日(日)、東村山ふるさと歴史館にて、下宅部(しもやけべ)遺跡はっけんのもりをテーマにした、環境教育ワークショップが開催された。下宅部遺跡はっけんのもりを育てる会、トトロのふるさと財団が共催した。 筆者は、昨年11月、相模原市勝坂遺跡シンポジウムでともにパネリストを務めた、トトロのふるさと財団の門内政広さんの紹介で、22日(日)のワークショップを見学した。 ・下宅部遺跡は、都営東村山市多摩湖町四丁目団地の建て替え工事に伴って発見・発掘された遺跡で、縄文時代から中世以降に至るまでの各時代の貴重な遺物・遺構が発見された。そのため、都営住宅建設計画の一部を変更し、約3,000u分を埋没保存(当時の姿のまま地下に埋める)して、その上に縄文時代の雰囲気を再現した遺跡公園を整備することになった。2000年10月〜2001年10月に行われたワークショップで公園基本構想を、2002年5月からの下宅部遺跡はっけんのもりを育てる会で公園基本設計を策定し、2004年5月の開園に向けて現在整備中。 ・今回のワークショップを主催した、下宅部遺跡はっけんのもりを育てる会は、公園基本構想づくりのワークショップの後を受けて、遺跡公園の企画・運営をするためにできたボランティア組織。市民ボランティアと東村山市のふるさと歴史館の担当者で構成され、月1回の定例会には、20〜30人が参加している。現在は、開園に向けて公園の活用を考えるイベントなどに取り組んでおり、今回のワークショップも定例会を兼ねて行われた。 ・今回のワークショップでは、21日(土)に、下宅部遺跡はっけんのもり予定地、近くの八国山緑地などの見学や、講師の話を通して、現代との植生の違いや人と自然の関わり方の違いを発見。22日(日)は、下宅部遺跡はっけんのもりに植える木の「樹名札」のもとになるワークシートを作成し、互いに発表するというものだった。木の種類で、エノキ、クリ、コナラ、トチノキ、クヌギ、ムクノキ、エゴノキ、オニグルミの8つのグループに分かれた。ワークシートには、樹木の植物学的な特徴とともに、縄文時代にどのように使われていたかという考古学的な特徴についても記述することになった。 ・筆者は、22日(日)だけの参加のため、見学のみの予定であったが、「クヌギ」グループが外に調査に出かけるというので、一緒に八国山緑地を散策した。このグループのメンバーは、埼玉大学教育学部の先生と、最年少参加者の2人の地元女子中学生たち。クヌギの落ち葉や実を採集し、木の様子をデッサンするなどした。この日、筆者と一緒に見学した、環境系コンサルに勤務する友人の藤田正貴さんは、見た目がとても似ているクヌギとコナラの見分け方などを教えて活躍した。 ・各グループは、前日の現地調査の成果に加え、植物の標本や図鑑、遺跡発掘の報告書、アドバイザーの話などをもとに、木について学習しながら、ワークシートを作成。参加者は、高齢者から大学生、中学生まで年齢は様々であったが、クイズを入れるものあり、大人向けと子ども向けを作るものあり、昆虫の巣のつくり方を解説したものありと、各グループともそれぞれに特徴のある工夫をこらしたワークシートを作成して、最後に互いに発表した。 ・この中学生たちは、中学校が奨励するボランティア活動の一つとして、参加したとのこと。参加者の一人で、この地域のまちづくりを研究している大学院生の話では、この地域では、中学校の先生やPTAがつなぎ役となって、中学生が地域活動に参加するきっかけを提供しているとのこと。東村山市では、ホームレスの男性を中学生たちが殺害するという事件が起きて以来、中学生に居場所を提供しようという意識が学校や地域で高まったのだという。 ・このワークショップは、東村山ふるさと歴史館(行政)とトトロのふるさと財団(NPO)がコーディネーター役となり、下宅部遺跡はっけんのもりを育てる会(ボランティア)が市民参加の場となって、いわば「協働」によって組み立てられている。参加している市民には、中学生や大学生などもいる。また、遺跡公園という性格上、分野的にも、理科的なものに関心のある人と、社会科的なものに関心のある人が融合している。郊外住宅地としての開発圧力の高まりが背景にあるため、参加者も、住環境のよさに魅力を感じて住むようになった新住民が多くなるという面はあるものの、月1回発行の下宅部遺跡はっけんのもりを育てる会のニュースは、近隣には各戸配布して、理解が得られるよう努めている。このように、様々な人たちが出会い、地域への愛着を高めていく活動に、今後とも期待したい。 ・様々な人たちが出会うと言えば、帰りに立ち寄った、ふるさと歴史館前の喫茶店では、初めての来店にもかかわらず、お店のご主人夫婦やお客さんたちと会話を楽しめた。最近は話をできる場が少なくなったと言うご主人夫婦は、この店では気さくにおしゃべりができるようにしたいという。特に、一人暮らしの高齢者が増えているいま、そこに行けば誰かと話せるというお店にしたいとのことであった。ぜひ、またこんど訪れてみたい。 (東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広) |
||||||||
| [ ページの先頭に戻る | ホームに戻る ] ( 更新) | |
| まちづくり支援・東京ランポ copyright(C) Tokyo LA-NPO 2003 All Rights Reserved. 当サイトに掲載された記事・写真・図表等の無断転載を禁止します。詳しくは「このサイトについて」をご覧ください。 |
|