市民参加・協働のまちづくり
| 市民社会をつくるボランタリーフォーラム開催(2)−条例・政策づくり |
2004/2/18
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・2004年2月13日(金)〜15日(日)の3日間、飯田橋セントラルプラザ、飯田橋レインボービルなどを会場として、「つなぐ」「つながる」「つなぎあう」をキーワードに、市民社会をつくるボランタリーフォーラムTokyo2004が開催された(企画・運営:ボランティア・市民活動団体交流事業実行委員会、主催:東京ボランティア・市民活動センター、後援:東京都)。
・「条例・政策づくり」「公園づくり」「公共施設の受託」「中間支援組織」「子育て」「アート」「商店街」など、21のテーマ別プログラムが行われた。筆者は、14日(土)に「公共施設の受託」、15日(日)に「条例・政策づくり」のプログラムに参加した。
・「夢をつなぎあう政策、条例をつくるために−市民参画・協働のあり様を問う−」では、武藤博己さん(法政大学法学部長・教授)より条例・計画・予算などについてミニ講義があった後、2人のパネリストが事例報告を行い、3グループに分かれてのワークショップを経て、全体ディスカッションを行った。
・坂田道夫さん(足立区政策経営部長)からは、足立区が「構造改革戦略」に基づいて取り組んでいる政策について紹介があった。
基本構想の策定にあたっては、公募による「足立区基本構想策定区民委員会」を設け、「小・中学生」「勤め人」「高齢者」「外国人」といった9つの属性別グループに分けて提言を作成した。その提言をもとに、各グループ1名ずつの「委員会」メンバーも入った「足立区基本構想審議会」で、基本構想(案)が策定された。また、基本計画についても、「行政計画」だけでなく、区内のNPOや事業者の今後10年間の計画を収集し、「民間計画」として位置づけた。
また、ハンガリーなどで実施されている仕組みに想を得た、住民税納税額の1%分を納税者が希望するNPO活動に配分する「納税者主権の1%システム」の導入を目指したが、議会全会派からの「時期尚早」との反対にあい、平成16年度からの実施は見送られた。さらに、「産官学民」の協働で地域活性化を図るため、構造改革特区を活用して株式会社経営の大学が設立できるよう、資格スクールのLECと協力して研究を進めてきた。
・大津山壽久さん(多摩市市民自治基本条例をつくる会代表)からは、自治基本条例の市民案が策定された過程と、その後、条例案となるまでの行政とのやりとりについて紹介があった。
2001年12月、行政が呼びかけた市民案策定メンバーの公募に、64名の市民と13名の職員が応じ、「会則」「会議ルール」「パートナーシップ協定」の3点セットを揃えて、「つくる会」が発足した。その後、1年7ヶ月の間に100回にのぼるワークショップ方式による検討を行い、2002年6月に市民案を市長に提出した。市民案では、条例名を「市民自治基本条例」とし、「市民参画」「市民協働」による市の自治が行われることを表した。また、条文を「ですます調」とすることで、親しみやすくわかりやすい条例となることを目指した。
ところが、行政が示した条例素案では、「市民自治」という言葉は、地方自治法に言う「住民自治」のみを連想させ、「団体自治」に反するとの理由で、「自治基本条例」となった。また、「ですます調」についても、権利・義務が不明確になるとの理由で「である調」に改められた。もっとも、後者については、その後「つくる会」と行政との間でやりとりするなかで、最終的な条例案は「ですます調」が採用された。
「自治基本条例案」は2003年12月議会に提出されたが可決されず、2004年3月議会での継続審議となっている。
・ワークショップを経ての全体ディスカッションでは、様々な意見交換がなされた。
足立区の坂田さんの柔軟な発想や思い切りのよい発言は、協働のパートナーである行政職員の意識の高さが重要であることを、参加者に確認させた。その坂田さんの言葉であるが、「条例や仕組みを作っておくのは、担当職員が交代した場合でも、50%くらい趣旨が生き残るから」とのことであった。
また、多摩市の自治基本条例案の策定過程は、市民と行政の協働の不安定さを、参加者に印象づけた。市民案を最大限尊重するとの「パートナーシップ協定」を結んだ前市長が不祥事により辞任したことで、市長がパートナーシップ協定を履行するという前提は大きく揺らいだ。市民案の提出後、1年2ヶ月もの間、行政側から一切の反応がなく、行政素案の説明会にあたっても、どのような検討が行政側でなされたのか明らかにされなかったという。市民案が最大限に尊重されたと言えないまま、いわば「時間切れ」で条例案が落ち着いたとの印象を与える。市民参画・協働に関するリーダーシップの非連続性は、市民と行政の協働を「不信」にさえ転じさせる恐れを持っている。
最後に、意見交換のなかで筆者が提起した点であるが、市民参画・協働の成果である条例や政策が、行政と参加した市民だけのものにならないようにするためには、地域社会における市民から市民への働きかけが行われていくことが必要であろう。
(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)
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