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都市計画関連のまちづくり 次世代都市構想研究会 第7回次世代都市構想研究会 議事要旨 日時:2002年10月19日(土) 14:00〜17:30 会場:東京ランポ事務所・地下会議室 参加者(12名):安部宝根、K、佐藤節子、〆野啓子、白藤一博、益子三有紀【一般】 新井美沙子、庄嶋孝広、辻利夫、早川淳、林和孝、深田祐子【理事、スタッフ】 必読テキスト:『定常型社会−新しい「豊かさ」の構想』(広井良典) 岩波新書 『人口減少社会の設計−幸福な未来への経済学』(松谷明彦、藤正巖) 中公新書 テーマ:経済成長しない時代の経済・社会・都市 人口減少社会の設計 報告者:庄嶋 孝広(東京ランポスタッフ) 日本の総人口は、2006年頃をピークに減少するが、それは、人口の大きな割合を占めるようになった高齢者が、まとまって死を迎える時期になるからであり、「少子化」のためではない。 人口が減少すると、労働者数も減少するため、国全体で見た経済規模は縮小する。しかし、他の先進国並みの労働生産性を維持できるので、1人当たりで見た生活水準はあまり変化しない。 むしろ、経済規模が拡大しなくなることで、企業は利益率の高い事業を選別せざるを得ないため、無駄な設備投資が減り、労働者への分配が増えるというシナリオも描ける。 国全体だけでなく、都市で見ても、人口減少都市が大半になる。街の中心に住民が利用できる施設を集める、「コンパクトシティ」の都市構造が、にぎわいや豊かさをもたらす。 ●既得権や公共事業の問題に切り込まないと、拡大型の発想から変われないのではないか。 ⇒既得権等への直接的対策までは書いていない。自由競争になれば、企業も政府も無駄遣いができなくなり、既得権や公共事業もそのままではいられない、という考えだろう。(庄嶋) ●日本は欧米と比較して、まるでこれまで幸せでなかったように書いてある印象があるが。 ⇒日本的経営にも、労働者への分配を抑えて設備投資に回すような点があったと言っているだけである。そうでないと、もっと経済成長が必要だという結論になってしまう。(庄嶋) 定常型社会 報告者:K(都市計画コンサルタント) 戦後の日本は、「成長」に価値を置く社会であった。しかし、その「成長型社会」が維持できなくなり、新たな価値を模索している。そこで提起する社会モデルが、「定常型社会」である。「定常型社会」とは、経済成長を絶対的な目標としなくても、豊かさが実現される社会である。 従来からある「小さな政府」と「大きな政府」の対立も、政府の財政難やセーフティネットの整備といった、いずれの路線にも無視できないテーマの登場で、区別がつかなくなってきた。 そんななか、絶対的と言えるのは、自然環境及び時間の有限性くらいであり、経済の拡大は無限でなく、時間も限られていることを前提にして、価値観を変えていく必要がある。 需要は無限ではないので、量的には一定でも、その内容が変化すれば、「豊かさ」を感じられるし、モノの購入ではなく、温泉でのんびりするなどの「時間の消費」にも価値が出てくる。 《「P167 図M‐3 個人・コミュニティ・公共性」について》 ●松下圭一氏の理論では、「農村型社会」では伝統的共同体→「都市化社会」では市場・政府→「都市型社会」では自治体、というように社会と主役が移ってきたと説明される。(早川) ●近代革命により「公」と「私」が分かれたが、20世紀に入ると「共」としての中間組織が現れた。このような組織は、同じ「共」でも、中世共同体にはなかったものである。(林) 「経済成長」と「幸せ」ワークショップ 今回の主テーマは「経済成長」であるが、参加者各自の経験をもとに、まずは、「経済成長」がどのようなことをもたらしたかを出し合った。次に、各自にとって、どのようなことに「幸せ」を感じるかを出し合い、それを手に入れるのに必要なことは何かについて話し合った。 (1)経済成長したことでもたらされたメリット ・「三種の神器」など家電製品 ・家電製品のおかげで主婦の労力が軽減した ・インターネット等で情報環境が向上 ・公共交通の発達 ・自動車で移動能力が向上 ・住環境の向上 ・食生活の向上 ・衣類の向上 ・海外旅行ができるようになった ・遊び(娯楽)の選択肢が増えた ・医療の発達 ・長生きできるようになった ⇒ 衣食住など基本的なものをはじめとして、モノが豊かになった。また、レジャーやサービスも豊かになった。 (2)経済成長したことでもたらされたデメリット ・忙しくなった ・ゆとりがない ・子どもが遊べない(時間的、空間的に) ・自然環境が失われた ・緑の減少 ・公害の発生 ・コミュニティの衰退 ・家庭のつながりの低下 ・悪質な犯罪の増加 ・食べ物に化学物質 ・偏った食生活 ・健康に悪いものの増加 ・アレルギー ・地方都市の衰退 ・生活スタイルや価値観の画一化 ⇒ 経済成長するほど忙しくなる、というパラドクスがある。医療が発達した一方で健康被害も増え、交通・通信の発達が地方都市の衰退につながるなど、メリットとデメリットはコインの表と裏の関係という面もある。 (3)どのようなこと(とき)に「幸せ」を感じるか ・お酒を飲む ・おいしいものを食べる ・美しいものをめでる ・音楽や絵が身近にある ・愛する人と一緒にいる ・友だちといる ・ペットがいる ・束縛されない ・ゆっくりできる ・温泉に入る ・住環境がよい ・緑がある(身の回り、あちこち) ・空がある ・路地がある ・年をとっても自立できる ・介護されない ・健康である (4)その「幸せ」を手に入れるのに必要なこと ・「モノ」ではなく「時間(ゆとり)」の方が大切である。モノは必要なものを、ほどほどの所得で手に入れられるようであればよい。 ・どんなに「モノ」が豊かで「時間」に恵まれていても、加齢や障害のために、外出や移動の自由がなくては、意味がない。どんな人でもまちに出られるようにする必要がある。まちの利用者が増えれば経済効果もあり、支えられる側−支える側の両方の社会参加があり、ひいては地域の活性化にもつながる。 ・多少所得が減り、多少不便になってもよいのではないか。その方が、それを補おうとして、人のつながりが生まれたりするのでは。 ⇔ 単純に昔の水準に戻るというのではなく、現在ある“これ”と“あれ”(例えば、インターネット)を持って戻るならよい。 (東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広) |
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