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事業報告


2005年度下半期(7〜12月) 事業詳細報告 (庄嶋担当分)


<活動支援>

○相模原市パートナーシップモデル事業相談(委託:100万円 05年4月〜06年3月)
 「さがみはらパートナーシップ推進指針」に記載された、市民参加や協働によって実施されるモデル事業の相談を受けるもので、主にワークショップ関係を担当した。
 11月に、「さがみはらパートナーシップ推進指針」に基づく市政運営の浸透を図る目的で行われた、職員向け「パートナーシップ研修(実践編)〜ワークショップ手法を学ぶ〜」では、ワークショップ手法について講義した。2月に行った入門編では、市民参加・協働の理念・制度について話したが、手法についても学びたいとの受講者の希望を受けての実施であった。
 演習を中心とした6時間の講義は、かなり駆け足となってしまったが、アンケートでは何人もの受講生から100点の評価をもらうことができた。

○さがみはらパートナーシップ市民委員会準備会(委託:120万円 05年4月〜06年3月)
 「さがみはらパートナーシップ推進指針」で推進のための中心的な組織と位置づけられたのが、市民主体による「さがみはらパートナーシップ市民委員会」である。その市民委員会を立ち上げるための準備会(公募市民を中心に34名)が4月より行われ、進行役(ファシリテーター)、市民会議方式に関する情報を提供するアドバイザーとして関わっている。
 7〜12月には、準備会10回(第5〜14回)と運営会(希望者により、準備会の運営を話し合う会)10回(第5〜14回)を開催した。準備会の出席者は、14〜15名というのが多かった。
 準備会は、第4回までの学習会の際に出し合った、市民委員会のイメージをもとに、検討すべき項目を「1.権限・位置づけ」「2.機能・役割」「3.メンバー構成」「4.組織・体制」「5.運営方法」の5つの論点に整理して議論を進めた。論点1〜3について議論が済んだところで「中間決定1」、論点4〜5について議論が済んだところで「中間決定2」を行い、両中間決定を「会則(案)」と「パートナーシップ協定(案)」の形に整えて、最終決定を行うことになった(06年1月の第15回で最終決定の予定)。
 正式名称は、第14回のとき、「パートナーシップ市民フォーラムさがみはら」に決まった。市民フォーラムは、16歳以上の在住・在勤・在学・在活動の市民からなる、選考なしの全員公募による自主的な組織であり、市長とパートナーシップ協定を結んで、行政から場所やお金などの協力を得ながら活動することになる。
 機能・役割については、市役所の組織に対応した部会を設ける、市民活動をつなぐ事業を行うといった意見もあったが、「パートナーシップに関する政策・ルールの提案を行う会議体」に決まった。第1期となる06〜07年度については、(1)協働事業の仕組みの提案、(2)パートナーシップの基本を定める条例案の提案、(3)さがみはらパートナーシップ推進指針の運用・検証、を行う。
 組織・体制については、集まった人数によって柔軟に対応できるよう、あらかじめ部会などは設けず、全体会を中心とした運営を行うシンプルなものとした。
 最後までコンスタントに出席していた14〜15名が中心となり、06年4月の市民フォーラム設立に向けて、1〜3月は、チラシやポスターを作成して、市内の施設での配布・掲示、市内の団体等への案内を行い、3月には、応募希望者による公募説明会を行う予定である。

○四街道市市民参加条例市民委員会(委託:50万円 05年9月〜06年3月)
 四街道市市民参加条例を策定するための検討組織が市民委員会である。全員公募による19名の委員が、9月より検討を行っている。06年8月までに、行政活動への参加とNPO等と市の協働を対象とした市民参加条例の骨子案を作成し、市長に提案することを目指している。
 辻事務局長が、千葉県の「県・市町村・NPOがともに築く地域社会事業」の小委員会委員長を務めており、03〜04年度に四街道市がこの事業の実施市町村となったことが縁で、アドバイザーとして市民委員会をサポートすることになった。市民参加条例に関する情報を提供するとともに、市民委員会の運営方法についても助言を行っている。
 9〜12月には、4回開催した。第2回では、各委員が行政活動への参加や市との協働の経験、問題点や改善方法を発表し合った。第3回では、市民参加条例や協働条例の構成についての学習会を行い、アドバイザーとしてレクチャーした。第4回では、市がこれまでに市民参加を実施した事業について、各担当課が自己評価したものの報告があり、一方で、当該事業に参加した委員も見解を述べた。
 また、10月には、『市民参加条例をつくろう』を著した高橋秀行・岩手県立大学教授の講演会が開かれたが、旧知の高橋教授に講演を依頼するにあたっての仲介役も行った。
 1回が2時間と短いため、アドバイザーに発言機会が回らないこともあるが、学習資料やアドバイザーメモなどの文書を通しても情報提供や助言を行っており、信頼感は構築されつつあると思われる。また、市民参加条例の効き目の検証をテーマとしたカレッジランポ(後述)にも、委員3名と事務局2名の参加があった。

○神奈川県中長期ビジョンワークショップ(謝礼:12万円=3万円×4回)
 神奈川県総合計画審議会の計画推進評価部会が、神奈川の将来ビジョンに係る中長期的課題などを検討するうえでの参考とするため、ワークショップを開催している。辻事務局長の知人である、部会委員の治田友香さんからの依頼で、3つのテーマのうち、公募による県民16名が参加する、テーマ2「新たな地域社会(コミュニティ)づくり」について、プログラムの設計とファシリテーターを行っている。
 11月に企画相談1回を行った後、年内に3回開催した。06年1月にもう1回開催したうえで、2月に発表会を行う。ワークショップの報告書は、それ自体で発行されるとともに、部会報告に概要版が挿入される。
 「望ましい地域社会(コミュニティ)の要素」「現状の問題点」「方策」の3つを明らかにすることを目指して議論している。第1回では、各自の参加の動機や現在の地域社会との関わりを紹介し合った。第2回では、「望ましい地域社会(コミュニティ)の要素」と「現状の問題点」を全員が述べたうえで、全体に共通する「人と人のつながり」「個人と地域の関わり」の望ましい姿について議論した。第3回では、千葉県の「県・市町村・NPOがともに築く地域社会事業」で浦安市が取り組んだ「安心・安全のまちづくり」について、浦安市地域活性化推進委員長の横山清美さんから事例報告を受けた後、「多様な主体の連携」について議論した。
 1回が2時間と短く、4回しかないうえ、テーマも漠然としているため、一定の結論を出すには難しさもあるが、当初より、「望ましい地域社会(コミュニティ)の要素」「現状の問題点」「方策」を明らかにすることを設定しておいたため、順調に進んでいる。一方で、これまで県民同士が議論する機会が少なかったことから、もっと自由にフリートークを行いたいとの声もある。

○志木市民委員会全体委員会(謝礼:3万円)
 11月に、平成17年度としては2回目の志木市民委員会全体委員会が行われた。5月の第1回全体委員会に引き続き、分科会に分かれての討議が行われたが、その討議アドバイスとして、事例紹介や視点提供を行った。
 市民委員会の生みの親である穂坂邦夫・前市長が6月に勇退し、長沼明・新市長になって初めての全体委員会であった。長沼市長は、庁内に行政施策安定化プロジェクト・チームを発足させ、穂坂市長時代に新たに始まった取り組みについて、「定着」「改善」「見直し」の3段階で評価を行っている。そのなかで、市民委員会そのものや、市民委員会が行った市民予算編成については「見直し」との評価が下された。次年度以降も、現在のように、市長から委嘱を受けて、市から補助金や事務所の提供を受けながら活動するのは難しい状況となっている。
 他にも、長沼市長は、財政非常事態宣言特別対策プロジェクト、市民病院ルネッサンス・プロジェクトを打ち出している。
 分科会討議のテーマも、以上のような長沼市政で起きている出来事に沿って、「市民の目線で考える志木市の歳入増収提案」「市民の目線で考える志木市の歳出改善提案」「市民が安心して暮らせるための市民病院再生提案」「今後市民協働の果たす役割」であった。討議の結果は、市長に報告されている。
 なお、この日、NHKスペシャル『日本の、これから』の制作担当者が、06年1月放送の「増税」をテーマとした回の取材に訪れていた。後日、50人の会場討論者の1人として出演依頼があり、承諾した。

○日本経営協会ワークショップ研修(謝礼計:66万3750円)
 日本経営協会の協力講師として、下記のワークショップ研修を実施した。
  
9月    日本経営協会主催講座 10時間(4時間+6時間) 150,000円
  
10〜11月 小平市 6時間(2時間×3日) 75,000円
  
11月   平塚市 13時間30分(6時間45分×2日) 168,750円
  
11月   千葉県 11時間20分(5時間40分×2日) 120,000円
  
11〜12月 所沢市 12時間(6時間×2日) 150,000円

○キャンパステーション「語りあおうっちゃ!市民茶話会」(謝礼:2万円)
 8月、北九州市立大学の学生たちによる中間支援組織「キャンパステーション」主催による市民茶話会で、ゲストスピーカーという名の進行役を務めた。楢原真二・北九州市立大学教授と知り合ったことが縁で、04年8月にも、同団体主催の座談会で講師を務めている。
 小倉駅前でコミュニティ・サロンを目指す「レストランマヤ」を会場に、北九州市のNPOや市職員、学生たちが集まって、「活動や地域の課題」を1人ずつ述べたうえで、話題をいくつか抽出して、課題解決のアイデアを出し合った。
 茶話会終了後は、そのまま同会場で懇親会を行い、老若男女や所属の違いを超えて、北九州のまちづくりについて活発な意見交換が行われた。

○高崎市市民参加推進研修会(謝礼:10万円)
 10月、高崎市の市職員や社協職員など200名程度を対象とした、協働や市民参加に関する研修会の講師を務めた。昨年度の日本経営協会での住民参画型行政の講座に参加していた高崎市職員の推薦によるものである。
 高崎市では、2004年12月、市民が市民公益活動や行政に参加することを推進するための、たかさき市民参加推進会議提言書を受けて、現在、市民参加推進計画を作る会によって「市民参加推進計画」を策定中である。この研修会も、そのような市民参加推進の意義を、職員の間に広げていくねらいで行われた。
 市民公益活動、協働の仕組み、行政への参加をテーマに、その意義や事例について講演した。


<調査研究>

○公募委員調査2004
 昨年度実施した、東京・埼玉・千葉・神奈川の全市区(142自治体)で2000〜03年度に設置された審議会等と市民会議のうち、公募委員を採用しているものを対象としたアンケート調査のまとめ作業を行い、『季刊まちぽっと』4号(4月末発行)に引き続いて、5号(7月末発行)でも特集した。
 4号では、2000年の前回調査より回答自治体数が大幅に減少したため、公募委員を採用する自治体が増えたかは定かでないが、前回採用なしとした自治体で今回は採用があったこと、回答のあった自治体で公募委員のいる会議の数や(全会議数に占める)比率が増加したことなどから、公募委員の採用はさらに広まったと結論していた。
 一方、5号では、公募委員が果たす役割として、学識経験者や各種団体の長などとは異なる一般市民としての意見を幅広く提供することが、行政から期待・評価されていることがわかったこと、但し、会議が議論の場である以上、議論能力や会議テーマに関する知識も求められることが多いことについて論じた。

○公募市民会議調査
 昨年度より、全員または大半が公募市民であるような会議を「公募市民会議」と呼び、その運営実態の調査を行っている。下半期は、各地の公募市民会議を取材して、ホームページでレポートした。
 昨年来、継続的に傍聴取材を行っていた、平塚市自治基本条例を考える市民委員会(発足時、公募市民58名)では、市民委員会の検討結果を尊重する形で、7月に平塚市自治基本条例策定委員会(学識経験者3名、市内各種団体3名、市民委員会4名)から「平塚市自治基本条例提言書」が市長に提出された。提言書のパブリックコメントが行われた後、行政による「条例骨子」が公表され、10月には、すでに解散している市民委員会の元市民委員向けにも説明会が行われた。
 条例骨子の内容は、条文形式で検討結果をまとめた元市民委員たちには、市民らしい表現などが削ぎ落とされたものと受け取られ、反発の声が多く聞かれた。委員会の名称から行政の意図を読むと、市民委員会では条例について「考える」だけで、策定委員会が完成度の高い条例案を「つくる」と考えていたのであろう。ところが、市民委員会が条文形式で条例案を「つくり」、策定委員会がほとんど修正せずに提言書として提出するという想定外の展開となったため、行政は、市民らしい表現を削って「骨子」に戻したのではないか。
 公募市民会議にどこまで仕事を任せるのかという行政の意図が、参加した市民に受け入れられるとは限らず、両者の意図が食い違うと市民の行政に対する不信感を生んでしまうという、公募市民会議の難しさを示す事例となった。


<情報発信>

○カレッジランポ2005「市民参加条例の効き目を検証する」
 審議会等における公募委員、公園や計画づくりのワークショップ、条例案のパブリック・コメントなど、市民が自治体の行政活動に関わる機会が増えている。そんな市民参加を、市長の方針や担当課のやる気に左右されないで、どんな場合にどんな方法で行うかをルールにしたのが市民参加条例である。東京・埼玉・千葉・神奈川では8市町が制定済である。
 市民参加条例を見ると、参加の対象となる行政活動、参加の方法が並んでいる。果たして、条例に書かれた方法がどんなケースでどのくらい使われているのか?使われていないものがあるとしたら、何が原因でどんな改善が必要なのか?
 3市町の市民参加条例を題材に、担当職員からの報告を受けて、条例の「効き目」を検証し、よりよく「効く」ための知恵を出し合った。
  
日 時: 2005年12月10日(土) 午後1時30分〜4時30分
  
会 場: 東京学院2F教室(千代田区三崎町3-6-15、JR水道橋駅西口改札より徒歩1分)
  
参加者: 58名(会員23名、非会員24名、報告者3名、報告者特別枠2名、理事・スタッフ6名)
  
参加費: 2,000円(東京ランポ会員:1,500円)
  
プログラム:
  
  1.市民参加条例の検証の視点 庄嶋孝広(東京ランポスタッフ)
  
  2.事例報告
  
    ◆和光市市民参加条例・・・全国初の市民政策提案手続を制度化
  
     加藤賢司さん(和光市市民まちづくり推進課)
  
    ◆狛江市の市民参加と市民協働の推進に関する基本条例・・・参加・協働一体型
  
     金築宏美さん(狛江市市民協働課)
  
    ◆宮代町市民参加条例・・・公募委員登録制度、市民参加計画などを持つ
  
     伊東高幹さん(宮代町総務政策課市民参加推進担当)
  
  3.報告事例に対する質疑応答
  
  4.報告事例をもとに市民参加条例を検証
  
  ※ 3〜4は、会場を含めて全員参加。ファシリテーター:庄嶋。
 参加者アンケート結果は概ね良好であったが、「セミナー」というスタイルのため、「3.質疑応答」に時間を割かざるを得ず、「4.検証」は触り程度で終わって、踏み込みの足りなさを感じた参加者もいたようだ。
 今回のカレッジランポは、市民参加条例の検証のスタートと位置づけ、次年度は、検証項目と検証方法を深めたうえで、今回報告対象とならなかった自治体も含めてヒアリングを行い、一定の検証結果をまとめたい。
 ほかに、市民参加条例の調査研究としては、8月に制定された、全国初の市民参加(行政への参加)、協働、コミュニティ活動推進の一体型条例である、宗像市市民参画条例について取材し、『季刊まちぽっと』6号(11月末発行)の「ひと・まち・アクションレポート」で紹介した。


(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)

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