カレッジランポ2004-J(2004年5月22日開催)
公募市民会議は市民参加をどう変えたか
3.会場からの追加事例報告
◆かわごえ市民会議 安藤正義さん
川越市の総合計画づくりのために、この4月にかわごえ市民会議が設置された。174名の応募に対し、110名が抽選で採用された。自分は応募したが抽選で漏れた。
この会議を立ち上げるにあたっての問題点を、4つのキーワードにまとめた。
1つ目は、「較差」を設けなかったこと。つまり、何の区別もせずに抽選した結果、分科会の人数や男女比、年齢構成に差ができてしまった。
2つ目は、市民と行政の「協働」を謳いながらも、策定体制のなかで「協働」する場がないこと。若い職員による「プロジェクトK」という組織が、市民から受け取ったものをもとに原案をつくっていくという形が見える。
3つ目は、「要綱」や基本ルールを、行政が先につくってしまったこと。今日報告のあった3例は、何にもない状態から始まったが、川越の場合は、何もかもが先につくられている。
4つ目は、市民会議の「提言」を行政が原案に反映したものが、市長に提出されると読めること。提言書を直接市長に提出するとは受け取れない。
公募過程では、市の広報で募集が行われた。一方で、ホームページに会議の設置要綱が載っていたが、広報にはホームページ掲載の件が言及されていなかったので、設置要綱を見ずに応募した人もいるだろう。広報での募集と設置要綱には、表現のズレが見られる。市民向けの周知の方法や言葉遣いへの配慮が欠けている。
◆平塚市自治基本条例を考える市民委員会 田中正徳さん
自治基本条例の市民委員会は、この4月に立ち上がったばかりなので、主にこれまでの平塚市の市民参加の経緯を話す。
昨年までの前市長は、市民の言うことをあまり聞かない人で、市民参加もガス抜きとして行われていた。それが、新市長に変わり、市民参加の仕組みが増えてきた。但し、参加が協働につながるには、行政が市民を信頼できているか、市民が行政に影響を与える活動をできているかが、大切になってくる。
1998年から2001年にかけての市民活動推進条例の策定のときは、まず市民活動推進研究会が設けられ、提言を答申したが、これは無公募の会議であった。次の市民活動推進条例検討委員会は、部分公募の会議で、大綱を答申した。その後、成立した条例に基づき市民活動センターがオープンしたが、公設公営でソフトが不十分である。
今後の自治基本条例やまちづくり条例の策定過程で、市民の側が市と対等な立場で一緒にやっていくためにも、こんどの自治基本条例の市民委員会は大切である。
2003年に行われた、総合計画の第三次実施計画づくりでは、たたき台、計画案、計画の各段階でパブリックコメントが行われ、40名くらいの市民が意見を寄せた。しかし、コメントをどう扱ったかは、ブラックボックスである。
次の総合計画づくりを同じような過程で行うのはよくないので、それも今回の自治基本条例の市民委員会が意識しなくてはならない点である。
4月に立ち上がった市民委員会は、当初30名限定の公募であったが、作文を提出した58名全員を採用することになった。
自治基本条例づくりは市民が進めるが、その進め方については市が決めるというのが市の姿勢である。「市民委員会」は、市長に条例原案を提出する権限を持つ「策定委員会」に対して、意見の提出と代表者の参加を行うことができる。一方で、やはり「策定委員会」に意見を提出できる、「職員プロジェクトチーム」がある。この三者が、同じ環境であるいは役割分担しながら、協働して進める仕組みには距離がある。
市民委員会が進むにつれて、この仕組みを固定化させないようにしたい。協働という理念を形として自治基本条例に反映すること、他の条例見直しや総合計画と連携していくことが、市民が行政との信頼を築いていくうえでの大きな課題になる。
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(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)
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