東京都環境アセス条例改正の問題点 2002.6.6

東京ランポ理事 伊藤 久雄


1.改正の目的

 @ 計画段階・事業段階を一体、一連の制度として再構築するとしているが、そもそも計画アセ
   スは「東京都の事業」が対象であり、個別計画のアセス対象は現行条例対象規模の2倍以上
   とされている。すなわち計画アセスの対象事業が極めて限定される。
 A このような限定された計画アセスと現行の事業アセスを、一体一連の制度とするには無理が
   ある。
 B このように一体一連の制度とするには無理があるのに加え、計画アセスの導入に合わせて
   現行アセスの手続の簡素化を図るというのは、「泥棒に追い銭」の類である。


2.計画段階アセスの導入

 @ 1.のように、対象事業が限定される。


3.事業段階アセスの調整

 @ この「調整」を可能とするためには、計画アセスが十分に機能することが必要である。
 A したがって、計画アセスの詳細な検討が必要である(東京都「計画段階環境影響制度の導
   入等について(中間のまとめ)」−3月15日締め切り−の検討など)。


4.現行アセス手続の合理化

(1)手続の簡略化
 @ 特定の地域で「調査計画書を省略する」としているが、「特定の区域」とはどこか明らかでな
   い。
 A 「特定の区域」が、たとえば都市再生特別措置法における「都市計画特別地区」だとすれ
   ば、単に計画・事業の期間短縮だけの発想で周辺地域への影響を無視している。

(2)対象事業規模
 @ 現行でも、高さ100m、計画面積10万uに該当する事業は少ない。現行条例でこの規模要件
   を定めた時の理由を改めて明確にさせる必要がある。
 A その上で、現行条例で行ったアセスを規模別に資料提出させ、課題を明らかにする必要が
   ある。
 B 改正案で、180m、15万uとする根拠も明確にさせる必要がある。
 C 全地域で要件を緩和するとしている「住宅団地の新設、1000戸→1500戸」、「住宅用駐車場
   の除外」についても、その根拠を明確にすることが必要である。特に、自動車駐車場の要件
   緩和は石原知事の自動車公害対策と矛盾するのではないか。

(3)手続の期間短縮
 @ 評価書案に対する公聴会、見解書に対する説明会の手続見直し(省略)は、極めて問題で
   ある。
 A 説明会に代わって「都民の意見を聴く会」が新たに加わっているが、公聴会より数歩後退す
   ることは明かである。
 B 都市計画道路にPIを導入しようかという時代に、このような手続き短縮は時代の潮流に逆行
   するものである。

条例手続きフロー 現行条例 vs 条例改正(案)

対象事業規模


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