パネルディスカッション第1部

改正法案の修正ポイント 2002.04.06

小泉 秀樹(東京大学大学院助教授/練馬まちづくりの会)


 いろいろ難しい。できれば提案権にしても2/3の同意という数値をはずしてほしい等審議会でも散々言ったはずなのに、全く反映されていない。審議会の役割も低下している。関係ないが、社会資本整備審議会の中の建築分科会の議事録が資料として配付されていると思うが、その中でもいろいろ議論されているはずなのにその結果はどこに反映されているのか分からない。結構読んでみると「制度規定などはそもそも難しすぎるんじゃないか」ときちんと言っているような人はいるが、こういう風に言っているんだけど、法律がどんどん変わっていってしまうという非常に分かりづらい構造があるんだと感じた。
 今回の改正については良い点もあるという話もあったが、私(小泉)としては止めてもらいたい、廃案にしてほしいくらい。そういう意味でどこをどう修正すればいいのか、ということは難しいが、先ほども申し上げたとおり、今度の改正案では、総合設計制度の建築確認申請化以外のところは、基本的には都市計画の変更などが行われる等、都市計画なり特定行政庁なりの行政行為が行われてはじめて、規制の緩和が行われるという事で、まだワンクッションはいっている。ただ、井上さんからのお話にもあったとおり、東京都は今用途地域の全面見直しをやろうとしている。その作業はもう始まっていて、今回の法改正はかなりどんぴしゃりで行われようとしているので、たぶんいろいろな方から圧力がかかってきて、だいぶ用途地域とか形態規制の制限を緩和しようとする方向で動いていく可能性はある。そういう意味ではできれば廃案に持ち込みたいと思っているが、逆に地域の人がこのような規定はおかしいのではないかという事でいろいろな議論を自治体の方に出していただくという方法はある。一応東京都が決定権者なのだが、今まではずっと区・市といった自治体が案を作ってそれを東京都に持ってくるというやり方でやってきている。今回もそういうやり方でやるのだろうと思うので、そうするとそこで地元の住民の方が強く声を出していただければ案がそう変な方向にはいかない可能性がある。
 それに比べるとやはり一番の問題は先ほどの建築確認申請型の総合設計制度。この制度が出来てしまうと、敷地規模とかいろいろ要件はあるが、どこでもかしこでも高層建物が建ってしまう。例えば先ほど加藤先生の方からお話があったように1000u程度の敷地というのはお屋敷だったり工場の跡地だったりという形で東京の都心寄りのところで意外とある。これが500uとなってしまうとかなり致命的。500u程度の土地はたくさんある。そういう意味でも建築確認申請型の総合設計制度が一番問題。改正案には政令によって、敷地規模とか公開空地の条件とかを定めると書いてある。それから、斜線制限とかを撤廃する時も、ただ単に撤廃するのではなくて、従来と同じくらいの採光が確保されているのか確認すると書いてある、そういう基準が、地域によっておそらく違うはず。だから、最低でもこれを自治体の条例で定められるようにする、できれば、そんな建築確認申請型の総合設計制度などやめてほしい。もし、どうしてもそれをつくるということならば、せめて自治体の条例に委任するべきじゃないか、というのがポイントかと思う。
 

《記録:東京ランポ事務局・深田 祐子》


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