第3回分科会 審議内容(概要)
D. カテゴリー別発言内容

D-1. 対象地域限定の必要性
D-2. 住民参加の手続
D-3. 「倫理性の担保・最小限の公共性の確保」と「民間活力の導入」とのバランス
D-4. 土地所有者以外の意見の反映
D-5. 民間デベロッパーの役割
D-6. 全体像(マクロ)的視野の必要性
D-7. その他

D-1. 対象地域の限定の必要性

  • 対象はどこ?23区ではない。むしろインフラの整備を伴って進め易い都心5区、3区であろう。広くあてはめるとボケる。「多様なまちづくりのニーズ」というが、目的を決めターゲットを明確化すべき。
  • 小さい地域はいいかもしれないが、例えば都市全体のエネルギー構造をよくするといった全体的な観点・制約があった上で民間活力を導入すべきではないか。
  • 2000年に行われた都市計画法改正でどういう大枠を作っていくかのルールづくりはできている。が、コンパクトなまちづくりができるところや規制市街地にについては十分な議論がなされていない。それをしてから、大都市バージョンを作っていくという2弾ロケット的な議論が必要なのではないか。
  • 今までの議論があてはまる地域は一体どこなのだろうか。また所有権がある問題だから大変難しい。例えば武蔵野市に木密地域はある。(市長と消防署長もこの地域に住んでいる) s30~40に建てられた25~30坪の住居が立て替え時期に入っている。一方住宅が今後余ってくるのは明らかである。
  • 日本中をやるのは無理だから、試験的にやってみるのはどうだろう。

D-2. 住民参加の手続

  • 前回、金利負担が大事と申し上げたことに関して、プロセスをスピードアップしていこうという感じが取られ好感もてる。
  • 都市計画提案制度に関してはある程度条件を明示しておいたほうがよいのではないか。参加主体に関しては、提案をつくる段階では特定の少数でもよいが、実行していく段階になったら、それ以外の意見を反映していくべき。制度的仕組みがしっかりしすぎて創造的なものが出てきにくいこともあるので、いかに効率的に意味あるものを出していくか「技術」が重要。
  • 「迅速な仕組み」とあるが、現状はむしろ時間をかけなさすぎではないか。また時間コストに関してだが、例えば20年経ってもダメな計画は見直すサンセット方式を導入すべきだ。
  • 「事前明示性」に関してだが、柔軟で多様で、かつ事前明示性というと両立しないことが多い。つまり細かな事前明示性が要求されると、柔軟でなくなるのが常である。
  • 計画プロセスは、重要なことなので、もっと時間をかけてもよいのでは。
  • 計画づくり、事前明示性に関しては、幅広い参加が必要。
  • 各委員からいくつかのキーワードがでてきた。「倫理性の担保」「ボリュームとオープンスペース」「環境アセスメント」等は重要。加えて資料4最後の「合意形成」はキーになると思う。個人的な経験だが、三鷹市で1999.10から2000.10にかけて市長を交え375名の委員でまちづくりの合意形成を行った経験があるが、延べ1年間で延べ300回の会議を開く必要があった。ただ都市計画としての公共性を担保していくためには、必要なプロセスであったと思う。

D-3. 「倫理性の担保・最小限の公共性の確保」と「民間活力の導入」とのバランス

  • 従来は、官側が規制を強めていい都市を作っていこうという方向だったのが、民間に重きを置きすぎているのではないか。TVの情報だが、開発会社が破産し、結局開発地域がゴーストタウンになってしまったと聞く。民間活力を促すのなら、ある種の条件をつける必要があるのではないか。PFIの場合は保険をかける。だから、また計画が進まないということもあるが。(活力と規制が)バランスが取れるのか、直感的に疑問に感じる。
  • 民間に任せることに関し限定条件を模索すべきという意見が出たが、例えば環境共生的な街区は各国でも研究が重ねられてきている分野である。
  • 都市を多様的に魅力あるものにしていくために、旧態のものをすべて取り除くというのはどんなものだろうか。前回の議事録を読んでも、木密をパーシャル的に残すという意見も多く出ていた。最小限の限定、倫理性の担保をしていかないとならないのでは。
  • まちづくり条例には、倫理性の視点が入っている。確かに事前明示性の対象が何かは明記されていないが、プロセス(手続き)の中でチェックする仕組みが入っているはず。
  • 「多様な主体の参画を促進するための仕組み」の中で草の根やまちづくり基金の言及が入ったのは、ここでの議論の成果であると思う。市民の活動というのは、国際的に評価は高いし、指標もいくつかある。どの指標を使うか検討できるのではないか。(斉藤

D-4. 土地所有者以外の意見の反映

  • 気になる点として、土地所有者以外の利益は排除されるようにも読める。「十分な住民参加」の方が重要。
  • 「良好な市街地の整備を実現するための新たな土地利用計画の仕組み」は基本的には賛成だが、敷地規模によるのではなく、目的によるインセンティブが必要。あと日影等は、被害を受ける主体の意見をどう取り込んでいくかも大切。
  • 「日影権」についてだが、昔は「日照権」というお天道様にあたるという当然の権利だったものが、「規制」になってしまった。現在でもこの「日影権」については多数紛争があり、影響を受ける側をに対しては相当の説得性必要。
  • また容積率に関してだが、それは容積率の問題だけにはとどまらない。当然、車が容積率の増えた倍率で増える。その分で渋滞、騒音が増える。再開発に関しては、規模が小さくても環境アセスメント的なものを義務づけるべきではないか。(斉藤)
  • 従来、地権者を除き、民間が都市計画に参加するという意識は少なかったが考え方は変わって来ている。過去に建築紛争を調べたとき、高さが周辺地域の1.5倍以上になると紛争が多くなるというデータが出た。
  • 全てにわたり、まだまだ直接の利害者しか対象とされていない。事前明示性で案を出し意見を求めていくべき。
  • 著しい不利益を受ける人には計画段階で話しをつけるしくみが必要。
  • 民の役割が明示されたのは評価される。

D-5. 民間デベロッパーの役割

  • また、民間による都市計画提案制度は、民間がお金をかけてやる場合、あとに続かない可能性がある。
  • 木密等の再開発は民間のデベロッパーでは耐えられない。公団のようなところで、土地を長期に保有するシステムは必要。以前22%であった緑地比率が「規制」ではなく「お願い」という形だったが今は24%に増えている。というのは、木密地域(西窪)には1平方キロ当り2万2000人住んでいるが、公団が整備したみどり町付近は、緑が多く日もあたるのに、2万5000人が住んでいる。
  • 「第二種市街地再開発事業」は強制力があるが、どうしても嫌という人をどうする?
  • 公団の場合、地権者・民間・公の間を走りまわってきた。そういった機能は必要。役割をもっと明示的に書いて欲しい。「第二種市街地再開発事業」に関しては、誰が実際どういう効力を持つのか見極めてから答申すべき。
  • 「第二種市街地再開発事業」を民間に与えて欲しい。しかし一方強制執行は実際はあまり機能していない。再開発をする場合、転出を希望する人は少なくないが優遇されない場合が多い。再開発事業の枠組みを広げて欲しい。
  • 民間デベロッパーのやりやすいようにして、いい提案があれば任せるし、責任(リスク)も取ってもらうのがいいのでは。

D-6. 全体像(マクロ)的視野の必要性

  • ボリュームとオープンスペースの大枠に関して、決めるのは賛成だが、例えば街区単位で決めてしまってはデタラメなことになる。例えば皇居というオープンスペースの周辺のスカイラインをどうするのか、区も都も当然民間も、誰も決められない状態にある。またいろいろなことに行政裁量が入りすぎている。
  • 民と官の協力体制をつくるということで、大手町や丸ノ内にもS63に都、区、JR、業者の4者で協議会をつくり、ガイドラインの大枠はできている。個々は行政の指導を受けることになるが、大抵、高さは削られる。いろいろな所から見たスカイラインは一応考えている。
  • 協議会のスカイラインは街区毎で皇居を意識した形にはなっていない。これはもちろん協議会の責任ではないが、どうしたらいいのかどこも考えられない状態だ。
  • ミクロの部分はok。マクロの部分はどうするのか。例えば国立は、ものすごく高いマンションが建ち、その中の住人がその中で暮らすのは快適だが、一歩外に出ると、車の問題が一番多く発生する。民間のマンションは、官の道路の整備を前提としてはいない。また、市道と国道のつながりは、どこで協議すればよいのかも、分らない状態だ。
  • 道路、容積率等の議論も必要だが、諮問内容は「21世紀のビジョン」であるのでそれを議論すべき。対象となる「地区」とはどの程度のものをいうのかと鑑みるに、それは生活に必要なものが揃っている単位をいうのであろう。例えば学校、病院等々で望むらくは職場があることをいう。地区の人が使える文化施設があり、施設間は15分以内で移動できる。そういうことを考えると、対象となるのは、「有楽町、東京」「浅草、上野」「新宿副都心」等が考えられる。その中で「愛着のある」生活が営まれることを考えると、これは国交省の枠を超える。ではどこで議論されるべきか。文化施設庁?
  • 東京を一極集中でなく、多極集中で考えていくべき。そうでないと、優良で健全な都市づくりは考えられない。その上で民間活力を入れていくのは大事。基本的には21世紀の都市を国規模で考え、その中に、倫理性や都市計画を取り入れていくべきである。元凶は、公的な縦割り。答申は、国、区、省庁間を超え「皆で考えていく」という感じが滲み出るような物にして欲しい。
  • 「到達すべき目標像」は決めるべき。そうすれば倫理面等でも「これは必要」「これは駄目」が出てくるはず。

D-7. その他

  • 「1戸建てに住みたい」という気持ちをどう払拭するかが問題。
  • 地方から出てきた委員としては、総論は意義がないが、「住民」という立場で検証が必要。一体自分が「負の遺産」に住んでいるといわれどう思うだろうか。地方において、まちづくり等はコンサル会社の請け売りが多く「住民参加」は便利なときだけ出てくる。

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