第2回都市計画部会 審議内容(速報)

 今後の下水道の整備と管理及び流域管理のあり方はいか
 にあるべきか
 下水道・流域管理小委員会中間とりまとめ(概要)


■ 審議経過
 第1回都市計画部会(平成14年4月22日)
  ・下水道・流域管理小委員会設置の承認

  第1回小委員会(平成14年5月21日)
   ・委員会の議事運営について
   ・委員長互選、委員長代理の指名
   ・委員会の議事の公開について
   ・下水道政策の評価と政策転換の方向性について

  第2回小委員会(平成14年6月18日)
   ・下水道の施策ごとのアウトカム指標について
   ・政策転換の方向性と具体的な施策について

  第3回小委員会(平成14年7月12日)
   ・中間とりまとめ(案)について

■ 小委員会委員
 委員長    松原 青美 (財)民間都市開発推進機構理事長
 委員     小幡 純子 上智大学教授
 委員     虫明 功臣 東京大学教授
 臨時委員  岸  由二 鶴見川流域ネットワーキング代表、慶応義塾大学教授
   〃     松尾 友矩 東洋大学教授
 専門委員  石川 幹子 慶應義塾大学教授
   〃     大林 勝臣 (財)自治総合センター会長
   〃     佐々木誠造 青森市長、(社)日本下水道協会会長
   〃     藤村 宏幸 (株)荏原製作所代表取締役会長
   〃     山内 弘隆 一橋大学教授

■ 中間とりまとめの要旨

転換期を迎えた下水道政策
 ○従来の下水道政策では十分な解決が困難な課題が山積する一方、ストック形成に伴って下水
  道のポテンシャルは増大しするとともに、下水道を取り巻く社会経済情勢は大きく変化。
 ○これらに即応して下水道行政に求められる社会的使命を果たすには、これまでの下水道政策
  を大きく転換し、新たな方向性を打ち立てる時期にきていると認識。

政策転換の視点
 (1)国民の視点の重視
   国民に対して単に情報を提供するだけにとどまらず、その意思を施策決定に反映させること
  が重要であり、ユーザーの側に立ったアウトカムの視点による事業目標の明示、分かりやすい
  情報発信、PR、環境教育等の充実を図るとともに、Pl、CS等の手法を活用し、政策立案や事
  業内容に反映。
 (2)ソフト施策を含めた多様な主体との連携・協力
   下水道管理者間における連携や広域化をさらに進めるとともに、下水道以外の事業主体と
  の連携や役割分担を積極的に推進する必要があり、民間委託やPFlといった民間活力を活用
  する手法の導入、NPO等住民との協力を進める仕組みづくりに努めるべき。
 (3)整備の重点化とストックの徹底活用
   ナショナルミニマムとして普及拡大を中心としてきたこれまでの政策から、水質保全や浸水対
  策等下水道の幅広い役割に応じ、重要な課題解決に資する整備に重点化を図るとともに、増
  大する施設ストックや処理水、汚泥等の活用を徹底的に推進。

政策転換の方向性とその実現に向けた施策
 (1)流域管理のアプローチによる施策展開
    流域内の下水道管理者同士が連合し、さらに住民も含めた他の主体とも積極的に連携し
   て、@共通の理念、目的意識を持ち、Aリスク及びその削減に要する負担を分担した上で、
   B全体としてリスク、負担を最小に抑制しつつ共通の目的達成に向け協調して行動する
   「流域管理のアプローチ」が求められているところ。
  @ 流域内の関係者が協力し合う場の設定
   ・流域を一つの単位として合理的な水の管理を行うため、流域内の関係者による協議の場を
    設置
  A 流域管理の視点による雨水対策への取り組み
   ・水害防除を目的とした下水道及び河川の計画及び管理に関する統合的な制度を整備
   ・既存の民間調整池の恒久化及び民間宅地内の貯留浸透施設の設置を促進する制度を整
    備
   ・大雨時における下水道及び河川の運用方法も含め、内水被害のリスクを住民に対して事
    前に明示するハザードマップの作成を推進
  B 流域を単位とした健全で良好な水循環・水環境の創出
   ・ノンポイント汚濁負荷削減対策について流域別下水道整備総合計画に位置づけ
   ・流域内における新たな費用負担のあり方について調査研究に着手
  C 下水道のリスク対策
   ・水質事故を未然に防ぐとともに事故発生時に影響を最小限に食い止めるため、管理体制
    及び制度を強化

 (2)施設の効率的な整備と管理運営
    今後の下水道整備及び管理においては、さらなる効率化が求められており、広域化や他の
   汚水処理施設を含む事業間の連携を一層進める必要があるとともに、民間活力を適切に
   引き出す仕組みが重要。
  @ 複数の事業主体間における連携
   ・国及び都道府県が下水汚泥の減量化・リサイウルに関する計画を策定する制度を創設
   ・都道府県が主体となって下水汚泥の広域的な処理事業を行う制度の拡充
   ・都道府県構想において、改築更新時に施設の統合を図る等時間的な概念を導入したプロ
    グラム制度を導入するとともに、適時適切に見直し下水道と他の汚水処理施設との連携
    施策を強化
  A 民間活力の適切な活用による下水道サービスの効率化
   ・包括的民間委託について、評価、審査及び監視に関するガイドラインを整備するとともに、
    性能発注の標準的な契約モデルを整備
   ・PFl手法等を活用し、設計、建設及び管理を一体的に行う民間委託の実施方法について検
    討
  B 地方公共団体に対する支援体制の充実
   ・施設の計画、設計、建設、維持管理や財政運営等について地方公共団体に対する支援を
    充実させるとともに、包括的な民間委託等を推進するため、適当な第三者機関が地方公共
    団体を支援する体制を強化

 (3)下水道のポテンシャルを活用した新たな課題への対応
    下水道がこれまで蓄積してきた施設ストックを都市内の良好な環境の創出等に活用すると
   ともに、21世紀の新たな課題に対応するため、下水や下水処理水、下水汚泥を有価物ある
   いはエネルギー源として積極的に活用すべき。
  @ 都市の水・緑環境の向上
   ・水路のオープン化や下水処理水の還元等、水・緑環境を創出するためのガイドラインを整
    備するとともに、下水道のせせらぎ水路やビオトープ等の計画づくりや維持管理等につい
    て、地域住民やNPO等の参画を得て協働活動を展開
   ・都市のヒートアイランド対策としての下水処理水の有効利用や、ビオトープを活用した高度
    処理の実用化について調査研究
  A 下水汚泥のリサイクル
   ・生ゴミや畜産系廃棄物等下水汚泥に類似の廃棄物との共同処理に関する事業制度を創設
  B 地球環境問題への対応
   ・省エネ機器の導入、未利用エネルギーの活用、一酸化二窒素等の排出抑制運転等、下水
    道のポテンシャルを徹底的に活用する地球温暖化対策の推進
   ・ディスポーザーの利用を通じた生ゴミとの共同処理等によりエネルギー回収を図る都市代
    謝システムについて実証実験
  C 下水道施設の徹底的な活用
   ・供給処理施設との併設、都市内のオープンスペースや緑地空間としての利用等、敷地や施
    設を徹底して活用する方策について検討
   ・管理用光ファイバーの整備を推進するとともに、管渠空間の民間への開放を強力に推進

下水道の整備と管理の重点化の方向
 (1)汚水処理の普及
   中小市町村を中心に普及が後れている地域を対象に重点化を図るべき。等
 (2)雨水対策
   地下空間の利用が進んだ地区や交通結節点のように、浸水に脆弱で都市機能が高度に集
  積した地区から重点を置いて進めるべき。等
 (3)公共用水域の水質保全
   総量削減計画や湖沼水質保全計画等の対象地域、重要な水道水源に影響を及ぼす地域
  等の下水道事業を重点的に推進すべき。等
 (4)合流式下水道の改善
   当面の改善策として、(a)汚濁負荷量を分流式下水道と同程度以下に削減、(b)越流回数
  を半減、(c)きょう雑物の流出防止、を目標に、概ね10年で緊急的に改善すべき。等
 (5)下水汚泥の減量化・リサイクル
   下水汚泥の減量化及び有効利用に関する計画に基づき、複数の市町村あるいは都道府県
  が行う広域的な下水汚泥処理事業を重点的に推進すべき。等
 (6)施設の再構築
   再構築の対象となる下水道施設の機能に対応し、それぞれの施設の特徴に応じた重点化を
  図るべき。等
 (7)維持管理
   包括的な民間委託等を進めるための支援策を強化するとともに、広域的な維持管理体制の
  整備を重点的に進めるべき。等
 (8)その他
   下水道の整備と管理の重点化、コスト縮減、循環型社会の構築、地球環境対策等に資する
  技術開発を重点的に推進すべき。また、下水道サービスの国際的な規格化の動向に積極的
  に対応すべき。等

提案すべきアウトカム指標
 @ 全国的な整備水準を表す指標
  ・処理人口普及率    :下水道を利用できる人口の割合
  ・未着手市町村数    :将来下水道事業に着手する予定の市町村で、まだ着手していない
                  市町村の数
  ・下水道雨水対策整備率:おおむね5年に1回程度の降雨に対して安全に整備された面積の
                  割合
  ・高度処理人口普及率 :高度処理を行う人口の割合
  ・下水道負荷削減率   :流域別下水道整備総合計画からみた下水道の負荷削減達成率
  ・合流式下水道改善率 :合流式下水道によって整備されている区域のうち、雨天時における
                  公共用水域への越流負荷が分流式下水道並まで改善されている
                  区域の面積の割合
  ・下水汚泥リサイクル率:発生する下水汚泥のうち、有効利用される量の割合
  ・温室効果ガス削減量 :下水道施設から発生する温室効果ガスの削減量

 A 下水道以外の施策と連携した指標
  ・汚水処理施設整備率 :下水道以外の汚水処理施設(農業集落排水施設、合併処理浄化
                  槽、コミュニティ・プラント等)を含めた汚水処理の普及率
  ・河川事業も含めた内水と外水の総合的な雨水対策に関する進捗度
  ・下水道整備に加え他の汚水処理事業やノンポイント対策等も考慮した流域全体での
   汚濁負荷削減率 等

 B それぞれの地域や箇所において設定される指標
  ・水辺づくりに関する指標
  ・管渠の損傷に起因する道路陥没の回数 等
  (地域特性や下水道の整備状況によって必要な施策は多様であり、それぞれに対応して指標
   を独自に設定)


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