| 第2回小委員会 審議内容(速報) |
社会資本整備審議会 都市計画・歴史的風土分科会 都市計画部会 第2回都市交通・市街地整 備小委員会が開催されました。 【開催日時】 2002年5月27日(月)15:00〜17:00 【開催場所】 国土交通省都市・地域整備局局議室 【議事次第】 1. 開会 2. 議事 (1) 「便利で快適な都市交通の実現と良好な市街地の整備」について (2) その他 3. 閉会 【審議内容 速報】 (1) 「便利で快適な都市交通の実現と良好な市街地の整備」について 1-1 テーマ整理(事務局より) 前回の審議・委員の発言内容、前回欠席した委員への個別のヒアリング、事務局の問題意 識・課題認識をもとに、緊急性・実現性の観点から以下の点をテーマとして設定した。 テーマ0:コンパクトな市街地形成 テーマ1:都市内道路の機能分化 テーマ2:駐車場政策の充実 テーマ3:道路交通対策の施策領域の拡大 テーマ4:既成市街地の新たな整備手法 テーマ5:事業の進め方の改編 テーマ6:その他 この内テーマ0に関しては中間とりまとめに向けた基礎部分であり、テーマ1〜5が中間とりま とめまでに集中的に論議してほしい緊急性・実現性を要するテーマ。中間とりまとめ以降、適宜 検討する事項・検討しない事項を設定していく。 1-2 各テーマに関わる論点・整備イメージの説明(事務局より) 今日議論すべきテーマとして、テーマ0〜テーマ2、テーマ4について事務局がまとめた資料を もとに、主に以下のような説明があった。 テーマ0:コンパクトな市街地形成 … 分散的に広がっている郊外部を中心部に集約化し、 細分化された敷地・街区を統合して敷地規模の大きな高層・高密度のコンパクトな市街地 を形成する。周辺部は田園地域とし、緑・自然を配置し、中心部では土地の集約化によっ て生まれた空地を創設・集約することによって相当規模の緑地空間を創出・配置する。様 々な拠点性を有した中心市街地を核とする圏域が重なり合っている大都市圏では圏域ご とにコンパクトな市街地を形成し、集約によって得られた空間において緑地や農地を創出 する。 テーマ1:都市内道路の機能分化 … 都市内道路をトラフィック機能とアクセス機能に分け て考え、都市内道路の自動車のトラフィック機能を確保するため、アクセス機能をどこまで 制限するべきかが大事になってくる。交差点から30m程度の路側部分をギラギラ舗装(駐 車抑止)にしたり、駐車抑止システム信号表示の変更、交通指導員の配置などを行って いる小川町の交差点はアクセス機能をうまく制限した良い例であり、これを参考にして交 差点から30m程度の駐車を抑制するイメージを提示。 テーマ2:駐車場政策の充実 … 現状の駐車場の設置規準のまま市街地が更新されてい くと、幹線道路沿道に駐車場の出入り口が林立する可能性があることを銀座を例として取 り上げながら説明。走る、止まるといった自動車の動きを地区レベルで一体として計画・ 誘導できる駐車場政策とすべきであって、そのために駐車場の共同化、付置義務駐車場 制度などの活用を提案。 テーマ4:既成市街地の新たな整備手法 … 民間施行による事業を既成市街地整備に活 用・民間施行の拡大が行われるよう行政はその条件整備として、事業展開の空間的制約 の自由度を拡大、事業実施に伴う移転保障費等の事業費の軽減、法定事業ではない任 意の民間再開発事業の推進等を行う。 ※「便利で快適な都市交通の実現と良好な市街地の整備」に係るテーマ(その1) 資料3(図表を除いて掲載) 1-3 委員の主な質問・意見−カテゴリー別(○委員、●事務局) 集約化して「コンパクトな市街地」を目指そうとする考え方について ○ 例えば京都などの市街地をコンパクトにしようとすると、歴史的町並みが一掃される 恐れがある。すべての市街地に「コンパクトな市街地」という考え方を適用しようとす る論調ではなく、自治体がコントロールできる幅を持たせる必要がある。(林) ○ 京都の保存すべき地域はごく一部でしかない。これを保存・守っていくためにこそコンパク ト化していくことが大事。 ○ どういう単位をコンパクトと呼ぶのかが大事。 ○ 「コンパクト化=すべてまとめる」といったイメージはどうかと思う。 ○ 商業床が増えている時には意味があったが、これからは人口は逓減していき、現状でも 周辺部に住んでいる人はまばらなのに、中心部を単に高層化するだけでそこに人が集ま ってくるとは思えない。 ○ 密集市街地の解消とコンパクトな市街地を一緒にしようとしている。密集市街地は市街地 として既にコンパクトなのだから、ここをさらに高密化しようとすることはまったく意味がな い。木造密集市街地の問題は木造密集市街地の問題として別に捉え、それにあわせて 整備していくべき。 ○ 「高密度化=コンパクト」という概念は通用しない。新宿で高層化した例でもそこに集まっ たのは若い人たちで、そこの平均年齢だけ下がって周辺には平均年齢の高い人たちが 残った。これが取り残された形でまばらに残っている。東京でさえそうなのだから、地方で この理論が通用するとは思えない。 ○ 何を最適化することがコンパクトなのかをもっと考えるべき。事務局の話でいくと時間の短 縮といっても「通勤時間」という概念でしか捉えられていない。これでは労働者年齢の人た ちにとってはコンパクトであっても、それ以外の人たちにとってはコンパクトとはいえない。 世の中にはお年寄りも子どももいて、これからはさらに高齢化も迎えるのであるから、もっ と考えていくべき。 ○ 事務局の話ではコンパクトといって中央に集める議論ばかりがされていて、縮めていこうと いう視点がない。本来「コンパクト」といって大事なのはこの縮めていこうという議論のは ず。もっとその点について議論すべき。 ○ 「コンパクトシティ」が必ずしも良いものとは限らない。また、コンパクトシティの概念 というのは特定の市街地像が描けるようなものではない。「コンパクト」の規範を明 確にするにとどめておいて、本来それを実現するためのシステムの話をすることが 重要なのではないか。(小泉) ○ コンパクトな市街地の周囲には緑・自然を残すというが、これを誰が所有するイメージなの か。 ● 全体的にこういう風にしていくことを目指すというイメージであって、具体的な所有権等の 話は事務局でもしていない。 ○ 高齢になると郊外で生活するのは大変で、なかなか生活できない。コンパクトな市街地の イメージとして市街地内に居住・公共施設・福祉設備といった人が住むことを前提としたも のになっているのならば意味もあるとは思うが、そういうイメージがないとダメ。 ○ 周辺は緑にして居住者は中心に集約するといっても、どうしても居住者が残る地域も出て くる。そういったものも含めて国土のデザインをどうするのか1局を超えてきちんとやっても らいたい。 ○ 住む自由・移る自由は誰にでもあるのだから、周辺部に残って住むというのならばそれな りの覚悟を持って住んでほしい。郊外部の道路整備等はこれ以上せずに中央部の環境 を整えると言っており、それは分かっているはず。お金がないなどといろいろ言われてもそ れは個人の問題。 ○ 行政サービスを維持・向上させていくことは現状では難しい。だからこそ現状のサービスを 維持していくために効率的な都市が必要。 ○ 行政サービスの中には高齢者介護も考えなければならない。紅葉マークをつけて運転し ていなければ生活できないようなところには実際なかなか人は住んでくれない。だからこ そ中心市街地をいま整備して安心して住むことができる街をつくらなければならない。 ○ コンパクトシティの根本はメリハリにある。どこに使って、どこに使わないか、現状の日本 にはそうした考え方が欠落している。 ○ 現状より悪くならないようにするといった議論が足りない。この視点がなくて、コンパ クトシティを実施すると、後にはどうしようもない空間が残ってしまうということが起こ る。(林) ○ コンパクトの規模・概念は個々人によって捉え方が違うようだが、郊外部に関してこれ以 上手をつけない、広げないということでは全員が一致していると思う。(委員長) ○ だからと言って郊外部をほったらかしにしていいのか、という意思がある。大きな政策展開 としてコンパクトな都市を捉える必要がある。(委員長) ● コンパクトシティに関する意見・議論が非常に多いが、これをテーマ0としたのは今回これ を議論しましょうというのではなくて、基本的にはコンパクトにして豊かにしましょうという理 念に立って、その上で緊急的かつ実現的な話として道路や駐車場の整備の話をしましょう というつもりで今日のテーマ設定を行った。 道路整備について ○ 市街地が道路によってどう変化していくか、現状に合わせて見直すべき。(林) ○ 交差点整備のイメージ図を見ても一体これは何mを想定して作られた道路図なのか分か らない。現実には郊外でこのような道路はあり得ない。それを前提にするのはどうかと思う。 ● たまたま幅員が広いイメージ図を作成しただけで、これを前提として企画するわけではな い。 ○ 都内の渋滞のほとんどは工事渋滞だと聞いた。それも単年度予算で予算がついているた めに年度末である2月・3月といった時期に工事が集中することが多い。もっと使う市民の 立場に立った対応が必要ではないか。 ● 調査データによれば工事による渋滞の割合はそれほど高くない。 ○ 歩行者は大事でそのためには歩道が大事という考え方は出てくるけれど、交差点が大事 という発想は出てこない。 ○ 日本には交差点の真ん中に島があるということがほとんどないので、どうしてもワン・サイ クルで渡りきらなければならなくなる。高齢者にとってそれはかなり大変なことであるし、道 路を拡幅して市街地整備をしようとすると相当長距離を渡らなければならなくなる。そうす るとワン・サイクルが非常に長くなり、結局車が停滞するし、排ガスによる環境負荷が高く なる。これではまったく問題点の改善にはならない。 ● 道路は1手段・1事項でしかないので、市街地全体を道路だけですべてを解決しようとは思 わないでほしい。 公共交通・交通手段について ○ 歩行・自動車・電車と区切って話をしようとしていると思う。移動する時にひとつの移 動手段しか使わないという考え方はおかしい。(齋藤) ○ 自動車が効率的に流れるようにしたい、道路内の自動車量の削減といっておきなが ら、ドア−ドアの自動車移動にこだわろうとしているように思う。むしろ市街地内は公 共交通が充実しているのであるし、ドア−ドアの自動車での移動はあきらめてもらっ て、もっとTODに頼った交通のあり方を考えるべきではないか。(齋藤) ○ 海外から見ると日本の街は東京・大阪のような中心部はものすごく鉄道網が整備されてい て、少し周辺部に行って小さな町になると極端に公共交通の整備が足りないという特徴が ある。高齢者がマイ・カー移動しようとすることが悪いことでは全然ない。海外では普通に あること。大都市では公共交通、小さな地方都市ではマイ・カー移動を中心とするようなあ り方を考えても良いと思う。 ● コンパクトな市街地を整備することで過度な自動車への依存を解消できるのではないかと 思っているが、自動車依存率が0になるということは決してないはず。残った自動車交通を どうするかを考えている。 共同建て替え・再開発事業について ○ 観念としては分かるが、共同建て替え・土地の共同化は実際にやろうとしてもうまく いかない事例が多いというのが現状。もっと現状を踏まえたビジョンを立てるべき。 (林) ○ 共同化事業というのは最近やっと進み始めてきたばかりというだけで、できないといって頭 から否定することはおかしい。これから進んでいくこと。 ● 工場が建ちその周辺に木賃アパートがたくさんできた時期があったが、今は工場が出て 行ってしまい、時期的にも建て替えの時期に来ているものが多い。しかし、今の敷地で建 て替えるとペンシルビルになるので周りと連携した共同建て替えのような補助金などを考 えている。 ○ 規制緩和不可とする現行法を見直していかないと今回の理念は実現しないのではない か。 ○ 宇都宮でも再開発計画はあるが、地権者がまとまらなくてディベロッパーなどはあきれて いる。せっかく民間会社が買収して第2種市街地再開発事業でやってやろうと思っても、地 権者が5人以上いないと補助金が出ないといった障害がある。これらを何とかしていかな いといけない。 ○ 再開発の前提は床の供給に対してすぐに需要があるということ。再開発後すぐに入居者 がある、床を必要としている人がいるという前提もなしに再開発事業をやろうとすることは 本来の前提と一致していない。再開発の課題は初動期にある。 ○ 細分化された土地が多いため集約化・建て替えをしたいと思っている個人がいたとして も、隣りはまったくその気がなくて勝手に個人で建て替えてしまったような事例は武蔵野市 ではたくさんある。誘導策と規制の組み合わせが必要。 市街地整備について ○ 地域ポテンシャルに応じた市街地再開発の推進といっているが、自主性の中身が 大事。木造密集市街地の整備を民間だけでやることも難しいかもしれないが、だか らといって行政だけでやることも不可能。地域に密着したNPOとかと連携してやろう とすることが大事。(林) ○ 事務方が言っている民間による建物更新の機会を捉え事業に活用するという具体的イメ ージがまったくわかない。 ○ 武蔵野市ではバス路線の確立・効率化をしたいと思ってもそのために逐一街路整備・道 路の拡張などを行うことは実質的には出来ず、現実的にある道路を使用するしかないと 思って16mくらいの道路にバスを通したが、違法駐車が多くてちっとも進まない。違法駐車 禁止条例を作ったらうまくいくようになった。道路整備だけやれば解決する・うまく流れるよ うになるというものではない。 ○ 民間に資金力がありこれを活用したいといっても、日本のまちには魅力がないといって海 外に投資されていることが多い。日本のまちの魅力を上げることを考えなくてはいけない。 ○ 市街地の整備にも「公共事業型」「誘導型」「抑制型」があると思う。これまで日本では公共 事業型がものすごく活発に行われてきており、誘導型・抑制型は弱い。では、誘導型・抑制 型でうまくいったところにはどのようなところがあるのか、どうなっているとうまくいったの か、逆にいま何が足りないのか、必要なのか、といったことを基本に考えるべきである。 地方自治・包括的補助金等について ○ 西富久の事例は非常にうまくいったという話は良く聞くが、実質的にはあれは早稲 田大学の大学院生が手伝って非常に活躍したためにうまくいったのであって、行政 の力でうまくいったものではない。行政から出たのは協議会をつくったために出され た10万円だけ。以前から再三言っているようにもっと行政はソフト面に予算を当てる べき。(齋藤) ○ 地域内交通に関しても、自治体ごとに不足している交通手段、地域内ニーズを充た すための交通上の問題は違うはず。自治体ごとに自分で考え・工夫することのでき る、用途を定めない包括的な国からの補助金が必要ではないか。(齋藤) ○ 概念としては便利で正しい施策であっても、結局ディテールがいいかげんだと使い勝 手が悪くなり、実際には市民は使わない。現状でもJRと他の私鉄の乗り継ぎが悪か ったり、割引がなかったりという不便は多い。国が初期段階で補助をしてやれば、割 引制度のあるパスネットのようなことが各民間業者もできるようになるのではない か。(齋藤) ○ もっと市民のことを考えた事業を行うためにも、年度を越えた予算の枠組み・多年度 に渡って自由に使える予算を増やすべきではないか。(齋藤) ○ 空間のディテールは自治体が決めるべきことであって、ここで個別具体の話をしよう としてもあまり意味がない。トラフィックとアクセスを分けるという考え方は大事かもし れないが、政策としてどうするということは自治体が独自に考えられるような包括的 な資金・補助金を考えることが大事なのではないか。(小泉) その他 ○ 日本のまちについて議論していることを忘れてはならない。 ○ 目指すべき目標のタイムスパンが個々人でバラバラになっているような気がする。50年程 度の長期オーダーとして考える全体的な都市像と5年程度で解決すべき個別の具体的施 策に関しては分けて考えるべき。 ○ 今日のように当日に審議テーマ・資料を与えられても十分に準備・対応が仕切れな い。テーマと資料はできれば1週間前、そうでなくてもできるだけ早く出してほしい。 (齋藤) 社会資本整備審議会第2回都市交通・市街地整備小委員会議事録(国土交通省) http://www.mlit.go.jp/singikai/infra/city_history/city_planning/city_traffic/2/city_traffic_.html |
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