第2回分科会 審議内容(概要)

社会資本整備審議会第2回都市計画分科会が開催されました。

【開催日時】2001年9月19日(水)15:00〜17:00
【開催場所】国土交通省11階特別会議室

【会議次第】1.開会 
        2.議事
                    (1) 民間の都市活動を促す都市計画の枠組みについて
                    (2) その他
        3.閉会

【審議内容 概要】

 今回と次回は諮問の趣旨(1)「民間の都市活動を促す都市計画の枠組み」がテーマ。今回の委員からの議論を吸い上げ、事務局側が次回方向性を示す予定。(指名された1委員が次回までに叩き台を作る)

まず、
A.事務局から民間の都市活動を促す都市計画の枠組みについての国交省の観点・考え方の説明があり、それから、
B.東京都の「街区再編プログラム」についての提案があった。
それを基に、
C.各委員からの意見交換が行われた

A. 民間の都市活動を促す都市計画の枠組みについての
  国土交通省の観点・考え方(抜粋)

A-1. 新たな枠組みの必要性
現行の都市計画制度の枠組みは高度経済成長期に築かれ、市街化区域と市街化調整区域とを区分し、また、工場を住居系用途地域から排除する制度であった。この制度下では、方公共団体が事前明示的な土地利用規制の仕組みを用意し、民間からの申請が規制に適するかチェックするかたちがとられている。しかしながら、今後は、開発による新しい市街地形成を目的とするものから、既成市街地の質の向上を目的するものへとシフトする必要がある。そのために、市街地のあるべき姿を即地的に想定した上で、到達すべき目標像を示せるような仕組みを構築しなければならない。

新しい手法は特に民間投資の観点から強い需要の認められる東京等大都市都心部におい
て以下のような面で改善を求められている。(1)低未利用地の拡大の抑制、(2)NPO・まちづくり協議会等「民」の取り組みを受け止める体制づくり、(3)地域地区制度による土地利用規制の自由な民間建築活動への制約の是正

今後の課題:
(1)行政庁の裁量権が広すぎ民間活動を促すには不十分である(特に、民間案を都市計画決定権者が受け止める仕組みではない)、
(2)民間の創意工夫を最大限発揮できるような運用になっていない(例えば、容積率は基準容積率の2倍を限度としている)、
(3)取り決め内容は明らかにならないことが多く、官の側には時間コストの意識が希薄で、責任もあいまいである。

A-2. 新しい時代の都市づくりの仕組み
新しい仕組みは官民協働で民間の創意工夫が反映されることが期待される。そのために、民間から提起された都市づくりの構想・計画について、必要な情報を公開し、住民参加などのプロセスを経て周辺地域との調整を行い、さらに、官と民とが協議・調整を行いながら計画内容を詰めていく柔軟な仕組みが求められる。その際、簡素で分かりやすく、使いやすいものへと、制度を再編成することも重要である。
また、都市づくりの実行段階においても、官民協働の仕組み整備が必要である。(例えば木造密集市街地(「20世紀の負の遺産」)の早急な整備・改善)また、優良な民間都市開発の前提となる道路等の都市基盤施設の優先的な整備が求められている。


B. 「街区再編プログラム(仮称)」について東京都からの提案
B-1. 現状把握
(1)都市部では敷地の細分化が問題となっている。例えば23区では100u未満の土地が人数
比で45%、千代田・港・中央の都心3区では50〜70%を占めている。しかも細分化は平成4
年以来進んでいる。
(2)虫食い、つまり、低未利用率が23区では5800haにのぼり、容積率250%のところ半分
の125%しか利用されていない。

B-2. 提案
 個別建替によるのではなく街区単位で地権者の意欲に基づき、細街路の付け替えや敷地の統合などの街区再編を行い、土地の有効利用により、良好な街並み形成に資する建築物の建築を促進することをねらう新たな制度として街区単位の再開発が有効。


C. 各委員からの意見概要
C-1. 街区再編に関して
・ 前提となっているのは投資意欲のあるところのみ。そういうところは権限を基礎自治体に与えて街区でOK.。しかし反面、不活性地域が広がっていく恐れがあり、積極的対応が必要。NPOや先行的に活動している団体を活用すべき。資金の流れ・不動産に対する柔軟な金融システムが重要。
・ 街区は民間の力がでてくるので評価。
・ 毎年ストックの3%ぐらいが改築している。それをどう誘導するかが重要。格差を恐れていてはだめ。やりたいところをドンドンやらせれば、安くなり、取り残し部分の転出を促すことになるはず。マーケットに任せるべき。
・ 提案は積極性が足りない。容積率が半分しか使われていないとのことだったが、ニューヨークのミッドタウンでは容積率は1400%だが実現しているのは30%ぐらいのみ。日本では、千代田400%、港250%。2000%ぐらいにしてもいい。日本の都市計画はストイックすぎる。
・ 斜線制限より問題は日影制限。都心部の日影制限の全般的排除が望ましいが、100歩譲って一定距離以上例えば300m離れたらOKとすればよい。
・ 完全な需給関係では怖い。クリアランス的再開発ではなく、修復型の開発をして欲しい。(斉藤)
・ 行政法の立場から発言したい。その意味で計画提案制度OK。まちづくりは弾力的に出来るようになるだろう。しかし、基準を予め示せないのは、行政にとって問題。それを市民参加・住民参加で補うべき。
・ 街区再編に関しては意味ある実験的プログラムとして評価して良い。しかし日本では、公民の協働すらあまり実績がないので、いきなり民間主導というのは難しいのでは?
・ 細分化された土地を統合し、街区として整備していくのは方向性としてOK。しかし民活でやるというのは、一体どのくらいのケースを考えられるだろうか。例えば武蔵野市で再開発しようとしている地域は、7〜800m2から1万m2まで、容積率も80から700まで多岐に渡る。しかし、この提案にあてはまるのは少ないのでは。
・ 街区はそもそも誰が誘導するのか?
・ 街区とそことは離れた地域の議論がなされていないのでは。例えば、職住が離れている場合や保育園等はどうするのか。いろいろな地域、役割をつなげるという議論をすべき。

C-2. NPOを含む多様な民間の参加とそのための支援システムの必要性
民間と言う場合NPOが含まれるのはコンセンサスとなってはいるが、市民が長い期間継続的に活動していくためには、自主性等を損なわぬような支援が不可欠である。例えば、アメリカのCDBGや英国のSRBのような、包括的な支援体制はできないものか。(斉藤)
・ 新しい都市づくりのしくみの中で、民間としてNPO的視野プラス地権者の意見を入れていくのは重要。しかし、民の中の経験には、(全体的な立場に立った)巨視的なものと、(個人の立場に立った)微視的なものがあり、相互理解必要。
・ 昨今、まちづくりNPOの活躍は目覚ましい。長期的に継続性実効性のあるものにしてくには支援必要。公共性の高い民間・市民に対し公明正大な支援をし、自治体とパートナーシップが取れるよう育てることは重要。
・ 民間事業者との条件の違いから市民の弱さが生まれる。NPOの条件整備を分科会でも提案していきたい。
・ 発意ある主体のみではだめ。発意を育むシステムが重要になる。

C-3. 民間に公共性は求められるか
・ 公の部分をどうする?福祉とセットで考えるため公共のデベロッパーは必要。
・ 市街地像描くのは難しい。行政だけでは無理。広い意味での民間の発意必要。民間主体への委譲必要。他の民間主体から見ていいものなら公共性有り。多様な主体が関与できるシステム必要。
・ 現在のところ、地権者主義に偏りすぎているのでは。通勤者、借家人等の利害も重要。審議過程が重要になってくる。

C-4. 求められる[公]の役割
・ 法的主体としての自治体は、その自治体にあった創意工夫が必要。当然都心3区と武蔵野市は違う。
・ 環境が気になる。少子化が進む中、スクラップ&ビルトでなく、計画をきちんと立てて長期的に使っていくシステムが必要。
・ 提案をたくさん集めるのはどうか。ベクトルが違う人たちがいるのだし、オープンスペースの枠組みだけはしっかりして、選択肢・複数のメニューがあってよい。街区再編は提案のひとつとして良い。
・ 街区再編で高層化されるとき、出ていく人にどういう手当てをするのか。ヒートアイランド、高層化によるビル風等誰がどこらか解決していくのか、トータルな考え方必要。
・ そもそも、土地活用は公共性が高い。それを市場の原理だけでやるのは疑問。例えば武蔵野市には住都公団が作った2つの団地があり、その中には中規模の緑地、避難所、社会的施設(Social Mix)を含んでいる。公園なら公園の費用でつくればいいし、そうしたことは民間だけでは無理。何か仕組みを考える必要有り。

C-5. 制度の簡素化と規制緩和を結びつけることの危険性
・ 容積率は規制が複雑。クリアにしてほしい。
・ 日影は、都心3区ははずすかどうかという具体的協議が必要。
・ この提案を短期間にやろうとすると地上げが起こる。2〜3年では強引すぎる。5〜10年を公共の土地バンクで種地にして、それから私企業にやってもらえばいい。
・ 丸の内でもまちづくり協議会がある。一番困ったのは時間、つまり金利の問題で焦った。
・ 始めから制度があったのではなく、官民協調、意見のやりとりで昔はなかったビルの区分所有制度、特定街区、容積・用途移転の制度が出来てきた。
・ 新しい公共性は進めて欲しい。今までの全員合意システムは取引費用がかかりすぎ。多数決で良いという国民的コンセンサスをまず形成する必要あり。それは発意を育むシステムで分かってもらうべき。そのためにも、プライオリティーをはっきりさせ、手続きを簡素化して分かりやすくする必要有り。

C-6. 国の関与に関して
・ 資料(6)「民間による都市計画の提案制度の導入について(案)」の最後に「提案に対する地方公共団体からの回答が十分でない場合に国が関与すること等を検討。」とあるが、もめたとき「国」が出てくるのは「お上」的発想でよくない。市民による第3者機関を検討すべき。(斉藤)
・ 地方分権が進んでいるのにでいきなり「国の関与」が出てくるのは気になる。
・ 資料(6)の「国の関与」はどうするか。

C-7. その他の議論
・ 30年に1度建て替える計算。その際、隣と一緒になることはまず考えない。人間関係がある。また、木造だと固定資産税が優遇される。都市型になったら、税制を再構築すべき。大きな民の方向性を議論すべき。

社会資本整備審議会第2回都市計画分科会議事録(国土交通省)PDF
http://www.mlit.go.jp/singikai/infra/city_planning/2/images/010919_10.pdf
都市計画分科会トップページへ   第1回概要 第3回概要