第4回用提出済意見斉藤は仕事で海外に行っていたため第4回分科会を欠席しました

2001.11.19

 斉藤です。21日の分科会を欠席しますので、前回の分科会で提出された資料5をもとに、私の発言として、以下の意見を述べます。

密集市街地整備の考え方について

 密集市街地整備にあたっては、生活の視点を重視すべきです。木造住宅密集市街地は、多種多様な成り立ちをもち、住民が触れ合うコミュニティを形成し、多様な生活スタイルが定着している地域です。人々の生活の視点から見るならば、この地域を一律に「負の遺産」と決めつけることは不適切です。都市計画はなによりも、そこに暮す人々の生活ニーズに立脚すべきです。人々がそこに暮し、信頼にもとづく人間関係を形成することが豊かな都市の魅力であり、都市の自然成長性を大切に育てていくことも都市計画の重要な課題であると考えます。
 都市景観としてみても、月島や向島地域などは東京の個性的な景観を生み出しています。長屋の景観は、グローバル化する都市・東京の誇るべき歴史遺産であるといっても過言ではありません。木造密集市街地の良さを生かすまちづくりという視点もまた大切です。
 マンハッタンの超高層ビル群の二番煎じになるような都市ならば、世界の人々は本家のニューヨークを訪れるでしょう。そのニューヨークのグリニッジ・ビレッジにしても、そこに集まる芸術家たちがかもしだす都市の文化が魅力的なのであって、単なる都市景観が人をひきつけるという理解は皮相なものであると言わなければなりません。都市の文化は、そこに暮す人々の生活をベースにして生まれてくると思われます。

 街区再編プログラムの実施にはコミュニティを育てるもの観点が重要です。前回の意見表明で、街区再編プログラムは@コミュニティの人間関係を損なわないように制度的に配慮すること、Aコミュニティの当事者および支援NPOが開発に参加すること、B市区町村の都市計画マスタープランにそって行われることなどを指摘しました。この観点からは、住み続けるための家賃補助その他の制度的支援措置、環境および社会経済の計画段階のアセスメントなどによる情報提供と意見表明の保障が必要です。
 全面改造型(密集市街地クリアランス)は現実的ではないばかりでなく、コミュニティを育てるという観点からは不適切な方法です。これに代って、街区再編プログラムに期待するという方向性が出ているようにも思えますが、これまた全都で約24,000haに及ぶ密集市街地、重点地域の約6,000haのごくごく一部にしか適用できないはずです。圧倒的な市街地は別の手法で整備されていかねばなりません。

 密集市街地の防災は共同建替を基調にして、多面的な複合的な取組で進めます。密集市街地の整備は、住民主体の共同建替が基調になると思われます。都市計画道路を積極的に整備し、これと一体に沿道の不燃化を促進誘導するという手法は、いささか権力的であって、新たな紛争を呼び起こしかねません。
 しかし、共同建替には時間をかけた粘り強い取組が求められます。そこでは、住民が共同する条件、共同建替が促進される制度的条件を、NPO・ディベロッパー・行政の果たす役割を含めて、東京・世田谷区太子堂地域その他の先行事例を深く検討するなかから探る必要があります。また、密集市街地の防災は都市計画分野をこえた取組と複合化される必要があります。個別住宅の耐震化への支援、コミュニティ防災組織の育成、小型消防車その他の防災技術の開発と配置など、多面的な取組が求められます。

以上

社会資本整備審議会第4回都市計画分科会議事録(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/singikai/infra/city_planning/4/images/011121.pdf


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