中間とりまとめ (01.2.7付け)
審議会で討議した「案」との比較

 

目  次
(赤字は修正のあった項目です)


はじめに

社会資本整備審議会都市計画分科会委員等名簿

社会資本整備審議会都市計画分科会における審議経過

T 民間の都市活動を促す都市計画の枠組みについて
  1 新たな都市計画の枠組みの必要性
  2 新しい時代の都市づくりの仕組み
  3 今後の検討の方向性

U 木造密集市街地の解消のための方策について
  1 木造密集市街地の現状と課題
  2 今後の木造密集市街地の改善の基本的方向
  3 具体的な施策の方向

V 今後の検討の進め方


変更点を以下にまとめました。

中間まとめ (2002.02.07)
変更点は赤字で表示

中間まとめ(案)
(2002.1.25)


T 民間の都市活動を促す都市計画の枠組みについて
   3 今後の検討の方向性

 

都市づくりの計画段階では、「民」の取組の中に「公」的なものを認め、これを都市計画として受け止め、また、実行段階では、事業の実施主体がこれまで公的主体に限定されていたものを民間にも開放するなど、民間の資金力、組織力、事業遂行能力を活用する方向で検討する必要がある。
 また、優良な民間都市開発を行うために必要となる都市基盤施設については、その整備を強力に推進する必要がある。

 このため、現行都市計画制度の課題に的確に対応し、都市型社会に即応した新たな都市計画の枠組みを構築するため、以下に掲げる施策について検討する必要がある。
 その際、留意すべき事項として指摘した課題については、引き続き検討を行う必要がある。



(1)都市計画・建築規制について

 都市計画による土地利用規制は、民間の建築活動を規制・誘導し、良好な都市空間を形成する機能を有するものである。

  全国的には、住民等による地道なまちづくりの取組を都市計画に反映するための制度の導入を図る必要がある。また、住民等にとって、もっとも身近な都市計画である地区計画制度について、より分かりやすく使いやすいものに改める必要があると考えられる。

  特に、民間都市開発事業者に旺盛な投資意欲が認められる大都市地域においては、民間都市開発事業者の発意を適時適切に受け止め、都市計画を弾力的に変更するための仕組みが求められている。
 また、民間の投資を積極的に誘導する観点から、良好な市街地整備を実現するための事前明示性の高い土地利用計画の仕組みが必要である。

 したがって、次のような施策について検討する必要がある。


@ 民間による都市計画の提案制度の導入
 地域住民によるまちづくりの取組や都市再生に資する民間都市開発事業者の創意工夫を都市計画に積極的に反映させていくため、民間等による都市計画の提案制度を導入すべきである。

<基本的な制度構成のあり方>
 ○ 住民等が自主的なまちづくりを推進し、地域の活性化を図りやすくするため、土地所有者、まちづくり協議会、まちづくりNPO等から、一定の面積以上の一体的な土地の区域について、当該区域内の土地所有者等の一定割合(例えば、3分の2)以上の同意を得て、都市計画の案となるべき事項について提案できるよう措置すべきである。
 ○ 提案の対象となる都市計画は、都市計画の提案の指針となるべき都市計画区域の整備、開発及び保全の方針等を除き、基本的に、広く認める必要がある。
 ○ 都市計画決定権者は、当該都市計画の提案の内容について、都道府県都市計画審議会又は市町村都市計画審議会に付議等を行うとともに、住 民参加の手続を保障することにより、当該都市計画の決定又は変更を行う必要があるかどうかについて、適切に判断することとすべきである。
 ○ 特に都市の再生を図る必要がある特定の区域においては、都市の再生に資する都市開発事業を行おうとする者が都市計画の提案をすることができるよう措置すべきである。この場合においては、都市計画の提案からその決定又は変更までの期間を明示することにより、民間事業者等の負う時間リスクの軽減にも配慮する必要がある。

<留意すべき事項>
 ○ 民間等による都市計画の提案制度の導入に当たっては、計画の早い段階から、地域住民が広くまちづくりに参加し、十分な協議が行われ必要がある。
 ○ 都市計画の提案制度がより有効に機能するよう、提案を評価するための指針の充実を図るなど都市計画の決定ルールについて検討する必要がある。例えば、圏域計画等の広域計画や地方公共団体の都市政策との関係、環境に関する取組の方向性等の明確化など、都市計画の提案が備えるべき条件の明確化について、今後検討する必要がある。
 ○ 提案した者と提案を受けた地方公共団体がそれぞれの立場を明確にしつつ協議・調整を行うことができるよう、協議のプロセスを書面で明らかにすることについて、今後検討する必要がある。
 ○ 地域住民は、自らのまちづくりに関するニーズを都市計画の提案としてまとめる経験やノウハウを持たないこと多いと考えられることから、地方公共団体や公的セクター、まちづくりNPO、まちづくり専門家等と協力して、住民が共同して組織するまちづくり協議会等を支援する制度の充実についても、今後、検討を行う必要がある。
 ○ 都市計画の提案制度が確立されるために、行政側が都市計画の提案に対してどのような対応を行うことが効果的であるか等について検討する必要がある。
 ○ 国は、住民等と直接向き合う地方公共団体に対し、必要な支援を行う必要がある。
 ○ 多様な主体の意見を反映させながらまちづくりを行うことは、時間のかかる取組であるが、制度が定着し、経験やノウハウが蓄積されることにより手続の迅速化が図られることを期待したい。


A 良好な市街地の整備を実現するための新たな土地利用計画の仕組み
 都市の再生の拠点として緊急に整備を図るべき特定の地域においては、地域の整備方針を示すこと等により目標となる市街地像を具体的に明らかにし、当該市街地像の実現に寄与するような民間主導の自律的なプロジェクトの実施が促進されるような措置を講ずるべきである。

<基本的な制度構成のあり方>
 ○ 都市の再生の拠点として緊急に整備を図るべき特定の地域においては、民間事業者の事業意欲を事業の実施に円滑に結び付けることにより、民間に存する資金やノウハウなど民間の力を引き出し、都市の再生を緊急かつ強力に推進する必要がある。
   このため、都市計画上もこうした要請に対応して、民間事業者等が創意工夫を発挿して自由に事業計画を立案することができるよう、既存の用途地域に基づく規制に代えて、自由度の高い計画を定めることができる特別の都市計画制度を創設すべきである。
  ○ 新たな都市計画制度は、必要に応じて誘導すべき用途を明示するとともに、形態に関してきめ細かく都市計画で定めること等により、将来の市街地像を明らかにすることができる制度として構築する必要がある。
    また、当該都市計画が定められた場合には、用途地域に基づく用途規制や容積率制限、斜線制限、日影規制等については、特定行政庁の許可等によらず規制を緩和することができる事前明示性の高い仕組みとして構築する必要がある。

<留意すべき事項>
  ○ 新たな土地利用計画の仕組みは、用途地域に基づく規制に代えて、自由度の高い都市開発を可能とするものであることから、活用に当たっては、そのねらいを明確にするとともに、環境や地域コミュニティに与える影響等を含め、都市計画としての公共性の確保に十分留意する必要がある。
  ○ 新たな都市計画制度は、既成市街地における非効率な土地利用を是正し、土地の有効・高度利用を促進するため、建築物のスカイラインを設定すること等により、個々の敷地単位での建替えではなく、狭小敷地を統合し、街区全体としてまとまりのある調和のとれた建築物の整備を誘導するための制度としても活用することが期待される。
  ○ 公的セクターが、地方公共団体や民間事業者、土地所有者等との間を調整するような仕組みについて検討する必要がある。


B 地区計画制度の見直し
 地区計画制度は、身近なまちづくりを誘導するものからプロジェクトを促進するものまで、多様なメニューがあり活用されているが、制度が複雑で分かりにくいとの批判がある。このため、再開発地区計画及び住宅地高度利用地区計画を地区計画に統合するとともに、多様なまちづくりのニーズに対応できる、より分かりやすく使いやすい一般的な制度として再構成すべきである。

<基本的な制度構成のあり方>
 ○ 再開発地区計画及び住宅地高度利用地区計画を地区計画に統合し、これらの用途・容積緩和型のメニューを地区計画のメニューとして追加する等、分かりやすい制度構成とすることにより、多様なまちづくりのニーズに対応できる、より一般的な制度として再構成すべきである。
 ○ その際、単に既存の軸度を整理統合し、分かりやすくすることに加えて、既存の地区計画制度における用途、容積率等の特例制度が、複合的なニーズに対しては必ずしも十分に対応できていないことから、地区計画制度を活用する目的や地域の実情に応じ、複合的なニーズにも対応できる制度とすることによって、機動的に、きめ細かなまちづくりが実現できるよう配慮する必要がある。

<留意すべき事項>
 ○ 地区計画制度の普及は、住民のまちづくりへの参加意識を高めることに資するものであるとともに、街区レベルで既成市街地の更新に取り組もうとする民間の投資意欲にこたえるものとしても効果的であることから、より一層、その活用を図る必要がある。
 ○ 地区計画制度の統合により、それを活用する地方公共団体、住民等に混乱が生じないよう留意すべきである。




(2)都市づくりの事業手法について

 都市づくりの実施段階においては、公的主体に限定されている法定事業の施行権能を民間主体にも開放するなど、民間の資金、ノウハウを積極的に活用する方向で検討する必要がある。
 したがって、次のような施策について検討する必要がある。


@ 民間の資金、ノウハウを活用する観点からの市街地再開発事業の見直し
 民間活力の活用等による都市の再開発を促進するため、ノウハウや資力・信用を有する民間事業者が土地所有者等と連携して迅速に事業の実施ができるよう、市街地再開発事業の施行者に、一定の要件に該当する株式会社等を追加すべきである。

<基本的な制度構成のあり方>
 ○ 市街地再開発事業の施行者については、土地所有者等による個人施行、市街地再開発組合による組合施行及び地方公共団体、公団等の公的主体による施行が認められているが、民間の資金力、組織力、事業遂行能力等民間の創意工夫や活力を活用しつつ良好な市街地の形成を図るため、土地所有者等の参画した株式会社等について、第一種市街地再開発事業及び第二種市街地再開発事業の施行権能を付与すべきである。
 ○ 市街地再開発事業の施行権能の付与に当たっては、土地所有者等の意向が事業に十分反映されるよう施行地区内の合意要件を明確化するとともに、地方公共団体の指導・監督の下、事業実施の公正性、透明性及び確実性が確保されるよう、必要な措置を講ずる必要がある。

<留意すべき事項>
 ○ 事業の実施に際しては、土地所有者等の意見が反映されるよう十分配慮する必要がある。
 ○ 第二種市街地再開発事業の施行権能の株式会社等への付与に当たっては、施行地区からやむを得ず転出する者に対する5,000万円控除等の税制上の特例措置も、あわせて講じられることが望ましい。


A 土地の健全な高度利用のための敷地の集約化
  土地の健全な高度利用を図るべき土地の区域については、土地区画整理事業を活用して、敷地の共同化意向のある宅地の所有者等が敷地を集約化し、敷地規模を拡大することにより、良好な街区を形成することを可能とするような制度を創設すべきである。

<基本的な制度構成のあり方>
 ○ 基盤整備が不十分なまま敷地が細分化されている既成市街地の再構築を進める上では、基盤整備と合わせて敷地を集約することにより、土地の健全な高度利用を図ることが、良好な市街地の整備を進める上で重要である。
   このため、高度利用地区の区域等において敷地を集約化し、都市計画に適合した建築物の建築を進める任意の事業について、土地区画整理事業の換地特例制度を措置すべきである。




(3)民間都市活動を支える都市基盤施設の整備について

都市の骨格を形成する都市基盤施設の整備は、民間都市投資を促す観点からも重要であり、国や地方公共団体等の公的セクターは、その事業実施の見通しを示した上で、計画的な整備を強力かつ機動的に推進することが求められている。
 さらに、優良な民間都市開発を行うために必要な都市計画道路等の整備について、都市計画事業として弾力的に事業認可する仕組みや、民間都市開発事業者の発意と能力を活用する仕組みの整備が必要である。
 したがって、次のような施策について検討する必要がある。

○ 優良な民間都市開発を行うための官民協働型の都市基盤施設の整備
 優良な民間都市開発に呼応して都市計画道路の整備を機動的、重点的に実施することができるよう、道路整備の優先順位を定めている都市計画道路整備プログラムや都市計画事業認可の運用を見直し、弾力的に事業着手ができるようにすべきである。
 また、民間都市開発事業に必要な都市基盤施設の整備を民間事業者の活力を活用して整備することができるよう財政的な支援措置を講じるべきである。

<基本的な制度構成のあり方>
 ○ 都市計画道路の整備に新たな観点を加え、土地の有効・高度利用を図るべき大都市の都心部や活性化を図るべき地方都市の中心市街地等においては、優良な民間都市開発に関連する都市計画道路について、民間都市開発とタイミングを合わせて事業認可を行うための運用改善が必要である。
 ○ また、民間都市開発事業に必要な都市基盤施設の整備を行う民間事業者に対する財政的な支援措置を講じるべきである。

 

 

 

 

 

U 木造密集市街地の解消のための方策について
   3 具体的な施策の方向

(1)住民主体の防災まちづくりの推進

 木造密集市街地における防災性の向上を効果的に図るためには、住民が主体となって合意を形成し、相互に連携を図りながらまちづくりに取り組むことが求められている。また、こうした取組に、公共事業や公共からの支援を有機的に組み合わせることが有効である。
 このため、住民等により構成されるまちづくり協議会が中心となって計画を調整できる体制を整備するとともに、土地所有者等のニーズに対応した多様なまちづくりを総合的に支援する必要がある。

@ 地区の災害危険性の公表等による住民意識の高揚
 地方公共団体は、地区の災害危険性の評価を行い、分かりやすく住民に公表 することにより、住民との合意形成の促進を図るとともに、震災シミュレーションや対話型のまちづくり計画を行えるGISの構築を図る必要がある。

A 住民主体のまちづくり推進体制の整備
 まちづくり協議会が住民等の間を調整し、まちづくりの提案を行い、事業を推進する能力を高めるため、地方公共団体との信頼関係を築くとともに、これを支援するまちづくりNPOの活用やコーディネータの派遣等の技術的支援を強化する必要がある。
 また、住民発意による防災街区整備地区計画の活用を図るため、地域の実情に応じ、防災街区整備地区計画について整備方針と地区整備計画を二段階で策定する方法の活用や準耐火建築物への誘導を推進するほか、斜線制限等の特例を適用できる街並み誘導型地区計画との併用を可能とする制度改正を行う必要がある。

B 住民等による都市計画の提案制度の導入
 木造密集市街地において、住民等が主体となったまちづくりを推進するため、住民等による都市計画の提案制度の導入を図る必要がある。

C 土地所有者等の意向に対応し得る多様なまちづくりの手段の整備
 士地所有者等が一人で、又は数人共同して行う防災性向上に資する建築活動等を積み重ね、連鎖させていくことが木造密集市街地の整備改善を図る上で有効である。こうした活動を促進するため、必要な財政・金融上の措置を講じるほか、活用可能な各種事業手法や都市計画制度等のまちづくりの手段について土地所有者等に分かりやすく周知するなどの取組を進める必要がある。例えば、上物整備事業(密集住宅市街地整備促進事業等)と基盤整備事業(土地区画整理事業)の一体施行に関する運用指針や建替えに合わせて敷地整序を図るための事例集の策定・普及等が考えられる。
  また、木造密集市街地には、耐震基準に合わない住宅が数多く存在するが、阪神・淡路大震災においてみられたように、建築物の倒壊により多くの方が犠牲になり、道路の閉塞により救助活動が遅れたといった事態が生じたことを踏まえ、建物の耐震改修促進のための支援の強化等を行う必要がある。

D 公的セクター、まちづくりNPOの活用
 木造密集市街地の整備は、時間と労力のかかる取組であり、土地の交換・整形、基盤整備、建物の共同化のコンサルティング、民間活力を引き出す条件整備、各種事業のノウハウの発揮、事業化のための情報ライブラリーの提供等が必要であることから、技術力・ノウハウ等を有する公的セクターやまちづくりNPOの適切な活用を図る必要がある。



(2)公共による重点的整備と民間活力活用による防災性向上の促進

 国、地方公共団体の財政状況が厳しく、効率的な公共投資の実施が求められている中では、公的主体が木造密集市街地を全面的に改造していくことは事実上極めて困難であると考えられる。
 このため、できるだけ少ない投資で最大限の効果をもたらすよう防災上の観点からメリハリをつけて公共投資を行い、これに併せて、民間投資を誘発する効果の高い手法を用いる必要がある。

@ 木造密集市街地内の都市計画道路等の集中整備と沿、道市街地の一体的形成促進による「防災環境軸」の整備
 木造密集市街地内において、道路、公園等の公共施設が整備されることは、その沿道地域に民間建築活動が誘発され、不燃化が進み、延焼遮断機能、避難機能等の防災機能と地域の生活拠点機能や環境機能を持つ軸が形成されることになる。木造密集市街地において都市計画決定されているにもかかわらず未整備の都市計画道路については、交通ネットワークの観点からだけでなく地域の防災性の向上を図る観点から整備の促進を図り、当該都市計画道路の沿道に不燃化された市街地の形成促進を併せて行う「防災環境軸」の整備が効果的であると考えられる。
 このため、地域の事情に応じた防災環境軸の整備が促進されるよう、次のような措置を実施する必要がある。
 ア 地方公共団体による整備方針、整備プログラムの策定
  住民と協議しづっ、整備目標、整備区域、整備手法等を明らかにし、地域防災計画や防災再開発方針等で位置付ける。
 イ 各種事業の総合的かつ集中的実施
  防災環境軸の基となる都市計画道路を集中的・機動的に整備するほか、街路と沿道市街地を一体的に整備する土地区画整理事業や市街地再開発事業、公園整備事業、都市防災不燃化促進事業、密集住宅市街地整備促進事業、従前居住者用住宅制度等の各種事業を地区の状況に応じ有機的に組み合わせながら実施することとし、国は、これに対し重点的支援を行う。また、まちづくり総合支援事業等地方公共団体が自らの裁量で柔軟に対応できる支援制度の活用を図る。
 ウ 沿道の不燃市街地形成誘導
  木造密集市街地において、民間の建築活動を適切に誘導するため、防火地域、最低限高度地区等を指定するほか、公共施設の整備に応じた容積率を明示する誘導容積型地区計画や総合設計制度等の積極的な活用、金融上の措置を講じるとともに、各種事業による公的支援の内容の事前明示を行う。また、生活拠点となる社会福祉施設やコミュニティ施設、防災施設等の積極的な立地を促進する。
 エ 防災環境軸整備に資する面整備事業制度等の改善
  まとまったオープンスペースを確保し、高度利用された不燃市街地を形成するためには、敷地の整序、集約化、共同化を促進する必要がある。この場合、地方公共団体による事業の実施だけではなく、土地所有者や民間事業者等が自らの建築活動に合わせて取り組むことができる次のような制度改正を行う必要がある。
・土地区画整理事業においては、敷地の共同化を図り、市街地環境の改善と土地の高度利用が促進されるような換地特例制度の創設を図る。
・民間主体による面的整備を促進するため、組合等が施行する土地区画整理事業に対する無利子貸付け制度を既成市街地に拡大する。
・市街地再開発事業の施行者に、ノウハウや資力・信用を有する民間事業者と土地所有者等が共同で設立する新たな民間会社を追加する。
・民間建築物に対し、不燃化助成を行う都市防災不燃化促進事業を拡充する。
 さらに、防災環境軸の整備に併せて、内部市街地の権利者を防災環境軸において高度利用が図られる地区へ移転促進すること等により、内部市街地に空地を確保し改善効果を波及させる方策についても、今後検討する必要がある。
 また、都市河川を活用した「防災環境軸」の形成についても促進していく必要がある。

A エ場跡地、学校跡地等の活用
 今後発生することが予想される工場の遊休化や小中学校の統合等による跡地については、都市開発事業用地として活用するだけでなく、防災環境軸を補完してオープンスペースや不燃空間を形成し、地域の防災性向上につながるよう活用を図る必要がある。具体的には、防災拠点機能を有する公園や広場の整備、周辺街区との一体的再開発、周辺の木造密集市街地で整備すべき道路等に係る土地所有者等の代替地の提供等に活用することができるよう、民間事業者への支援措置の実施や都市計画制度等の活用を図る必要がある。
 また、敷地整序型土地区画整理事業の活用等により、敷地や道路形状の再編を行う必要がある。

B 防災公園街区整備事業、緑化重点地区整備事業の活用
 木造密集市街地で防災に資する公園を地域の実情に即して整備するため、工場跡地等を活用し、防災公園の整備と併せて不燃市街地の整備を行う防災公園街区整備事業や複数の小規模な公園を緊急に整備する緑化重点地区整備事業を積極的に活用する必要がある。

C 敷地の細分化防止策
 木造密集市街地及びその周辺地域において、いわゆるミニ戸建て開発が行われること等により敷地が細分化し、地域の防災性や居住環境の悪化を招いている例もあることから、建築物の敷地面積の最低限度に係る土地利用規制について、木造密集市街地等への適用を推進する方策を講ずるなど、敷地の細分化を進展させない方策について検討する必要がある。



(3)木造密集市街地整備推進体制の整備


 木造密集市街地の整備は、様々な政策手法を適切に活用することによって、高齢者福祉や商店街の振興など地域の多様なニーズにこたえつつ実施することが求められている。このため、地方公共団体においては、密集市街地の整備に携わる人材育成を図るとともに、都市計画、街路、市街地整備、住宅、福祉、商業振興等の各部局が連携して対応できる体制を整備する必要がある。
 さらに、地方公共団体や住民等に加えて、これらを支援するまちづくりNPOや専門家の活用が重要であり、住民のまちづくり活動に対するNPOや専門家の派遣システム及びこれを支援する体制づくりについて、今後検討する必要がある。

 

 

 

 

 

 

 

【新たに付加】

 

 

 

【変更前】
 「 民間都市開発事業者に旺盛な投資意欲が・・・」と「 全国的には、住民等による地道なまちづくりの・・・」入れ替え。
【新たに付加】特に、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【新たに付加】「計画の早い段階から、」「まちづくりに」
【変更前】十分な協議が行われることについて、配慮する必要がある。
【注1】「○多様な・・・」以降の変更前は下記参照。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【変更前】土地所有者等の意向が事業に十分反映されるとともに、
 

 

 

【変更前】転出者
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【新たに付加】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【新たに付加】
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【変更前】改造型整備を行っていくこと
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【変更前】民間企業

 

 

 

 

 

 

 

【新たに付加】
 

 

 

 

 

【注1】

 ○ 多様な主体の意見を反映させながらまちづくりを行うことは、時間のかかる取組であるが、制度が定着し、経験やノウハウが蓄積されることにより手続の迅速化が図られることを期待したい。
 ○ 都市計画の提案制度がより有効に機能するよう、例えば、圏域計画等の広域計画や地方公共団体の都市政策との関係、環境に関する取組の方向性等を明確化すること等により、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針等の内容を更に充実することについて、今後、検討する必要がある。
 ○ 地域住民は、自らのまちづくりに関するニーズを都市計画の提案としてまとめる経験やノウハウを持たないことが一般的であると考えられることから、地方公共団体や中立性、ノウハウ等を有する公的セクター等と協力して、住民が共同して組織するまちづくり協議会等を支援する制度の充実についても、今後、検討を行う必要がある。
 ○ 国は、住民等と直接向き合う地方公共団体に対し、必要な支援を行う必要がある。


都市計画分科会トップページへ