分権一括法に関わる 都市計画法改正国会審議について

 質問

答弁

<衆議院行革特別委員会>

第18条(都道府県の都市計画の決定)

質問者・中桐議員(民主党)

質問

第3項に「国の利害に重大な関係がある政令で定める都市計画」とあるが、国の利害というのは規定が大きすぎる。
この「国の利害に重大な関係がある」という文言を、具体的に「広域的、基幹的、根幹的な計画、あるいは国土政策や国の利害に特に重大な関係がある計画」という表現にした方が、分権推進員会や分権推進計画に沿ったものになる。
 

答弁(関谷建設大臣)

今回の措置により、「国の利害との調整を図る観点」という国の関与を明確にすることで勧告の趣旨は全うされている、あるいはまたその中に含まれていると理解している。



答弁(山本政府委員)

今回の改正は、18条4項では国の利害を離れて都道府県を超えた広域的観点のみを調整の視点とする関与はありえないという趣旨を踏まえて、「国の利害との調整を図る観点」という文言に整理した。国の関与の視点を追加するものではなく、関与の視点を明確化したものだ。

 


質問

18条3項にはそういった改正はふくまれていない。すでに従来の都市計画法に「国の利害に重大な関係がある」という文言がある。問題は第4項が新たにつけ加わったことだ。第4項をもっと具体的に、広域的観点と国土政策、そして国の利害に特に重大なという文言を入れ、修正すべきだ。
答弁(建設大臣)

法律には要望されている意味は含まれている。

第24条(建設大臣の指示等)


質問

24条第1項と4項は、建設大臣が直接指示する、直接執行する規定だと思う。分権推進計画ではこの直接執行の条件は、「国民の利益を保護する緊急の必要がある場合には」となっている。
さて都市計画法は「国の利害に重大な関係がある事項に関し、必要があると認めるときは」となっており、従来の都市計画法をそのまま生かしている。なぜか。
答弁(建設大臣)

本条のこの考え方については、国民の利益を保護する緊急の必要がある場合に限り法律の定めるところにより直接執行を行い得るという地方分権推進計画の考え方と、違いはないと認識している。
質問
表現として「国の利害に重大な関係がある事項」そのものを残された理由を説明していただかないとわからない。

答弁(建設大臣)

「国の利害に重大な関係がある事項」とは、国が責任を持って実施すべき政策である。「必要があると認めるとき」とは、都市計画の決定等が適切に行われなければ国の政策の実現に重大な支障を来すおそれがある場合、例えば国土の骨格を構成する高速自動車国道等の都市計画決定が一部の県において行われないような場合を想像している。
そして国の利害に重大な関係がある事項とない事項に、改めて区分することは大変難しい。必要がある場合についても、前もって基準を定めることは非常に難しいと考えている。
質問

国の利害ということにこだわるのは、国民の利益という形で国の利害が表現できないということか。

答弁(建設大臣)

 国の利害と国民の利益、利害はすべてが合致するものではない。したがって国の利害に関する場合には国が直接執行すると私は判断している。

質問

直接執行の前提条件は24条第4項において、まず建設大臣が指示を都道府県に出して、そしてその措置をとらないときには、「都市計画中央審議会の確認を得た上で」となっている。この都市計画中央審議会が果たして直接執行していいものかどうかという確認をとるにふさわしい機関かどうかを議論したい。
この中央審議会の委員は建設大臣が任命するわけだが、その委員を選ぶルールはいかなるものか。
答弁(建設大臣)

都市計画中央審議会令の規定に従い、委員及び臨時委員については学識経験者のうちから、専門委員については学識経験者または関係行政機関の職員のうちから、それぞれ建設大臣が任命している。
これは、都市計画制度が高度な専門性と分野横断的な総合性を有するものであることを踏まえ、幅広い分野の専門家のうちから、相互のバランスを考慮して慎重に人選を行っている。恣意的な人選、恣意的に運用しているものではない。
質問

都道府県にも都市計画審議会があるが、その委員は通達で事実上縛っている。なぜ都道府県とは違った選び方になっているのか。具体的なものが何もない。

答弁(政府委員)

都道府県の都市計画審義会は、政令で大まかな基準を決めている。それに基づき、都道府県が条例で決める。
したがって、中央審議会あるいは都道府県の地方審議会いずれも、公平性、公正性の観点から、構成メンバー、人数等について適正な人選を行うことが必要である。
質問

都道府県に指示した内容がいいと言っているのではなく、都道府県の審議会は縛って、中央審議会は何でこんなことになるのか。

答弁(政府委員)

中央審議会は都市計画制度あるいは都市政策全般にわたって諮問、検討、答申する性格を持つ。一方地方審議会は、個別具体の案件について承認、認可等の審議を行う。
したがって中央審議会は、学識経験者ということで非常に幅を持った人選が可能である。ただその場合も、幅広い観点からバランスを持って選ぶべきだということになっている。
一方、地方審議会は個別具体のケースを審議する観点から、個別具体の資格について決めさせていただくということだ。

質問

私が特に問題にしたいのは、建設大臣が直接執行するにあたって、意見を聞くときのフィルターが中央審議会でいいのかという問題だ。少なくともこれは、国と地方公共団体の係争を取り扱うレベルだ。建設大臣が自分で任命する委員をフィルターに、直接執行にゴーサインを受けるのは問題だ。
答弁(建設大臣)

両面あると思う。1つは建設大臣の任命ということは、審議会が専門分野の審議をすることであるから、専門分野の範疇の方々を指名する。片や、総務省で全般を扱う、そういう範疇の方々もまた委員に入れることで指導すれば、両々うまくおさまると判断する。
質問

このシステムが自己矛盾を起こしてはいけない。総務庁長官が答えて下さい。


答弁(太田総務庁長官)

一般論として言えば、こういう執行について審議会を設けるというのは、中立的、第三者的な立場で執行していただくことであるので、責任を持って所管する大臣が任命することが大事だ。
一定期間の任期を持ったものを責任ある者が選んで、あとはゆだねる、あとは細かに口を挟まないことが大切であって、任命するのが建設大臣であるから、恣意的なものが入るとは言えない。


質問

そんなことを言えばシステムが成り立たないではないか。自分が任命する委員をフィルターにしてゴーサインかどうかを聞くのは。どうして、国と地方の係争処理のシステムに持っていかないのか。審議会の委員の皆さんを不信だと言っているのではない。システム上、おかしいと言っている。
答弁(太田長官)

最高裁判事を総理大臣が任命すれば、最高裁判事はいつも総理大臣の顔色をうかがって公正な裁判ができないかというと、そうではない。制度の建前というのは、そういう建前になっている以上、任命権者がそれを踏まえて任命することが期待される。
質問

その場合は、国会の承認を経るとか、国民の審判を受けるとか、いろいろプロセスがある。

答弁(太田長官)

最高裁の裁判官は国会の同意はいらない。最初の選挙の時に信任される。
質問
そのことはもう少し検討する。ただ国と地方の係争処理委員会はこの範囲に絶対に入り込まないのか。

答弁(野田自治大臣)

今議論の直接執行に関わる部分は、いわゆる並行権限の行使という分類になると思う。
これには大きく2つのジャンルがあると思う。1つは、並行権限の行使が地方公共団体の事務処理とは関係なく国が権限を行使するようなもの。例えば法律が事務所への立ち入り権限を国と地方公共団体の両方に認めているような場合は関与ではない。したがって係争処理の対象とはならないと考える。
一方、地方公共団体が権限を行使しないうちに国が同一内容の権限を行使したり、地方公共団体が行った行為の効果を覆すような行為を国が行うことによって、結果として、国の意思決定が地方公共団体の意思決定に優越することになる場合もある。このようなものについては、処分その他公権力に当たる関与に該当して、係争処理手続きの対象となる場合もあると考えている。

質問

都市計画法の建設大臣の指示は、それを係争処理委員会の回す方がいいのではないかと思うが、その対象にはならないか。
答弁(自治大臣)

対象になりうるジャンルだと考える。

質問

対象になりうるジャンルだということだから、ぜひ今後検討していきたい、またしていただきたい。
 

第77条(都道府県都市計画審議会)、
第77条の2(市町村都市計画審議会)


質問

都市計画中央審議会は、非常に大ざっぱな人選のルールしかなかった。ところが都道府県では大変細かい。非常に問題だと思うのは、都道府県が自分たちで決める審議をする審議会に、例えば20人の審議会の場合に関係行政機関の職員が7人リストアップされている。この7人は国の地方機関の職員、つまり国の職員が入っている。
こういう細かい規則が、今までの日本のまちづくりを中央集権的に画一的にしてきた大きな要因だと思う。こういう通達は廃棄するのでしょうね。また廃棄したときに、これと同じものを政令とか告示で出すことはないでしょうね。
答弁(建設大臣)
都市計画決定に係わる事務は自治事務として整理されている。したがって、都市計画の地方審議会の組織等に関し現在発出している通達については廃止する。
質問

しかし、今通達で出されている内容が政令や告示で取り入れられるのか。答えてください。

答弁(政府委員)

現在も都市計画の地方審議会の政令がある。人数が何人から何人程度であるとか、具体的なおまかな基準、最低の基準については定めることを考えている。

質問

最低の基準というのは、その基準の中身、どういう人で、どういう人数ということか。  

答弁(建設大臣)

今後の検討に当たっては、都市計画地方審議会に関する都道府県の意向、あるいは運営の実態等を十分に把握することが必要であり、現在その調査を進めている。この調査の結果を踏まえて、改正の必要があれば、都道府県都市計画審議会に関する政令の内容に積極的に反映させていきたい。

質問
   
今の通達等の内容、これは余りにも縛りすぎだと思う。余りにも細かい。1から10まで指図するようなことは、地方分権の時代に逆行する。
特に都道府県の審議会の中に国の地方機関の人が入っていく。これは地方自治からいって大変問題だ。もう1つは、最近では介護計画の中に 住民が参加する、公募された住民だとか形はいろいろあるが、そういう仕組みが進みつつある。
都道府県や市町村の、特に市町村が原点だが、やはり住民の声を反映させたまちづくりが個性のある日本をつくっていく。21世紀にふさわしくないような内容にしてもらわないと困る。
そこで、新しい流れということで、住民の方々が審議会の中に入っている例があるか。都道府県とか市町村に。
   
   
   

答弁(建設大臣)

ご指摘のようなきつい縛りというものは、決して行うことはない。それは地方分権に逆行するわけで、それは意識してしっかりやっていきたいと思う。
市町村の審議会についても、市町村の意向を今調査している。住民に一番近いわけなので、その特質にかんがみ、審議会における住民参加の手法をどのようにやったらいいか調査しており、市町村の独自性が損なわれない方向で検討している。損なわれない方向ということは、そういう方々のご意見を十分に配慮してやっていきたい、そのように思っている。
国の出先機関の職員がたくさん任命されているということがだ、このことももちろん頭に置いて、委員構成をしなければならないと思っている。例えば農業、産業立地、財政運営等々、総合行政を熟知した出先職員が皆無であっていいかというと、私はその方々も最低限必要だと認識している。
しかし、ご指摘の方向で考えていきたと思っている。
質問

前向きの話もあったが、中央省庁が関与した都道府県の都市計画審議会、その上に輪をかけて直接執行の関与だから、自治事務にした分だけ徹底的に裏から縛りをかけて何かやる、こういう意図が見えてしようがない。
まちづくりは地方分権の中でも非常に重要な分野だから、都市計画を取り上げながらやっているので、建設省だけけしからぬというつもりではない。
総務庁長官も、自治大臣も、まちづくりという問題1つ取り上げてもこれほど問題があるので、政省令は次の段階だが、そういうことをぜひ考えておいていただきたい。


答弁(太田長官)
ご指摘の点は重要だと思う。そして審議会に対する考え方は、今回の中央省庁改革において初めて変わってきた。審議会に行政機関の職員が入っているのは当たり前だとどの省庁も思ってきたし、OBがいるのも当たり前、また国会議員がいるのも当たり前と国会議員自身が思っていたこともある。
ところが、諮問をされる側とする側というのはインディペンデントでお互い独立分離していなくてはならぬという考え方をきちんとしてきたというのが今回の改革の趣旨である。それはやはり時間がかかって初めて浸透していくと思う。
今後とも、各省庁に対してそのような認識を浸透させていく努力をしたい。 

答弁(自治大臣)
ご指摘なようなことが残っているという部分がないではないかも知れない。
ただこの法案は完全にでき上がったという姿ではなく、大きく踏み出した第一歩であって、今後においても引き続いて、特に法律を制定、あるいは改正する際に、必ず国会のチェックがある。
その際にいろいろな角度からのチェックポイントがある。ご指摘のような角度から地方の自主性、自立性を損なうような方向に行かないかどうかも、大事なチェックポイントだとご理解いただいて、引き続き地方分権推進のために全力で取り組んでいきたい。
                          
(以上、要約・伊藤)
<参議院行革税制特別委員会> 

質問者・日下部議員(社民党)

(市町村都市計画審議会について)

質問 

まちづくりは市民自治のかなめだと思う。自分たちが住むところを自分たちの手でつくりあげる。これは当たり前のことだが、今まで当たり前ではなかったのが現状だと思う。
今回、都市計画が自治事務に区分された。そして市町村都市計画審議会が法定化されたのは評価すべきだと思う。しかし、審議会の構成を政令で拘束するのは、いささか問題がある。
衆議院で、市町村の独自性が損なわれることのないような方向で市民参加、委員への公募市民の参加を認めるというものに近い言葉をいただいているが、ここではっきりと委員への公募市民の参加を認めるという言葉をいただけないか。


(都市計画審議会に関する質問に対する答弁)


答弁(関谷建設大臣)

市民参加というのは、私も当たり前のことと思っている。今後、市町村においても都市計画審議会が法律的に確立されたが、大きな前進だと思う。市町村の独自性が損なわれない方向で検討すべきだということは、まず、基本の認識だと思っている。
 現在、その実態であるとか市町村の意向を調査していうところだ。その結果を踏まえて適切に対処していきたい。公募という方法がいいのかどうか、少しまだひっかかっているが、極力前向きで対処していきたいと考えている。

            (以上、要約・伊藤)




衆議院付帯決議(都市計画法関連)

 市町村都市計画審議会の組織及び運用に関する政令による基準を定めるに当たっては、地方公共団体による地域の特性に応じた自主的、自立的なまちづくり、住民参加の促進等を妨げることのないよう特に配慮すること。
 
参議院付帯決議(都市計画法関連)

  (衆議院と同文)
 

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