NPOは競争環境にあると「基礎知識」で述べましたが、だからといって、周りはすべてライバルであると考えるのもまた間違っています。NPOの世界で今進行しているのは、多様化と専門化というトレンドです。または、各地域における地域密着型の展開も進んでいます。
その中で、さまざまな「棲み分け」が行われてきているのです。
福祉や医療でも、環境保全でも、難民支援でも、一つの団体だけで総ての問題に対応できるようなNPOはありません。
たとえば、ある国の難民を支援しようとしても、医療の提供や、食料援助、テントなどの物資の支援、子どもへの教育援助、難民への援助を増やすための国際機関への働きかけ、帰国に向けた職業訓練など、さまざまな支援が必要となってきます。しかも、それぞれが専門的なサービスを必要としています。そして、どれかが欠けたり足りなかったりすると、他の支援も十分効果をあげられないということになってくるのです。
目的を達成するために、このような場合、NPO間での提携やネットワークが必要となってきます。資金集めなども、財源のニーズによっては、協力して対応した方が効果があがる場合もあります。
一方で、競争しながら、もう一方では協力していくことが重要になる。NPOの活動環境はそのような独特の環境であることを理解しましょう。そして、良い協力と良い競争ができるよう、自身の専門性や得意分野をしっかり持ちあい、相手の活動に敬意を払うことも経営の基本です。