日本では、戦後長い間、福祉や環境保護といった公共のための事業は、政府や政府を補完する団体(社会福祉法人や公益法人など)が行うという考え方が支配的でした。
しかし、70年代後半に入ると、行政の公共サービスがだんだん硬直化してきて、市民ニーズに合わないという事態が起こってきました。行政サービスは、在宅介護や難民支援や地域の自然保護などといった新しい社会のニーズに上手く応えきれなくなってきたのです。
このような行政サービスの限界に対して、70年代から80年代には、福祉や環境保護、国際協力といったさまざまな分野で、新しい市民ニーズに対応した、市民が主体となった利益を求めない活動をする団体が次々と生まれてきました。これらの団体は、ボランティア団体とか、市民団体、市民活動団体などと呼ばれました。また、後には、NPOとか、国際協力の分野では、NGOなどと呼ばれていくようになりました。
90年代に入ると、行政サービスに限界があることが多くの人々に理解されるようになってきました。また、財政危機により、行政自身も公共サービスをどんどん増やしていくことがもはやできないということを認めるようになりました。
こうして、市民からも、行政からも、行政サービスの様々な限界を超えて公共サービスを提供できる存在としてのNPOに注目が集まってきました。
とりわけ、95年の阪神・淡路大震災の際には、これら小さなNPOが多数被災地支援に駆けつけ、社会的評価が一気に高まりました。行政側にも、NPOと対立するのではなく、NPOと協力して様々な社会的課題に取り組んで行こうという意見が主流になってきたのです。