都市計画法改正・建設省ヒアリング2(付帯決議 掲載)

 

●民主党市民円卓会議
 〇日 時 2000年4月20日(木)11時〜12時30分
 〇場 所 衆議院第二議員会館 第二会議室

●建設省
 都市局都市計画課     
 都市局住宅市街地建築課     
 建設経済局民間宅地指導課
 
〇コーディネーター  前原誠司衆議院議員
〇参加者   東京ランポ  伊藤、菅原、辻、川原
         分権まちづくり研究会 西田  他約20名
        
●ヒアリング

1 市街化区域と市街化調整区域との区分制度及び開発許可の基準に係わる改正等について

Q1)「市街化区域と市街化調整区域との区分に関する都道府県による選択性の導入」や、「開発許可の基準等」に係わる改正は、都道府県や市町村の対応にもよりますが、「無秩序な市街化スプロール化防止」は可能か。
A)都市計画課:法律制度では線引きが原則。従来の都市化に対応して線引きしてきたが、それを都道府県の判断に委ねるようにするということで、無秩序な開発にはつながらないと考えている。
A)住宅市街地建築課:開発許可は地域の状況によって、条例で定める。敷地面積は公共団体の判断だ。市街化区域に隣接する市街化調整区域においても、一定の開発許可をしても良いと考えている。定型化された建築許可については基準がすでにあるので、無秩序な開発にはつながらない


Q2)都市計画区域のマスタープラン(都道府県)は、現行の整備・開発・保全の方針とどこが異なるのか。市町村マスタープランとの関係をどのように考えるか。
)都市計画課:現制度は、線引きを前提としている。整・開・保は上位概念であるので、都市計画区域全域の整・開・保とした。「市町村マスタープランは整・開・保に即して策定する」ことは踏襲するが、今まで以上に整・開・保と市町村マスタープランとの連動、連携が重要になる。市町村は「都市計画に対する案の申し出」ができるよう規定するが、これは市町村からの提案になるので、整・開・保に反映して行くことになる。

Q3)市街化を促進するおそれがないと認められる条例で定める開発行為とは、具体的に何を想定しているのか。都道府県条例の制定にあたって、市町村や地域住民の意向の反映はどのように行うのか。
A)住宅市街地建築課:今までは開発審査会の議を経て許可してきた。開発審査会は、実務の積み重ねがある。たとえば市街化調整区域でも、農家の貯蔵施設等は認めても良いとしている。都道府県の条例で明示した方が透明性が高くなり、地域の住民にも理解されやすい。

2 良好な環境のための制度の充実について
Q1)風致地区に係わる改正や特定用途制限地域制度の創設、用途地域の指定のない区域内における容積率、建ぺい率等の合理化は基本的には望ましいと考えるが、その積極的な活用に向けた自治体の支援策をどのように考えるか。
A)都市計画課:自治事務なので関与はできないが、助言や参考資料の提供はできる。

Q2)用途地域の指定のない区域については原則を50/30程度に引き下げ「計画的なところには開発なし」の原則をとるべきと考えるが、いかがか。
A)建設経済局民間宅地指導課 宮本:原則400/70のところを一律に低くしてしまうのはむずかしい。
実態を考え、適正な状況に対応して数値を下げられるようにした。、50/30も適用可能だ。メニューも広げる。それぞれの地域に応じてやっていけば良い。


3.既成市街地の再整備のための新たな制度の導入について

Q1)商業地域における特例容積率適用区域制度の創設、都市施設に係わる立体的な都市計画の決定手法の導入及び建ぺい率制限の合理化は、現行より大幅に規制緩和することになり、望ましくないと考えるが、建設省としての見解は。

A)都市計画課:規制緩和の側面はあるが、望ましくないとは考えていない。都市施設に係る立体的な都市計画は必要な合理化だと考えている。
A)建設経済局民間宅地指導課:建ぺい率の合理化については、密集市街地の老朽化した建物の建替えに対応したものである。


Q2)特例容積率適用区域は、都市全体の将来像に多大なる影響を持ち、区域指定にあたっては特段の市民参加手続を要するとともに、容積移転の問題も都市計画として定め、住民参加手続きを踏むべきものだと考えるが、いかがか。
A)都市計画課:区域の指定は都市計画手続。容積の移転は同意が必要。区域を都市計画で決める。
 
Q3)地区計画の決定用件に係わる改正によって、期待される効果はどのようなものだと考えるか。
A)都市計画課:白地のところは法律用件が明確ではなかった。定められるということを明確にした。

4.都市計画区域外における開発行為及び建築行為に対する規制の導入について都市計画区域の拡大でなく、準都市計画区域制度を創設するとした理由を示せ
A)都市計画課:区域外で開発がすすんでいるところは、土地利用制限の要請がある。都市計画区域は、一体の区域として都市を発展させるところだ。その拡大は、都市的整備を広げることになり、土地利用の乱れにつながる恐れがある。

5 都市計画決定手続きの合理化等

Q1)都市計画の案の作成における都道府県と市町村の役割の明確化において、「都市計画に対する案の申し出」の手続きはどのようなことを想定しているのか。
A)都市計画課:様式を定めるつもりはない。市町村から申し出があれば、都道府県はそれを尊重することになる。これまでも市町村の意向でやってきた。

Q2)地区計画等に対する住民参加において、「申し出」に関わる条例はどのようなものが想定されるか。また、条例制定の推進についてはどうか。
A)都市計画課:都市計画法は住民に身近なものということで、それを規定した。まさにこれは自治体の条例で、どうつくるかは自由だ。国から「これはダメ」というようなことは考えていない。

Q3)都市計画の案の縦覧の際の理由の添付はどのような効果があると考えるか。また、理由書の内容に対する手続きについてどのように考えるか。
A)都市計画課:説明責任の重要性として考えている。自治体の義務が重くなる。住民からの意見も出しやすくなる。

Q4)都市計画決定手続の条例による付加は「法の規定に反しない」範囲ということだが、具体的には何が想定されているのか。
A)都市計画課:法律の内容を省略することはダメだが、より慎重に行うとか、手続を付加するとか、いろいろある。たとえば縦覧期間は2週間だが、それを3週間にするとか、公聴会の開催を義務づけるなどが想定される。自治体の判断で、条例で定めてほしい。

Q5)都市計画に関する知識の普及及び情報の提供について、自治体で条例制定も可能と考えるが、いかがか。また、これに関する支援策についてはどのように考えるか。
A)都市計画課:条例制定は可能だ。支援策は、自治事務なので個別の関与はできないが、法律で認められる範囲で支援したい。

6.都市計画中央審議会答申との関係について

Q1)1(2)で「市町村マスタープランの策定促進」が述べられているが、その具体策はあるのか。
A)都市計画課:マスタープランはどんどん進んでいる、住民参加の良さがあるので、今の流れを進めていきたい。具体策としては事例の提供などが考えられるが、個別の指導にならないようにしていく。

Q2)4(4)で、「自然的環境や景観など都市環境の保全のための総合的取組み」を述べている。その具体策はあるのか。
A)都市計画課:風致地区や準都市計画区域、開発許可など、今回の改正でも具体化したものがある。税制の問題など、引き続き検討する。

Q3)昨年10月から11月にかけて行われたパブリック・コメント「都市計画制度の見直しに関する意見募集」には550もの意見が寄せられたと聞いているが、これらの意見はどのように反映され、あるいはされなかったのか。概要を示せ。
A)都市計画課:都道府県全部に、全域にまたがるマスタープランを作りましょうということに関しては、地方の県は、面積に占める都市計画区域が少ないので、全域を考えると実現するのがむずかしいとの意見であった。また大規模建築物の届出・勧告制も事前明示性は透明性に欠けるとか、あとから規制を明確にし、事後的に勧告するのはむずかしいとの意見であった。これらは最終的に法案でも措置していない。

7. 中央都市計画審議会で「引き続き取り組むべき課題」としている事項について「国土計画、地方計画と都市計画の連携のあり方」等、4項目があげられているが、今後の見通しはどうか。
A)都市計画課:審議会で引き続き検討していくが、まだ先の検討はしていない。

8.新たに必要、可能となる条例について
Q 新たに条例制定が必要、または可能な条例は次の通りでよいのか。
・開発許可の技術基準に関する条例(都市計画法第33条第3項、第5項)
・開発地域において技術基準に関する条例(都市計画法第33条第4項、第5項)
・市街化区域内に隣接する土地の区域内における一定の開発行為に関する条例
 (都市計画法第34条第8項の3)
・開発区域における市街化を促進するおそれがないと認められる建築物等に関する条例
 (都市計画法第34条第8項の4)
・風致地区条例(都市計画法第58条第1項)
・特定用途制限地域内における建築物の用途の制限に関する条例(建築基準法第49条の2)
・日陰条例の改正(建築基準法56条の2)
・地区計画に関する条例―第3項も基づく「案の申し出の方法」の追加
 (都市計画法第16条第2項、第3項)
・都市計画決定手続きを付加する条例(都市計画法第17条の2)
A)都市計画課:可能な条例だ。

都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議

政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。

一 地方公共団体における都市計画決定・変更等が円滑かつ適正に推進されるよう、必要となる参校資料等の情報の提供、人材の育成等支援体制の整備その他特段の配慮を図るう努めること。

ニ 市街化区域と市街化調整区域との区分の都道府県による選択制への移行に伴い、区域区分を廃止することとなる都市計画区域については、従前市街化調整区域に指定されていた区域の無秩序な市街化を防ぐとともに、中心市街地の衰退を招くことのないよう必要な措置が講じられるよう努めること。

三 都道府県の都市計画区域の整備、開発及び保全の方針の策定に当たっては、市町村との合意形成を十分に図り、当該市町村の都市計画に関する基本的な方針と整合性が保たれるよう努めること。

四 都市計画区域外における秩序ある土地利用を図るため、準都市計画制度の積極的な活用と開発許可制度の的確な運用が図られるよう努めること。

五 特例容積適用区域制度の適用に当たっては、指定した特例容積率の限度を広く周知する等、本制度について関係者の理解を深める観点から必要な措置が図られるよう努めること。

                

文責:川原

衆議院行革特別委員会の審議経過 議事録

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