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民間再開発事業者にも土地収用権限を付与? ―危険な都市再生本部の制度改革の行方― 2002/03/08 すでに本欄でも報告しているように、国土交通省の都市基盤整備審議会都市計画分科会では、次のテーマについて議論している。これらの2つのテーマは、当初は年内にも「中間のまとめ」を行う予定であったが、少し遅れて年明けになることになっている。 1.民間の都市活動を促す都市計画の枠組み 2.木造密集市街地解消のための方策 ところが、まだ都市計画分科会で「中間のまとめ」にも至っていない最中に、小泉内閣都市再生本部は1つの方向づけを決定してしまった。それは「都市再生のために緊急に取り組むべき制度改革の方向」である。具体的な内容については、ランポや都市再生本部のホームページをみてもらいたいが、特に大きな問題だと考えられること、1つに絞って紹介し、批判を加えたい。 「制度改革の方向」は、民間事業者が「より強力に事業を推進できるよう法律上の権能を強化する」として、次の4点を提起している。 イ) 民間の事業計画に基いた思いきった都市計画変更 ロ) 民間事業者に一定の強制力をもった事業権能創設 ハ) 民間事業者に対する事前確定性の確保 ニ) 設計の自由度の向上による民間事業者の創意工夫の発揮 これら4点については、いずれも詳細に問題点を明らかにしなければならないと考えるが、ここでは「民間事業者に一定の強制力をもった事業権能創設」という課題について問題点を明らかにしたい。 民間事業者に強制力をもった権能とは何か。具体的には、民間事業者が円滑に土地の買収と集約化を進められるよう、一定の民間事業者に、従来公的主体に限定されていた強制力をもった再開発の施行権能を付与する、というものだ。現在の再開発は、第1種事業と第2種事業に分けられる。第1種事業は、個人や組合施行であり、第2種事業は自治体施行や公団施行である。第2種事業は、まず施行区域全域にわたって全面買収を行う。そのために、土地収用権限が与えられる。 民間事業者に強制力をもった再開発施行権能を与えるということは、すなわち土地収用権限を与えるということである。この場合には、第2種事業の改正か第3種事業の創設が考えられる。都市整備公団の民営化もにらんだ提起だとしても、憲法第29条(財産権の保障)にも抵触するきわめて乱暴な議論である。強制代執行をともなう権限が、公的な団体にしか認められていないのは、財産権の保障とのバランスの上に成り立つからだ。安易な土地収用権限の拡大は、都市再生どころか、バブルの再発と崩壊といういつか来た道をたどりかねない危険なものである。 詳しくは都市再生本部第5回12/4資料のページ http://www.kantei.go.jp/jp/tosisaisei/dai5/5siryou.html |
(文責 伊藤) |
掲載 月刊ランポNo.49 2001年12月13日 |