まちづくり支援 東京ランポ 東京ランポは、市民主体のまちづくりを支援する非営利団体です。
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過去の実績

 「過去の実績」は、『東京ランポ10周年記念誌』(2003年5月発行)に掲載された文をもとにしています。


まちづくり・市民参加の調査-提案

都市マス、日英、市民公募−−独自の調査研究活動で、市民主体のまちづくりを目指した提案を行ってきました。


(1)都市計画マスタープランからまちづくり条例へ


■「都市計画マスタープラン」とは
 1992年の都市計画法改正により、市区町村が策定できることになった「都市計画に関する基本的な方針」のことです。策定には「住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずる」と市民参加が明文化されています。ただし、必要な措置について具体的に触れられていないため、市民参加への対応は自治体によってまちまちでした。

■東京ランポが行ったこと
 市民が主体のまちづくりを進める視点から、都市計画マスタープラン(以下、都市マス)市民案づくりの支援とともに、策定における自治体の市民参加の実態と問題点検証の調査を実施しました。
 調査対象は東京都の27市(当時)、23区の合わせて50自治体。1998年度末時点で策定した自治体の調査を元に「提案・これからの市民参加」(1999年1月発行)、2000年度末までの調査をもとに「都市計画マスタープランの課題と市民参加」(2001年9月発行)をまとめました。

■成果は
 この調査・提案によって、まちづくりにおける市民参加を形式的なものでなく、実のある内容にするための手法、仕組みが、地域で活動する多くの市民に共有され、その後のまちづくりの活動に少なからぬ貢献ができたと思います。また、都市マスと市民参加が実際のまちづくりの計画などに活かされるための手続きなどを定める「まちづくり条例」の調査研究−提案へと発展しました。


(2)都市計画審議会の改正を提案


■都市計画審議会とは
 まちづくりを対象とする数少ない常設審議会。1999年の地方分権一括法の制定により都市計画法が改正され、市区町村の都市計画審議会が法制化されるとともに、権限も拡大されました。それまでは都道府県の都市計画審議会の下に位置づけられ実質的な権限はありませんでした。

■東京ランポが行ったこと
 1998年に分権−まちづくり研究会を設立、都市計画審議会の実態調査を行い、市民参加のまちづくりを進めるために都市計画審議会の改正条例試案作成、「都市計画審議会を変える〜運用状況調査と条例試案・提案〜」(1999年12月発行)をまとめました。

■成果は
 実態調査からは、専門性を発揮して政策審議をすることもなく、議案を粛々と決定するだけの形式的な審議会になっていることが浮き彫りにされました。改正条例試案では、まちづくりへの市民参加の推進を図り、一定の公募委員の導入、公聴会の設置、会議の公開、専門部会の設置などを規定しました。
 それまで、まちづくりのなかであまり注目されてこなかった都市計画審議会を、分権改革を踏まえて市民参加型に変えていく視点を提示した調査−提案です。


(3)日英交流プログラム事業による  まちづくり制度の提案


■「市民参加のまちづくり日英NPO交流プログラム」とは
 1997年度から1999年度まで3ヵ年の事業として、まちづくりに関わる日英のNPOの交流を図るとともに、日英のまちづくりの制度、NPOの活動を支える仕組みについて比較調査して課題を見出し、その解決の方向を探ることを目指して実施しました。

■背景
 90年代後半、日本では地方分権化、NPO法制定のなかで、まちづくりにおけるNPOの役割が注目されていました。一方、イギリスではボランタリーセクターと呼ばれるNPOが、まちづくりの活動を支える財政的基盤が整備されていくなかで、コミュニティレベルから全国レベルまで活発な活動を展開していました。

■年度テーマと活動内容
1997年度 : まちづくりNPOの役割と市民参加の課題(1998年1月12〜21日)
イギリスから3人のゲストを招き、プレセミナー、東京・谷中地区、京都・千本地区でのワークショップ、市民主体のまちづくり<日英交流>フォーラムなどを開催。表題の報告書をまとめ、発行しました。
1998年度 : イギリス訪問調査と交流(9月21〜30日)
東京ランポ、まちづくりNPOから10名が参加して、マンチェスター、ロンドン、ヘイスティングスなど5都市を訪問し、18のNPO、まちづくり事業体などをヒアリング。調査レポート「まちづくりNPOの活動基盤をさぐる」をまとめ、発行しました。
1999年度 : まちづくりにおけるNPOの役割と活動基盤をさぐる(10月11〜17日)
イギリスから4人のゲストを招き、東京・山谷、世田谷、谷中、多摩、京都・千本、神戸でのワークショップ、シンポジウム、市民参加のまちづくり日英NPOフォーラムを開催。提案を含めた報告書をまとめました。


(4)市民公募委員制度の実態調査


■東京ランポが行ったこと
 都市計画マスタープランの提案で、市民参加の新たな手法として公募委員制度を位置づけたことから、全国初の市民公募委員制度の自治体実態調査と提案を行いました。2000年5月の東京・神奈川・千葉・埼玉全市区143自治体を対象としたアンケート調査は90%の有効回答率、その85%で何らかの会議に市民公募を導入していることが判明。さらに、17の自治体職員・公募委員にヒアリングした結果、市民公募委員制度の多様性や長所とともに、使い方によっては市民参加を制限するという課題も見えてきました。この調査は「市民参加の新しい扉を開く〜市民公募委員制度の実態調査と提案」(2001年5月発行)にまとめました。

■成果は
 提案は、公募委員制度を市民と行政の協働の1つの手法ととらえ、公募委員が使命を発揮できるよう行政への提案と市民への提案に分けています。行政への提案では、委員募集前・公募委員を活用する会議の運営方法・会議運営上の職員の役割・任期終了後の4つの段階に分けて具体的な原則をあげました。この調査−提案は、多くの自治体・市民から注目されました。


〜市民提案型都市マスづくりの道を開いた東京ランポ〜
 1994年の夏、東京・生活者ネットの参加で取り組んだ「都市マス市民案づくり」は、その後の市民主導のまちづくりの転換点となり、私にとっても大きな転機となった。わずか16ページの第1号市民案「水のおいしい調布−こんなまちにしたいナ」が全都の市民案づくりの呼び水で、杉並、多摩、狛江、府中・・・と続く。そこで培われた人材とノウハウが行政の計画姿勢を変え、やや大げさだが「市民参画型都市計画の夜明け」となったと思う。
(西田 穣/杉並まちづくりに夢をつなぐ市民の会)

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